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臍帯ヘルニアとは︖発症する原因などを解説

臍帯ヘルニアとは︖発症する原因などを解説

「臍帯ヘルニア」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「ヘルニア」というキーワードだけを聞くと、腰の症状などを思い浮かべる方も多いかと思いますが、臍帯ヘルニアは「臍」という漢字からわかるように、赤ちゃんのお臍(おへそ)に関連した病気です。臍帯ヘルニアの具体的な症状や治療、原因と合併症や診断時期について分かりやすく解説しますので、参考になりましたら幸いです。

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臍帯ヘルニアとは?臍ヘルニアとの違い

臍帯ヘルニア(読み方:さいたいへるにあ)は、赤ちゃんの薄い透明なヘルニア嚢(臓器を包んでいる膜)に覆われて、内蔵(胃や腸、肝臓や膵臓など)が出たままの状態で産まれることを指します。赤ちゃんのへその緒(臍帯)の中に胃や腸、肝臓や膵臓などが出たままの状態で産まれてくる といった表現のほうが分かりやすいかもしれません。

臍帯ヘルニアは赤ちゃんの内臓が体の外に出たままの状態のため、出産直後から以下のようなリスクがあります。

  • 胃や腸、肝臓や膵臓といった内臓が乾燥するリスク
  • 内臓から水分が蒸発することによる低体温や脱水のリスク
  • 腹膜表面からの感染のリスク

これら上記のリスクを避けるため、また赤ちゃんの治療の一つとして、加湿された暖かい保育器で低体温や脱水の予防を行います。

臍帯ヘルニアが発生する頻度は8,584人に1人という報告があり(※①)、臍帯ヘルニアが発生する性別は男:女=3:2で男児のほうが多いという特徴があります。

臍帯ヘルニアと臍ヘルニアの違い

似たような言葉に「臍ヘルニア」があります。臍ヘルニアはいわゆる「出べそ」と言われているもので、臍帯ヘルニアとは全く違うものになります。

臍帯ヘルニア:赤ちゃんのへその緒(臍帯)の中に胃や腸、肝臓や膵臓などが出たままの状態で産まれてくること
今回の記事はこちらについて解説しています。

臍ヘルニア(出べそ):おへそ周辺が膨らんだり、飛び出している状態。生後間もない赤ちゃんの場合は、お腹の中の腸が出たり入ったりしている状態。赤ちゃんや子どもに多いが、大人になったあとも肥満や妊娠などで臍ヘルニア(出べそ)になることがある。

臍帯ヘルニアの治療方法

臍帯ヘルニアの治療方法

続いて臍帯ヘルニアの治療方法についてご説明します。

臍帯ヘルニアの治療は、基本的には手術です。臍帯ヘルニアの赤ちゃんは、内蔵(胃や腸、肝臓や膵臓など)がお腹の外に出たままの状態です。手術でこれらお腹の外にでている臓器を戻し、お腹の壁を閉じる手術を行います。

手術をする回数や時期には個人差があります。外に出ている臓器が少ない、穴が小さい場合は、1回の手術で臓器を戻し、お腹の壁を閉じることができます。

しかし、多くの臓器が外に出ている場合、穴が大きい場合は手術を複数回に分けて行う(多期的手術)必要があり、何回か手術を行う必要があります。期間は1〜2週間程度です。

臍帯ヘルニアの原因と合併症

臍帯ヘルニアの原因と合併症

臍帯ヘルニアは、妊娠中に赤ちゃん(胎児)のおなかの壁に穴が空いてしまうことが原因です。通常、胎児のおなかの壁は、妊娠3~4週頃に作られます。壁を作る過程で、なんらかの原因で正常に作られず、胎児のおなかの壁に穴ができることで、胃や腸などの臓器が出たままの状態になり、臍帯ヘルニアとなります。

なぜ臍帯ヘルニアになるのか、その原因については様々な研究が行われています。妊娠中の喫煙やアルコールの接種などによりリスクが高まるとの報告もありますが、今の所、はっきりとした原因は明らかになっていないのが現状(※②)です。

臍帯ヘルニアの合併症

臍帯ヘルニアの場合、臍帯ヘルニア以外にも様々な合併症を有することも多いとされています。臍帯ヘルニアの治療方法は、手術で臓器を戻し、お腹の壁を閉じることと前述でお伝えしましたが、合併症がある場合も多い臍帯ヘルニアは、様々な要素や赤ちゃんの状態をふまえながら治療や手術方針を決定する必要があります。

