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妊娠

妊娠検査薬を使うタイミングと正しい使い方

妊娠を待ち望んでいる人や月経が予定通りに来ていない人は、今妊娠をしているのかがとても気になると思います。妊娠しているのであれば、1日でも早く結果を知りたいと思う方もいるでしょう。そのような時に使用するのが、妊娠検査薬です。いきなり病院へ行くのは敷居が高いですが、現在では市販の妊娠検査薬で高精度の結果を得ることができます。しかし、妊娠検査薬をどのタイミングで使用したらよいのか、正しい使い方ができているのか不安な方もいらっしゃると思います。

今回は、妊娠検査薬を使うタイミングや使い方について詳しく説明していきます。

妊娠検査薬とは

妊娠検査薬は、排出される尿の中に含まれるhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを検出します。このhCGは妊娠初期に分泌されるホルモンで、受精卵が着床することで分泌が開始されるため、妊娠していない女性では分泌されていません。妊娠検査薬は、hCGが尿の中に一定量以上含まれていることで陽性反応となります。

月経・妊娠に関連するホルモン

女性は思春期から月経がはじまり、ホルモンバランスによってその周期が保たれています。月経に関する女性ホルモンは、分泌される場所によって3つに分類されます。そして妊娠した場合にはhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)が分泌されます。

間脳から放出されるGnRH

ホルモンの分泌をコントロールする大元は間脳の視床下部にあります。月経に関する女性ホルモンは、視床下部から分泌されるGnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)によって指示されています。

脳下垂体から放出されるゴナドトロピン

GnRHから指示されて分泌されるのがFSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)です。この2つを性腺刺激ホルモン(ゴナドトロピン)と言います。

FSHは卵巣にある卵胞(卵子が入っている袋)を成長させ、後述するエストロゲンの分泌を促します。

LHは卵胞を成長させ排卵を促します。排卵後には、黄体(排卵された後の卵胞)を刺激して後述するプロゲステロンの分泌を促します。

卵巣から放出されるホルモン

ゴナドトロピンによって分泌を促されるのが「エストロゲン」と「プロゲステロン」という2つのホルモンで、このホルモンが約28日の周期で増減を繰り返すことで月経を起こしています。

エストロゲンは卵胞ホルモンで、卵巣の中の卵子が入っている卵胞を成熟させ、排卵や受精、着床の準備をします。排卵前から分泌が増え、排卵後には受精した際に着床しやすいように子宮内膜を厚くしていく作用があります。着床しなかった場合、エストロゲンの分泌は減り、分厚くなっていた子宮内膜の層がはがれ月経となります。

プロゲステロンは、排卵後から受精に備えてエストロゲンの作用で厚くなった子宮内膜を維持するために分泌が増えます。こちらも着床しなかった場合には分泌が減っていきます。

胎盤にある絨毛から放出されるhCG

エストロゲンもプロゲステロンも着床して妊娠した場合には増え続けます。さらに着床した場合に新たに分泌されるのがヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)です。絨毛とは胎盤にある組織ですので、このホルモンが分泌されるということは妊娠して胎盤が形成されたことを意味しています。着床後に分泌され、妊娠8~10週頃に分泌量のピークを迎えます。

妊娠検査薬を使うタイミング

妊娠検査薬の陽性・陰性を判定しているのは、尿に含まれているhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の濃度です。着床して胎盤が形成されてから分泌が始まり、妊娠4週目頃から尿中に検出されます。通常の妊娠検査薬は尿中のhCG濃度が50IU/L以上で陽性判定となりますが、この濃度に十分に達するのは妊娠5週頃と言われています。

妊娠週数の数え方は、月経が始まった日を0週0日と数えます。ですから、妊娠5週目とは、次回月経予定日の1週間後となります。一般的な妊娠検査薬の注意書きにも、生理予定日の約1週間後からの使用が推奨されています。

