2024.06.07
出産
前駆陣痛と本陣痛は同じ「陣痛」という漢字が入っていますが、痛みや間隔には違いがあります。
今回の記事では、前駆陣痛について、本陣痛との違いや特徴、また前駆陣痛から出産までの流れと所要時間について紹介します。陣痛から出産まで、不安に感じている方や流れについて疑問を抱いている方も多いでしょう。前駆陣痛から出産までの流れを事前に知っておくことで、不安が少しでも解消されるなど、出産までの流れが理解できましたら幸いです。
前駆陣痛とは、本陣痛の前に起こるお腹の張りや痛みのことで、本陣痛と違いすぐに直接分娩には発展しません。また前駆陣痛の持続時間や痛みの間隔には規則性がありません。
前駆陣痛は出産にむけてお母さんの身体が変化することで起こる陣痛です。通常女性の身体は、妊娠中は子宮の出口が固く、赤ちゃんが外に出ないような構造になっています。しかし出産が近づくと、赤ちゃんを外に出すために子宮の出口が少しずつ開いたり、柔くなったりします。このときに起こるのが前駆陣痛と言われています。
一般的に前駆陣痛が起きてから本陣痛となりますが、前駆陣痛から本陣痛までの期間は人によってそれぞれです。前駆陣痛から数時間で本陣痛となり出産になる場合もあれば、数日〜長い場合だと数週間たってから出産にいたるまで、時間には個人差があります。
また出産経験の有無によっても前駆陣痛から本陣痛までの期間は違いがあります。一般的な傾向としては、初産婦のほうが前駆陣痛から本陣痛までの期間が長い傾向にあるようです。
同じ「陣痛」がと名前のつく前駆陣痛と本陣痛ですが、実際の内容は異なります。
前駆陣痛は本陣痛の前に起こるもので、持続時間や痛みの間隔には規則性がありません。また痛みが弱まったり、強くなったりを繰り返します。個人差はありますが、前駆陣痛は出産予定日の月である臨月(妊娠10ヶ月)あたりから感じる方が多いようです。
本陣痛は、一般的に言われている陣痛を指す場合がほとんどです。日本産婦人科学会は「規則正しく10分以内または1時間に6回以上の痛みを伴ない分娩に至った子宮の収縮をいい、その開始時期を陣痛発来という」と定義しています。
本陣痛は10分以内または1時間に6回以上という規則正しい痛みを伴った子宮収縮を指しています。
また前駆陣痛は痛みが弱くなり、消失することもありますが、本陣痛の場合は痛みが徐々に強くなり、痛みの間隔も短くなります。
一般的に言われている、 前駆陣痛・本陣痛の特徴やサインを紹介します。
ただし痛みの強さや間隔、症状には個人差があります。また前駆陣痛か本陣痛か分からない、自分では判断できない場合もあるかと思います。不明な場合や心配がある場合、質問がある場合はかかりつけの産婦人科に連絡し、指示を仰ぎましょう。
一般的な前駆陣痛から本陣痛、出産までの流れと所要時間、また注意点などを紹介します。
出産予定日の月である臨月(妊娠10ヶ月)あたりになると、前駆陣痛を感じる方が多いようです。前駆陣痛は早い場合だと数時間程度で本陣痛に、時間がかかる場合や初産婦の場合などは、数日から長い場合1ヶ月程度続き、本陣痛へと変化します。
本陣痛から出産まで、初産婦の場合は12~16時間程度、経産婦の場合5~8時間程度が目安と言われています。
「お腹の張りを感じてきた」「生理痛のような痛みがある」といった前駆陣痛にみられる症状が始まった場合は、痛みの間隔を計測することをおすすめします。
はじめは痛みの間隔が不規則であったり、安静にすると痛みがなくなるような前駆陣痛であっても、徐々に痛みの間隔が規則的になり、規則正しく10分以内または1時間に6回以上の痛みに変化すると、本陣痛となっている可能性があります。
現在はスマートフォンなどで陣痛の間隔を計測するアプリもリリースされていますので、そういったアプリを活用するのもおすすめです。
また前駆陣痛と出産の間には「おしるし」という出血がある場合があります。おしるしは胎児が入っている卵膜の一部が子宮壁からはがれることで起こる出血で、「産徴」とも言われます。
(※おしるしの詳細につきましては、以下の記事をあわせてご確認ください。また出血量が多い等の場合は、おしるしではない、異常出血の可能性があります。かかりつけの産婦人科に連絡し、病院の指示に従いましょう。)
本陣痛と合わせて、子宮口が前回に近づくと破水(子宮にある卵膜が破れ、羊水が出ること)が起き、出産という流れになります。
ただし人によっては陣痛前に破水が起こることもあります(前期破水)。前期破水の場合、感染のリスクなどがあります(※①)。本陣痛がきていなくても破水が起きた場合、すみやかにかかりつけの産婦人科に連絡し、指示を仰ぎましょう。
破水の詳細につきましては、以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてください。
一般的な出産は前駆陣痛やおしるしといった出産前の兆候がありますが、人によってはいきなり破水したり、前駆陣痛に気づかなかったりなどのケースもあります。
また外出先で突然の破水や、陣痛のような痛み・お腹の張りを感じるケースもあります。いざというときに慌てず病院受診できるように、出産に向けて入院セットを準備し、病院までの交通機関、家族が不在の場合の対応やタクシー会社の利用などを手配しておきましょう。
今回の記事では、前駆陣痛から出産までの流れについて、前駆陣痛と本陣痛との違いや特徴、所要時間などについて紹介しました。
前駆陣痛とは本陣痛の前に起こる陣痛で、持続時間や痛みの間隔に規則性はありません。出産予定日の月である臨月(妊娠10ヶ月)あたりから感じる方が多く、生理痛のような痛みやお腹の張りを感じます。前駆陣痛は数時間〜1ヶ月程度続く場合もあり、本陣痛へとつながります。
前駆陣痛と比較し本陣痛は規則的なことが特徴で、陣痛は10分以内または1時間に6回以上という規則正しい痛みがあります。また出産に近づくにつれて徐々に痛みは強く、間隔は短くなります。本陣痛で子宮口が全開に近づくと破水し、出産となります。
前駆陣痛が確認できたら、個人差はあるものお産が近づいているサインです。本陣痛への変化を確認し、正しいタイミングで病院受診できるよう陣痛の間隔をカウントするのもおすすめです。
※引用・参考文献
①産婦人科 診療ガイドライン―産科編 2020
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