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出生前診断

新型出生前診断を受ける割合は?受検のときに注意したいこと

妊娠中の女性の中には、新型出生前診断について興味のある人もいるのではないでしょうか?検査を検討するうえで、ほかの妊婦さんがどのくらいの割合で受けているのか、気になりますよね。

この記事では、新型出生前診断が行われる時期や受ける割合について紹介します。新型出生前診断を受けようと考えている人は、参考にしてみてくださいね。

新型出生前診断とは

新型出生前診断は、血液検査によっておなかの赤ちゃんに特定の先天異常がないかを調べる検査です。検査では、ダウン症(21トリソミー)、18トリソミー、13トリソミーの可能性について知ることができます。これらの3つの病気は、高齢出産によりリスクが上がる傾向があり、胎児の先天異常の約7割を占めます。

新型出生前診断の大きなメリットは、妊娠の早い時期に採血によって検査が行われることです。そのため、母子の体野への負担が小さいという特徴があります。一方、新型出生前診断で陽性になった場合、確定診断のために、羊水検査や絨毛検査を行う必要があります。

新型出生前診断を受ける前に知っておくべきこと

日本では2013年からスタートした、比較的新しい検査です。本来、新型出生前診断をはじめとする出生前診断で、おなかの赤ちゃんに障害があることが分かっても、ほとんどの場合、妊娠中から治療を開始することはできません。

一方で、胎児の障害の有無を確認することで、育児に向けた準備をしたり、心構えを固めたりするのに役立つために行われています。

しかしながら、日本での現状をみてみると、新型出生前診断が陽性になったとき、人工妊娠中絶を選ぶ人も少なくありません。これは、障害児の育児に大きな不安を抱いたり、社会環境やサポートシステムへの信頼感が低いためと考えられます。

このため本来胎児の障害に備えるはずの新型出生前診断が、命の選別のきっかけになっているともいえる状況です。

新型出生前診断は専門家への相談も検討しよう

新型出生前診断は、妊婦さんへの採血で行われるという手軽さから、検査を受ける人も増えています。最初は「おなかの赤ちゃんが元気かどうか知りたい」という軽い気持ちで検査を受ける人も多くいます。

一方、検査が陽性になって、おなかの赤ちゃんに障害があることが分かったとき、多くの人が大きなショックを受けるものです。検査の結果によらずに、出産しようと考えている家族も、実際の陽性を目にしたとき、妊娠の継続を断念する方もいます。

また、赤ちゃんの障害を受け止めて、出産を決意した人でも、新型出生前診断を受けたことを後悔する人もいるでしょう。

新型出生前診断は非常にデリケートな問題を扱うものであり、本来なら専門家による遺伝カウンセリングとセットで行う必要があります。新型出生前診断を検討している人は、万が一の事も想定して、検査を受けるかどうか決めることが大切です。

日本における新型出生前診断の受診率について

新型出生前診断を受けようと考えている人の中には、どのくらいの妊婦さんが受けているのかになる人もいるでしょう。新型出生前診断を受けた人の割合を知ることは、受検を判断する一つの目安にもなるものです。

新型出生前診断の開始から5年間で、検査を受けた人の数は5万8千人で、2017年の新型出生前診断を受けた人の推定の数は1万3000人というデータがあります。この数は前年とほぼ同じです。

ただし日本では、出生前診断を登録するシステムがないため、実際の数は把握できていません。日本産婦人科学会では、新型出生前診断を受ける要件として、35歳以上の高齢出産であること等、条件を提示しています、遺伝カウンセリングの設置など一定の条件を満たす認定された医療機関での実施を推奨しています。

しかし近年の日本の晩婚化による高齢出産の増加から、認定外の医療機関等で新型出生前診断を受ける例も増えています。これは、新型出生前診断が採血のみで行える手軽さも影響していると考えられます。

