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アンジェルマン症候群とは?症状や治療法、割合について

アンジェルマン症候群とは?症状や治療法、割合について

染色体の異常による先天性疾患にはさまざまな病気がありますが、その中の1つにアンジェルマン症候群があります。アンジェルマン症候群は、ごくまれに起こる先天異常ですが、どのような病気なのか気になっている人もいるのではないでしょうか?

この記事では、アンジェルマン症候群の症状や原因、治療法について解説します。すでに自分の子どもがアンジェルマン症候群と診断された方も参考にしてみてください。

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アンジェルマン症候群とは

アンジェルマン症候群は、精神的な発達の遅れとてんかんを主な症状とする先天性疾患です。アンジェルマン症候群の子どもは体の動きがスムーズではなく、特に理由がないのに笑う特徴があります。

アンジェルマン症候群は、生まれてきた赤ちゃんの15000人に1人の割合でみられ、日本では指定難病になります。

アンジェルマン症候群になる原因は染色体異常によるものです。とはいえ、高齢出産等が原因というわけではなく、どの夫婦の赤ちゃんでも生まれてくる可能性があります。以降では、アンジェルマン症候群の症状や原因、治療法について順にみていきます。

アンジェルマン症候群の症状

アンジェルマン症候群の症状

アンジェルマン症候群の赤ちゃんは症状の見分けが難しく、すぐに気づかれないことがほとんどです。アンジェルマン症候群の具体的な症状は以下になります。

身体的な症状

  • てんかんによるけいれん発作
  • 小頭症
  • 筋肉の緊張が低下し、関節がスムーズに動かない

また、染色体欠失によるアンジェルマン症候群は、以下のような身体的な特徴がみられます。

  • 肌が白い
  • あごが出ており、舌も出ている
  • 後頭部が平たい
  • 睡眠障害

精神・知的に関する症状

アンジェルマン症候群では、精神発達の重度の遅れを中心にいくつかの症状がみられます。

  • 重度の発達障害
  • 意味のある言葉が出て来ない
  • 両手をたたくなど、落ち着きがない
  • 特に理由がないのに笑う
  • 水やビニールを好む

いくつかの精神的な症状があるアンジェルマン症候群ですが、感受性が豊かで好奇心が強く、人との関わりを求めたりする傾向があります。また、観察力や洞察力に優れているなどのいくつかの長所もみられます。

アンジェルマン症候群になる原因

アンジェルマン症候群になる原因

アンジェルマン症候群は15番目の常染色体の一部の働きが失われることで起こります。染色体は染め方によって縞模様がみられ、染色体バンドと呼ばれています。

アンジェルマン症候群では15番染色体のうち、短い部分(短腕)にある染色体バンドにq11-q13にあるUBE3A遺伝子の機能に異常があることが分かっています。具体的にUBE3A遺伝子の働きが失われる原因には、以下のものがあります。

  • 15番染色体の母親由来の染色体バンドであるq11-q13の一部が欠けている(母性染色体微細欠失):70%
  • 15番染色体の染色体が両親の両方ではなく、父親のみから由来している(父性片親性ダイソミー):5%
  • 一部の遺伝子に現れる「ゲノム刷り込み」に変異が起きている:5%
    ※通常、人間をはじめとする哺乳類は両親由来の遺伝情報を受け継ぎますが、一部の遺伝子について片方の遺伝情報をのみを受け継ぐことを、「ゲノム刷り込み(ゲノムインプリンティング)」といいます。
  • UBE3 A遺伝子が変異している:10%
    アンジェルマン症候群の原因のうち、残りの10%は遺伝子の変化が特定できていません。

アンジェルマン症候群の原因のほとんどである母性染色体微細欠失と父性片親性ダイソミーですが、次世代に遺伝するものではありません。一方、遺伝子刷り込みの変異のうち10%と、UBE3A遺伝子の変化のうち30%は遺伝するため、必要時に専門的なカウンセリングを受けることが推奨されています。

アンジェルマン症候群の治療法

アンジェルマン症候群の治療法

アンジェルマン症候群は、染色体の異常によって起こる疾患であるため、病気を根本的に治療する方法はありません。治療では、症状を改善するための対症療法が行われます。アンジェルマン症候群で行われる対症療法には以下のものがあります。

  • てんかんの治療
    抗てんかん薬を用いて、発作が起きないように薬でコントロールします。
  • 睡眠障害
    睡眠リズムを整えるために薬物療法が行われます。

現時点では対症療法のみが行われているアンジェルマン症候群ですが、機能を失ったUBE3A遺伝子の再活性化をするための方法も研究されています。

アンジェルマン症候群の経過や予後

アンジェルマン症候群の子どもは、発達に遅れがみられるため、5歳位で自分で歩けるようになります。言葉の理解も少しずつ得られますが、言葉を発するのが難しいケースがほとんどです。

日常生活に必要な活動の介護が必要になることが多く、アンジェルマン症候群の子どもは小さいうちから療育に通ったり、地域の社会的な資源を活用したりすることが大切です。

アンジェルマン症候群を診断するための検査

アンジェルマン症候群の主な症状である発達障害は、新生児や乳児の時期には、はっきりしていません。妊娠中や出生直後は奇形などの異常がないため、すぐに気付かれないことがほとんどです。

アンジェルマン症候群の診断が多くなる年齢は、3歳から7歳くらいになります。その一方で、生後半年から1年くらいに、発達の遅れがみられるため、両親が何らかの異常に気付くこともあるでしょう。

発語障害などもみられますが、精密検査で脳の異常がみられないことがほとんどです。アンジェルマン症候群が疑われている場合、遺伝子検査が行われます。

新型出生前診断(NIPT)について

新型出生前診断(NIPT)について

妊婦さんに行われる新型出生前診断(NIPT)の中には、アンジェルマン症候群の可能性を知ることができるケースがあります。新型出生前診断(NIPT)は大きく分けて、日本医学会の認定を受けている認可施設で行われるNIPTと、認定を受けていない認可外施設で行われるNIPTがあります。

新型出生前診断(NIPT)は採血で行われるため、検査そのものに違いはありませんが、検査条件や検査項目などに違いがあります。それぞれの新型出生前診断(NIPT)の主な特徴には以下のものがあります。

≪認可施設の新型出生前診断(NIPT)≫

≪認可外の新型出生前診断(NIPT)の特徴≫

  • すべての染色体を調べられる
  • 年齢制限がない
  • 遺伝カウンセリングは必須ではない

いずれの施設での新型出生前診断(NIPT)も、染色体疾患の可能性を調べるために行われております。検査で特定の疾患が陽性になった場合は、診断を受けるには確定検査を受ける必要があります。

アンジェルマン症候群の可能性については、海外や認可外施設での新型出生前診断(NIPT)で調べることができます。

DNA先端医療株式会社のNIPTは、アンジェルマン症候群の検査ができます。万が一陽性反応が出た場合も、遺伝カウンセリングが受けられますので安心して受けられる施設として選択されるのもよいでしょう。

アンジェルマン症候群の検査はコチラ

まとめ

アンジェルマン症候群は、てんかんや発達障害などの症状がみられる染色体異常です。現時点では、アンジェルマン症候群の治療は、症状に対する治療が中心となります。アンジェルマン症候群の子どもは、さまざまなサポートが必要になるため、家族で遺伝カウンセリングを受けることが大切です。

参考
アンジェルマン症候群(指定難病201)
Angelman症候群―ゲノム刷り込み疾患の診断と治療-

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原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴 2005年 国立大学看護学部卒業 取得資格 看護師、保健師
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