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ダウン症(21トリソミー)とは?特徴と新型出生前診断(NIPT)で分かること

妊娠中の女性の中には、お腹の赤ちゃんがダウン症(21トリソミー)かどうか気になっている人もいるのではないでしょうか?この記事では、ダウン症の特徴や原因、新型出生前診断を受けるときのポイントについて紹介します。

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ダウン症とは?21トリソミーについて

ダウン症は、21番目の染色体の変化によって起こる先天異常です。遺伝情報が含まれている染色体は1対のペアになっており、2本あるのが正常です。細胞の核の中には、23対46本の染色体が存在しており、1~22番目の染色体は常染色体と呼び、残りの1対の染色体は性染色体と呼ばれます。

ダウン症と21トリソミーの違い

ダウン症は21トリソミーといわれるように、21番目の常染色体が2本ではなく、3本ある状態によって起こるものが95%を占めます。ダウン症の残りの5%は、21番目の染色体のうち過剰な部分が、他の染色体とつながっているケースを占めます(医学用語で「転座」といいます)。

トリソミーのように他の常染色体の数が変化していることは珍しいことではありませんが、多くの場合、妊娠の途中で流産となります。そのため、21トリソミーによるダウン症は、トリソミーによる染色体異常の中でも、最もよくみられる先天異常といえます。

ダウン症でみられる症状と特徴

ダウン症で生まれたきた子どもは、身体の成長や心の発達がゆっくりである傾向があります。ここでは、ダウン症の子どもの身体や心の特徴についてみていきます。

身体的な特徴

ダウン症の子どもは頭が小さく、平坦な顔につり目や低い鼻を持ちます。耳の大きさは小さく、頭の低い部分についていることが多くなります。顔の筋肉の力が弱く、舌が大きい傾向にあるので、口を開けている傾向があります。

手は比較的に短く、手のひらに横1本のしわがよくみられます。ダウン症の子どもは、平均よりも身長が低く、肥満になりやすい特徴があります。また、ダウン症の赤ちゃんの半数は、心臓の病気を合併して生まれてきます。そのほかにも、胃腸の病気や難聴、視覚異常などがみられることがあります。

精神的な特徴

個人差はありますが、ダウン症の子どもの性格は大人しい傾向があります。ダウン症の子どもの知能には幅がありますが、健康な子どもよりも知能が低くなる傾向があります。言葉の発達にも遅れがみられたり、多動症などの症状がみられたりすることがあります。

ダウン症になる原因と予後について

ダウン症の要因となる21トリソミーにある余分な染色体は、多くの場合、父親ではなく母親から受け継がれます。実際に、母親の妊娠年齢が高くなるほど、ダウン症の赤ちゃんが生まれる割合が高くなることが明らかになっています。

とはいえ、若い妊婦さんからダウン症の赤ちゃんが生まれることもあれば、高齢妊娠でもダウン症の子どもが生まれないケースも多くあります。ダウン症の子どもの染色体異常は、父親から受け継がれたものもあります。

お腹の赤ちゃんがダウン症であることが分かったとしても、妊婦さん本人が自分を責める必要はありません。また、ダウン症の子どもが生まれた原因を誰かのせいにする必要もないでしょう。

ダウン症の赤ちゃんの多くは大人になりますが、平均寿命はダウン症でない子どもよりも短く55歳といわれています。お腹の赤ちゃんがダウン症であることが分かった時は、家族だけで抱え込むのではなく、社会資源を利用しながら支え合って、子どもを育てていくことが可能です。

ダウン症はエコー検査で分かる?

超音波を使ったエコー検査でも、ダウン症の可能性を知ることができます。妊婦健診でも行われる超音波検査が行われますが、胎児ドックのように時間をかけてじっくり観察するわけではありません。

妊娠11~13週頃に行われる胎児ドックのエコー検査では、以下の項目からダウン症の可能性があるかを調べます。

後頚部の厚み

お腹の赤ちゃんのうなじ部分が正常よりも厚くなっている場合は、ダウン症の可能性が高くなることが明らかになっています。一方で、後頚部の厚みに関する数値は、胎児の大きさや姿勢によっても変わることがあり、健康な赤ちゃんでも数値が高くなることもあります。

鼻の骨の形成の度合い

ダウン症の60~70%に、鼻骨が確認できなかったり、あっても鼻骨が小さかったりする例がみられています。ダウン症児の顔が平坦なのは、鼻骨の成長が遅いためです。ただし、鼻骨の低形成は健康な赤ちゃんの2%にもみられます。

新型出生前検査と同様に、エコー検査でダウン症の可能性が分かった場合も、確定診断のためには羊水検査などを受ける必要があります。

静脈管の逆流があるかどうか

お腹の赤ちゃんがつながっているへその緒から妊婦さんの心臓までにある血管の流れを測ります。ダウン症児の65%にみられますが、健康な赤ちゃんにもみられることがあります。

三尖弁の血液に逆流があるかどうか

お腹の赤ちゃんの心臓の右上部分から右下部分に流れる血流を測ります。ダウン症児は心臓の病気を抱えていることが多く、三尖弁という弁の部分の血液の逆流がみられることがあります。なお、健康な赤ちゃんでも、三尖弁の血液の逆流がみられることがあります。

このように、健康な赤ちゃんでも胎児ドックのエコー検査で異常がみられることがあるため、検査結果で異常がみられても、お腹の赤ちゃんがダウン症と確定するわけではありません。

エコー検査でダウン症の可能性が指摘された場合は、精密検査を検討してみましょう。

新型出生前診断(NIPT)でダウン症の可能性が分かる

生まれてきた赤ちゃんがダウン症かどうかは、出産後の赤ちゃんの外見から診断できます。また、出産前ではエコー検査で身体的特徴からダウン症の可能性を判断することもできます。

妊娠年齢が高い女性が、おなかの赤ちゃんがダウン症かどうかを知る方法に、新型出生前診断があります。新型出生前診断は妊婦さんに採血をして、お腹の赤ちゃんの染色体異常の可能性を調べる検査です。

新型出生前診断は日本医学会の認定を受けた認定施設と、そうでない認定外施設で受けることができます。いずれの施設でも、ダウン症(21トリソミー)かどうかを調べることができますが、認定施設で検査を受ける場合は、妊婦さんの年齢など一定の条件を満たす必要があります。

高齢で妊娠している方の中でも、お腹の赤ちゃんがダウン症かどうかを知りたい場合、制限がないため認可外施設での受検をされる方も増えています。

新型出生前診断を受ける前に考えておきたいこと

新型出生前診断をはじめとする出生前診断は、お腹の赤ちゃんの健康の異常をいち早く知ることで、出産や育児に向けた準備が可能になることです。

新型出生前診断でダウン症(21トリソミー)の項目が陽性になった場合、確定診断を受けるためには、羊水検査などの確定検査を受ける必要があります。一方で、新型出生前診断のように採血だけで手軽に行える検査もあり、検査結果が陽性になった後に、人工妊娠中絶を選択する方も少なくありません。

検査結果が陽性になったときに確定検査はあくまでで任意ですが、新型出生前診断を受ける前に、陽性になった時にどうするかも考えておく必要があるでしょう。

まとめ

ダウン症は21番目の染色体数の異常によって起こる先天異常です。お腹の赤ちゃんのダウン症(21トリソミー)の可能性を知りたい方は、新型出生前診断を検討してみるとよいでしょう。

参考:

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原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴 2005年 国立大学看護学部卒業 取得資格 看護師、保健師
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