認定外の施設で受けた新型出生前診断は数が把握しづらいため、実際の受診者数はもっと多いと考えられるでしょう。

新型出生前診断の受検に関する意見について

おなかの赤ちゃんの特定の病気の有無だけでなく、中絶のきっかけを作るとして、議論されています。

一方で、新型出生前診断をめぐる社会の関心は高まりをみせています。2013年に日本世論調査会が実施した新型出生前診断に関する調査では、以下のような結果になりました。

  • 新型出生前診断に関心がある人は80%以上だった。
  • 新型出生前診断の拒否派が16%だったのに対して、容認派は79%だった。
  • 新型出生前診断を容認する理由には、「高齢出産が多いから赤ちゃんの状態を知りたい」が31%、「前もって障害を知ることで準備に役立つ」が37%、「場合によっては中絶を選択できる」が14%を占めた。

上記の結果をみてみると、日本で高齢出産の割合が増えていることから、おなかの赤ちゃんの健康状態に不安を感じる人が多くいることが伺えます。また、新型出生前診断の批判の原因である中絶に対しても、必ずしも最初から中絶を望んでいるわけではないといえるでしょう。

出生前診断の日本と海外の受検率は?

非確定検査

新型出生前診断や、超音波検査、母体血清マーカー検査が挙げられます。検査によって感度(陽性的中率のこと)にばらつきがあり、診断のために確定検査が必要です。母子への身体的な負担が小さい特徴があります。

確定検査

羊水検査や絨毛検査です。おなかに直接針を刺して、検体を採取するため母体のリスクがあり、流産するリスクがあります。

日本の出生前診断の受診率

国立成育医療研究センターの調査によれば、2016年で出生前診断の確定検査や非確定検査を受けた人は、約7万人というデータがあります。特に、35歳以上の高齢の妊婦さんでは、4人に1人がなんらかの検査を受けていることが分かりました。

出生前診断で受けている検査については以下の傾向がみられました。

  • 新型出生前診断が始まる2013年までは、母体血清マーカー検査や羊水検査が多かった。
  • 2013年以降、新型出生前診断の検査の割合が増加傾向にあり、その分出生前検査を受ける人の総数も増えている。また、一定の割合で絨毛検査も行われているようになった。
出典:毎日新聞より/https://mainichi.jp/articles/20181227/k00/00m/040/275000c

上記の結果をみてみると、新たな出生前診断として、新型出生前診断が受ける人が増えていることが分かります。また、新型出生前診断が妊娠週数の早い時期から検査が可能であるため、検査期間が限定されている絨毛検査の割合が一定数を占めている可能性が伺えます。

海外の出生前診断の傾向

日本や海外の国の出生前診断の受検率は以下のようになります。

日本

出生前検査の非確定検査は1.7%、確定検査は1.2%の妊婦さんが受けています。倫理的な観点から、すべての妊婦さんに出生前診断の積極的な説明はされていません。

アメリカ

出生前診断の非確定検査は70%、確定検査は5~10%の妊婦さんが受けています。すべての妊婦さんに、出生前診断の選択が説明されます。

デンマーク

出生前診断の非確定検査は84.4%、確定検査は5.4%の妊婦さんが受けています。すべての妊婦さんに、出生前診断の選択が説明されます。

イギリス

出生前診断の非確定検査は84.4%、確定検査は5.4%の妊婦さんが受けています。すべての妊婦さんに、出生前診断の選択が説明されます。

上記の結果をみてみると、日本ではまだまだ出生前診断の受検が少ないといえます。

まとめ

新型出生前診断は、妊婦さんへの採血で赤ちゃんの特定の先天異常があるかどうかを知ることができます。高齢の妊婦さんを中心に新型出生前診断の需要は高まっています。日本も、倫理に関する議論や障がい児のサポートの体制づくりが求められるといえるでしょう。

ABOUT ME
原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴 2005年 国立大学看護学部卒業 取得資格 看護師、保健師