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流産・切迫流産とは?流産の種類、原因や症状・治療法まで

流産・切迫流産とは?流産の種類、原因や症状・治療法まで

妊娠中の女性の中には、無事に出産を迎えられるか不安を抱いている人も多いのではないでしょうか。流産の心配なく、元気な赤ちゃんを産みたいですよね。この記事では、流産の種類や原因、治療法について紹介します。新型出生前診断における流産のリスクについても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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そもそも流産とは

そもそも流産とは

流産は妊娠22週未満のあいだに胎児が失われた状態をいいます。一般的に流産という言葉を使うとき、自然流産を指します。流産の原因の多くは不明です。原因が分かるものについては、遺伝子や染色体の異常など赤ちゃん側の原因と、子宮の異常・病気・飲酒やタバコなどの母親側の原因があります。

特に、ハイリスク妊娠と呼ばれる状態では、流産の割合が高くなる傾向があります。

ハイリスク妊娠について

ハイリスク妊娠は、母親や胎児が病気になったり命を落としたりする可能性の高い妊娠のことをいいます。また、出産前後に合併症になる可能性も高くなります。具体的なハイリスク妊娠の危険因子には以下のものがあります。

  • 若すぎる妊娠または高齢妊娠
  • 身長が低い、肥満など身体的な特徴
  • 未婚女性の妊娠など、社会的に弱い立場の方の妊娠
  • 過去の妊娠・出産歴の問題(流産や死産、妊娠中に起こった病気など)
  • タバコや薬物など消費

新型出生前診断と流産について

ハイリスク妊娠の中でも、高齢出産の女性に行われるのが新型出生前診断です。新型出生前診断は、妊婦さんの血液中に含まれる胎児由来のDNAのかけらを調べる検査です。検査は採血で行われるので、流産のリスクがほとんどありません。

一方、新型出生前診断で陽性になった場合、確定診断のために以下の検査を受ける必要があります。

羊水検査

妊婦さんのお腹に針を刺し、羊水を採取して調べる検査です。羊水には胎児由来の細胞が含まれています。羊水検査の流産のリスクは0.3%あります。

絨毛(じゅうもう)検査

羊水検査と同じく、妊婦さんのお腹に針を刺し、絨毛という組織を採取して調べる検査です。流産を起こすリスクは1%です。羊水検査よりも早い時期に検査が受けられますが、実施している医療機関が少ないという特徴があります。

流産の種類と原因

流産の種類と原因

ひとことで流産といっても、原因や時期によっていくつかの種類があります。ここでは流産の種類についてみていきます。

原因からみた流産の種類

流産には、自然流産と人工流産があります。それぞれの具体的な定義は以下になります。

自然流産

妊娠が自然に中絶されることをいいます。自然流産の頻度は妊娠している女性の15%に発生するため、誰にでも起こりうる流産といえます。自然流産の原因は、おなかの赤ちゃんの遺伝子の異常によるものです。自然流産が起きたとしても、ほとんどの場合、次回の妊娠で出産が可能です。

人工流産

妊娠22週前までに行う人工妊娠中絶のことをいいます。母体を保護する目的で、母体保護法という法律に基き指定医によって行われます。人口流産の方法は妊娠週数によって異なります。

妊娠週数12週未満では、専門の器具によって子宮内の内容物を除去します。一方、妊娠12週から22週未満では、人工的に陣痛を起こして流産を行います。後者の場合、死産届の提出が必要です。

症状からみた流産の種類

流産による症状や状態により、以下のものに分けられます。

稽留(けいりゅう)流産

子宮内で胎児が死亡していながら、出血や腹痛など症状がない流産です。

進行流産

胎児や胎盤の排出があり、流産が始まっている状態をいいます。以降で述べる完全流産と不完全流産があります。

進行状態による流産の種類

流産の進行具合によって、次の2つに分けられます。

完全流産

胎児、胎盤など子宮の内容物が完全に出ている状態の流産です。ほとんどの場合、出血や腹痛の症状が治まります。

不完全流産

子宮の内容物の一部が排出して、残りが子宮内に残っている状態の流産。出血は腹痛の症状は継続しており、手術で子宮の内容物を取り除く必要があります。

時期からみた流産の種類

流産が起こる時期や状態によって、以下のものに分けられます。

化学流産

妊娠の早い段階で起こる流産です。妊娠5週未満で起こるため、尿検査や血液検査で妊娠反応が陽性になっても、超音波検査では妊娠が確認できません。市販の妊娠検査薬を使用していない場合、化学流産を月経と捉える方も多くいます。