様々な合併症がある場合、そもそも手術をすること自体が赤ちゃんにとって危険な場合があります。その場合は、赤ちゃんが1歳程度になるまで成長を待ち、手術を行う場合もあります(近年成長を待ってから手術をする数は減少傾向にあるようです)。

以下が臍帯ヘルニアに多いとされている代表的な合併症です。

  • 腸回転異常
  • 奇形(心奇形や鎖肛、仙骨奇形など)
  • 染色体異常(13トリソミーのパトウ症候群、18トリソミーのエドワーズ症候群、21トリソミーのダウン症候群など)

DNA先端医療株式会社のNIPT(新型出生前診断)では、13、18、21番を含む1~22番染色体検査をはじめ、赤ちゃんの染色体由来による先天性疾患を調べることができます。妊娠10週以降の単胎妊娠、双胎妊娠(ふたご)の方が検査可能で、妊娠10週0日~15週6日までの受検をおすすめしています(16週以降での受検は相談)。

これまでの出生前診断である「羊水検査」や「絨毛検査」のように流産や感染症のリスクを心配する必要なく、血液検査のみで診断ができ、お母さんの体への負担が少ないため、妊娠中に安心して受けることができます。

臍帯ヘルニアの診断時期

臍帯ヘルニアの診断時期

臍帯ヘルニアは胃や腸などの臓器が外に出ているという、かなり特徴的な症状がありますので、赤ちゃんが生まれた瞬間の外観から診断できます。

現在は医学の進歩により、妊娠中の妊婦健診などで行われる、胎児超音波検査で判断できるケースがほとんどのため、出生前から分かっている場合が多いです。

臍帯ヘルニアは感染や低体温など、出生直後からのリスクがあること、また胃や腸を戻し、お腹の壁を閉じる手術などが必要なこと、加えて染色体異常や腸回転異常、奇形をはじめとした合併症を有していることが多いです。一般的な妊婦健康診査の項目以外にも、心臓の超音波エコーや血液を用いた染色体検査などを追加で行うこともあります。 妊娠中に臍帯ヘルニアであると分かった場合、出生直後から様々なケアや手術を必要とします。お母さんと赤ちゃんの命を守り、適切な治療を行うために、治療体制の整った病院への搬送を行い、生まれてくる赤ちゃんとお母さんの命を守るための体制を整えます。

臍帯ヘルニアのまとめ

臍帯ヘルニアのまとめ

今回の記事では、臍帯ヘルニアについて、臍ヘルニア(出べそ)との違いや原因と合併症、治療や手術方法、診断の時期などについてご紹介しました。

臍帯ヘルニアとは、赤ちゃんのへその緒(臍帯)の中に胃や腸、肝臓や膵臓などが出たままの状態で産まれてくることを指します。はっきりとした原因はわかっていませんが、内臓が外に出たままの状態のため、出産直後から感染や低体温などのリスクがあります。

臍帯ヘルニアが発生する頻度は約8,500人に1人で、男:女=3:2で男児のほうが多いと言われています。治療方針としては手術で、お腹の外にでている臓器を戻し、お腹の壁を閉じる手術を行います。多くの臓器が外に出ている場合や穴が大きい場合は、何回かに分けて手術を行う必要があります。

医学の進歩により、臍帯ヘルニアは出生前の胎児超音波検査で確認できることがほとんどとなりました。臍帯ヘルニアは出生直後から様々なケアや手術を必要とする場合が多いこと、また合併症を有している場合が多いため、臍帯ヘルニアと診断された時点で、治療体制の整った病院へ転院し、お母さんと赤ちゃんの命を守るための体制を整えます。

参考文献:
①荒木 勤 、最新産科学 異常編、文光堂、2009年
Medical Note、臍帯ヘルニア
③医療情報科学研究所、病気がみえる vol.10 産科、メディックメディア、2018
日本小児外科学会、妻帯ヘルニア

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平野香菜子
看護師・保健師のライターであり、内科、精神科にて看護業務に従事経験を持つ。また、2020年には企業保健師として、食事、運動をはじめとした生活習慣改善のための保健指導なども活動中。 / 略歴 2016年 美容系専門学校講師 2017年 大学教員(助手) 2018年 看護師 2020年 企業保健師 / 取得資格 看護師、保健師
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