妊娠したかもしれないと思うと、1日でも早く結果が知りたいと思われるかもしれませんが、あまり早くから検査薬を使用してもhCGの分泌量が十分でなく、誤った結果が出てしまう可能性もあります。また、1週早く陽性反応を知れたとしても病院へ行って妊娠を確定するには早すぎるため、1週間後に再受診しなければならないケースがほとんどです。次回月経予定日の1週間後に使用するのが確実な結果を得られる最適なタイミングです。

中には、排卵の時期がずれてしまって次回月経予定日の1週間後でも陰性判定が出る方もいます。そのような方はさらに1週間待って検査をしてみましょう。女性の身体はとても繊細ですので、少しのストレスや生活習慣の乱れによって簡単に排卵日がずれ月経周期が乱れてしまいます。妊娠検査薬の結果や身体の調子に不安がある場合には医療機関を受診するようにしましょう。

妊娠検査薬の正しい使い方

検査可能な時期になったら妊娠検査薬を使用してみましょう。妊娠検査薬のメーカーによって検査方法が違う場合があるので、必ず説明書を読みましょう。多くの妊娠検査薬では、スティック状の検査薬の先に尿をかけて水平な場所に置いて判定を待ちます。判定窓に陽性の印が出た場合妊娠しているということになります。

検査する時間はいつでもよいのですが、一般的に朝1番の尿が濃いためhCG濃度も高く妊娠していた場合陽性反応が出やすいです。また、水分をたくさん摂取したりして尿が薄い場合は、妊娠していても誤って陰性となる場合があります。

妊娠検査薬には使用期限がありますので、期限は必ず守るようにしましょう。他にも、長時間取り置いていた尿では雑菌がわいて正しい判定ができない場合があるので注意しましょう。

妊娠検査薬で陽性が出た時は

妊娠検査薬は非常に精度が高いため、陽性判定が出た場合は妊娠がほぼ確定と言えます。妊娠5週目以降に胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)を確認するために産婦人科を受診しましょう。5週目以降であれば胎嚢の確認が可能であり、6週以降になると心拍の確認ができるようになります(この週数は個人差があります)。

注意しなければならないのは、妊娠検査薬で陽性判定が出たからといって正常な妊娠であるとは限らないということです。卵巣から排出された卵子が精子と出会い、受精卵となって卵管を通って子宮へと移動し子宮内膜へと着床することで妊娠が成立します。しかし、途中の卵管で着床してしまう場合があり、それを異所性妊娠(子宮外妊娠)といいます。その場合でも、hCGは分泌されますので陽性反応が出ます。特に卵管で着床してしまった場合、赤ちゃんが成長してしまうと卵管が破裂してしまうことがあります。このような事態を避けるために、妊娠検査薬で妊娠が判明したら産婦人科を受診して、赤ちゃんがきちんと子宮に着床しているかを確認しましょう。

妊娠検査薬を使用した際、陽性反応が薄い場合があります。そのような時は、水分をたくさん摂取していて尿が薄かったり、排卵日がずれていてhCG濃度が規定より足りていない場合が考えられますので、後日改めて検査してみましょう。

まとめ

女性の身体は様々な部位からホルモンが分泌されて妊娠への準備をしています。妊娠した女性に特有のホルモンはhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)で、妊娠検査薬はこのhCGの尿中の濃度によって判定が出ます。hCGは妊娠4週目以降から急激に増え始め、妊娠5週目には妊娠の有無を判定するのに十分な濃度に達します。妊娠しているかを早く知りたいと思う方もいらっしゃると思いますが、月経予定日の1週間後を目安に検査することで確実な結果を得ることができますので、適切なタイミングと方法を守って使用するようにしましょう。

ABOUT ME
大河友美
国立大学医学部保健学看護科卒業後、大学病院で6年看護師として勤務。 その後、国立大学医学部保健学大学院へ進学し修士号取得。 現在は、子育てをしながら医療ライター・監修者として活動中。 学歴 平成21年 国立大学医学部保健学看護科 卒業 平成28年 国立大学医学部保健学大学院 卒業 取得資格 看護師国家資格 保健師国家資格