切迫流産

妊娠22週未満に、流産のリスクがある状態をいい、「流産の一歩手前」のことをいいます。症状としては、出血やおなかの張りや痛み、もしくはその両方があります。切迫流産については、治療によって妊娠の継続ができるため、 お母さんの体の安静を保つことや、子宮収縮の抑制などを行うことで、妊娠の継続に努めます。

そのほかの流産の種類

ここでは、上記以外の分類に該当する流産について説明します。

感染流産

細菌等が原因で子宮内の感染をともなう流産です。妊婦さんの命にかかわることがあるため、厳重な管理が必要です。

妊娠・出産歴の指標となる流産

流産を含めた、妊娠・出産歴は妊娠を管理するうえで重要なる指標です。妊娠・出産歴にまつわる流産には以下のものがあります。

反復流産

自然流産のうち、2回流産を繰り返すことを反復流産といいます。反復流産の場合、化学流産は含まれません。流産を繰り返すほど、次回の妊娠も流産の可能性が高くなるという報告があります。反復流産の病歴のある方は、流産のリスクがないかどうかを検査することも大切です。

習慣性流産

自然流産のうち、3回流産を繰り返すことを習慣性流産といいます。習慣性流産の場合、化学流産は含まれません。一般に流産を繰り返す場合、不育症の可能性があります。不育症は、妊娠しても流産や死産となってしまい、出産に至らないことをいいます。

習慣性流産の病歴がある方で、赤ちゃんの出産を望んでいる方は、不育症など流産のリスクを調べるための検査を受けることを検討しましょう。

流産と死産の違いについて

日本産婦人科学会は、妊娠22週未満を流産、22週以降を死産と定義しています。

妊娠22週未満では、胎児が母体外で生存不可な時期であり、母体外に娩出されたものが流産になります。

一方死産とは、胎児が子宮外で生存できる時期に達してから、死んだ胎児が娩出された場合のことを言います。

流産の兆候や症状

流産の兆候や症状

妊娠初期の場合、妊娠検査薬で陽性が確認できたのち、胎嚢という、赤ちゃんが育っていくためのお部屋が確認できます。胎嚢が確認できるのは、おおよそ妊娠5週頃ですが、妊娠5週を過ぎているのに、超音波検査で子宮内に胎嚢が確認されない、そんな場合には流産が疑われます。

流産の区分について、妊娠5週以降12週未満の流産を早期流産、妊娠12週以降22週未満の流産を後期流産と言います。流産については、早期流産が圧倒的に多く、中でも胎児心拍が確認できる前の初期流産が多くを占めます。 流産の兆候や症状として、出血や下腹部の張りや痛み、もしくはその両方があります。しかしながら、自覚症状がなくても起こってしまうこともあります。

出血

妊娠初期は、絨毛膜下血腫(じゅうもうまくかけっしゅ)という、 胎盤がついたところから出血するケースがあります。 安静にし、早めに病院を受診しましょう。胎児が育っている場合は、安静を継続し、様子を見て大丈夫な場合が多いです。 卵黄嚢(らんおうのう)という、妊娠初期に確認できる、卵の卵黄のような赤ちゃんの栄養があります。卵黄嚢は胎盤ができる前の赤ちゃんの栄養で、赤ちゃんではありません。卵黄嚢が確認できた後に茶色の出血があった場合、病院を受診しましょう。 

下腹部の張りや痛み

下腹部の張りや痛みを感じる場合、 子宮の収縮による張りや痛みの可能性があります。 病院を受診しましょう。 

流産の症状が現れたときの治療について

流産の症状がみられた場合、以下の検査が行われます。

  • 子宮口がどのくらい開いているか医師が確認
  • 超音波検査で、子宮内容物が排出されていないか、または胎児が生きているかどうかを確認

流産が起きて、胎児と胎盤が完全に体の外へ排出されている場合は、特に治療は行いません。切迫流産のように、流産の一歩手前の状態である場合、先ほど説明した通り、妊娠を継続するために、定期的に医師による観察を行います。一般に、切迫流産では安静が推奨されてます。

また、稽留流産や不完全流産のように、子宮内に胎児や胎盤の一部が残っている場合は、外科的手術によって取り除きます。

流産の原因

自然流産の場合は特定が難しい

流産の原因について、赤ちゃん側に原因がある場合と、お母さん側に原因がある場合があります。ただし、自然流産の場合は特定が難しく、赤ちゃん側に原因があることが多くなっています。

妊娠12週未満の早期流産の場合、原因は赤ちゃん、すなわち胎児側にあります。受精卵の染色体異常によるものが最も多く、早期流産の多くが胎児側の原因によるものになります。 妊娠12週以降の後期流産は、お母さんの感染症や子宮の異常によるものが多くなります。 子宮奇形、頚管無力症、黄体機能不全、抗リン脂質抗体症候群などの自己免疫疾患などが理由として挙げられます。これらお母さんのリスクについては、習慣流産(流産を連続3回以上繰り返すこと)の原因としてもあげられています。

流産の予防法

自然流産の場合は原因の特定が難しいことから、「100%予防できる」方法はありません。ただし、リスクを下げることができる行動はありますので、いくつかご紹介します。

感染症に気をつける

流産の原因の一つに「絨毛膜羊膜炎」があります。膣からの細菌感染であるため、妊娠中に性交渉を行う際は、避妊具を使用する、デリケートゾーンを清潔に保つことで予防できます。

健康的な生活を心がける

ストレスをなるべく避け、穏やかに過ごすようにしましょう。また、バランスのよい食事を摂取し、妊娠糖尿病妊娠高血圧症候群などの合併症の予防につとめましょう。 タバコ、アルコールを控える:流産や死産、先天異常のリスクが高まります。妊娠中の摂取は控えましょう。

切迫流産と診断されたら?対処法と治療

切迫流産の原因として、12週未満の切迫流産は、赤ちゃん側の染色体異常や、お母さんの内分泌的異常(黄体機能不全など)や代謝性疾患 (甲状腺機能異常)などが多いようです。

12週以降は感染や子宮頚管無力症、原因不明のものが増えます。

症状としては、出血、または子宮の収縮による、おなかの張りや痛み、もしくは出血、子宮収縮の両方の症状が見られます。

切迫流産の治療法として、基本は安静で、出血により安静度が異なります。出血がごく少量、もしくはほとんどなく、赤ちゃんに問題がない場合は、外出も良いとされています。一方、出血が多く、鮮血である場合、トイレ以外の動きは控え、シャワーも禁止し、清拭を行うこともあります。程度によっては入院し、子宮収縮などを抑える薬を使い、妊娠の継続を目指します。

自分ひとりの体ではないこと、リスクがあることを自覚し、こまめな休憩をとりながら、穏やかに過ごしましょう。

流産後の手術・気を付けること

流産にはいくつか種類があり、手術内容も異なります。

  • 完全流産:子宮内の内容物が完全に娩出された状態。手術は特に行いません。
  • 不全流産:子宮内の内容物が一部残っている状態。残った内容物を出す手術を行います。
  • 稽留流産:子宮内で赤ちゃんが亡くなり、止まっている状態。自覚症状はありません。内容物を出す手術を行います。
  • 進行流産:子宮が収縮し流産が進行している状態。止める方法はありません。子宮の中に内容物が残っている場合は、手術を行います。

手術時間そのものは15~30分程度で終了します。手術後1~4週間は、不正出血がある場合があります。無理のない程度に日常生活を送ることができますので、医師の指示に従いましょう。

流産が起こる確率

流産は自然流産と人工流産に分けられます。自然流産の頻度は全妊娠の10~20%とされています。高齢出産では胎児の染色体異常が増えるため、流産の確率も高くなります。

出生前診断における流産の確率は先ほど説明した通りです。非確定検査である新型出生前診断(NIPT)は、お母さんの血液から染色体異常の可能性を調べる検査のことです。「採血」のみで検査ができることから、従来の出生前診断と比べてリスクが低くなっています。

まとめ:新型出生前診断と流産について

妊娠中の女性に流産が起きた場合、強い悲しみや罪悪感を抱いてしまうものです。記事内で説明したように、流産には母親側だけの問題ではなく、胎児側にも原因があります。妊娠中の流産に気を付けながら、毎日過ごすようにしましょう。

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原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴 2005年 国立大学看護学部卒業 取得資格 看護師、保健師
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