更新日:2026.07.14
出生前診断

絨毛検査がどんな検査なのか、羊水検査と何が違うのか、リスクは大丈夫なのかなど、検査を検討する中で気になる点は多いのではないでしょうか。
絨毛検査の検査時期や方法、メリットとリスクを知ることで、医師や遺伝カウンセリングで相談する際の判断材料になります。
絨毛検査の概要から検査方法、受けられる時期、メリット・リスク、羊水検査との違いまで順に整理して解説します。

絨毛検査は、胎盤の一部である絨毛細胞を採取して、胎児の染色体を調べる確定検査です。
絨毛は受精卵から発生する組織で、基本的に赤ちゃんと同じDNAを持っています。そのため絨毛細胞を解析することで、ダウン症(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミーをはじめ、性染色体異常など、さまざまな染色体の病気を確定的に判定できます。
NIPTや母体血清マーカー検査などの非確定検査で陽性となった後の確定診断として行われるケースが多く、妊娠初期から実施できる点が大きな特徴です。
ただし、染色体の病気があるかないかはわかる一方、症状の重さや出生後の状態を完全に予測できるわけではない点には注意が必要です。

絨毛検査は妊娠11〜14週に実施され、検査結果が出るまでに2〜3週間程度かかります。
採取した絨毛細胞を培養したうえで染色体を解析する流れになるため、結果が判明するまでにはある程度の日数が必要です。結果を早く知りたい場合は、一部の染色体に限定した「迅速検査」を併用できる施設もあります。
羊水検査の実施時期は妊娠15〜16週以降であるため、絨毛検査の方が早いタイミングで確定診断が得られます。早い段階で結果を知りたい人にとっては選択肢となる検査です。

絨毛検査には、絨毛を採取する方法として「経腹法」と「経腟法」の2種類があります。
胎盤の位置や検査を実施する施設の方針によって、どちらの方法で行うかが選ばれます。経腟法は流産リスクがやや高まるという報告があるため、現在は経腹法を採用する施設が多くなっています。
両者の特徴を比較すると次のとおりです。
| 採取方法 | 採取経路 | 適している胎盤の位置 |
|---|---|---|
| 経腹法 | お腹から注射針で絨毛を採取 | 子宮の前側や底にある場合 |
| 経腟法 | 子宮頸管から鉗子やチューブで採取 | 子宮の後ろ側や子宮頸部近くにある場合 |
それぞれの検査の流れを確認していきます。
経腹法は、妊婦さんのお腹から注射針を刺して絨毛を採取する方法です。
胎盤が子宮の前側や底にある場合に選ばれる方法で、検査は仰向けの状態で行われます。超音波で胎盤や赤ちゃんの位置を確認しながら、お腹に麻酔をしたうえで注射針を刺して絨毛細胞を採取します。
経腟法と比べて流産リスクが低いとされており、現在は絨毛検査の中で経腹法を採用する施設が多くなっています。
経腟法は、膣から鉗子(かんし)やカテーテルを挿入して絨毛を採取する方法です。
胎盤が子宮の後ろ側や子宮頸部近くにある場合に選ばれる方法で、検査は婦人科の内診台に座った状態で行われます。経腟超音波で胎盤や赤ちゃんの位置を確認しながら、子宮頸管から鉗子やカテーテルを挿入して絨毛細胞を採取します。
経腹法と比べて流産リスクがやや高いという報告があり、実施件数は限られています。検査後は器具の挿入や採取操作に伴って、少量の出血がみられることがあります。

絨毛検査は数ある出生前診断の中でも、下記の3つのメリットを持つ確定検査です。
それぞれ順に確認していきます。
絨毛検査は妊娠11〜14週に受けられる確定検査です。
羊水検査が妊娠15〜16週以降の実施となるのに対し、絨毛検査の方が早く結果を得られます。
早い段階で結果がわかると、その後の妊娠期間中に情報収集や相談の時間を確保しやすくなります。
絨毛検査では、21・18・13トリソミーに加えて、性染色体異常など幅広い染色体の病気を確定的に判定できます。
NIPTの認証施設は21・18・13トリソミーの3疾患に対象を限定していますが、絨毛検査はそれを超える範囲の染色体異常まで確定診断できる点が強みです。
認証外施設のNIPTでは微小欠失や全染色体まで対象とするプランもありますが、いずれも非確定検査のため、最終的な確定診断には絨毛検査などの確定検査が必要となります。
絨毛細胞は胎児由来のDNAを多く含む検体のため、精密な遺伝子解析に向いています。
通常は染色体の数や形を画像で調べる「G分染法」で解析されますが、施設によっては染色体のより小さな欠失や重複を検出する「マイクロアレイ検査」を併用できる場合もあります。
詳しい解析方法については、検査を受ける医療機関や遺伝カウンセリングで確認しておくと安心です。

絨毛検査にはメリットだけでなく、知っておくべきリスクや注意点もあります。
検査を検討する際は、下記の3点を踏まえて判断することが大切です。
それぞれ順に確認していきます。
絨毛検査は絨毛を採取する操作を伴うため、流産や出血、感染症などのリスクが伴います。
流産リスクは公的機関により0.2〜1%程度と報告に幅があり、報告元の資料や手技、実施施設によって数値が異なります。羊水検査(0.1〜0.3%程度)に比べてやや高い水準とされる傾向です。
検査を受ける際は、医師から十分な説明を受けて、リスクを理解したうえで判断することが大切です。
絨毛検査の結果は基本的に確定診断となりますが、まれに「胎盤性モザイク」と呼ばれる現象が起こります。
胎盤性モザイクとは、絨毛細胞の染色体と胎児自身の染色体が一致しないケースで、1%程度の割合で発生すると報告されています。
この場合は、胎児の状態を改めて確認するために羊水検査が必要となります。
絨毛検査は技術的な難易度が高いため、実施できる医療機関が羊水検査に比べて少ないのが現状です。
検査を希望する場合は、対応している医療機関を事前に調べたうえで予約することが必要です。
地域によっては近隣に実施施設がないケースもあるため、通院の負担も考慮して検討するとよいでしょう。

絨毛検査と羊水検査はどちらも確定検査ですが、検査時期や流産リスクなどに違いがあります。
両者を比較すると次のとおりです。
| 比較項目 | 絨毛検査 | 羊水検査 |
|---|---|---|
| 実施時期 | 妊娠11〜14週 | 妊娠15〜16週以降 |
| 採取するもの | 絨毛細胞(胎盤の組織) | 羊水(中の胎児由来細胞) |
| 採取方法 | お腹または膣から針・鉗子で採取 | お腹に針を刺して羊水を採取 |
| 結果までの期間 | 2〜3週間 | 2〜3週間 |
| 流産リスク | 0.2〜1%(報告に幅あり) | 0.1〜0.3%程度 |
| 費用相場 | 10〜20万円 | 10〜20万円 |
| 対象疾患 | ダウン症他染色体の病気 | ダウン症他染色体の病気 |
| 胎盤性モザイクの影響 | あり(再検査が必要な場合あり) | 影響を受けにくい |
費用や結果までの期間は同程度ですが、絨毛検査の方が早い時期に受けられる一方、流産リスクはやや高めです。
早い段階で結果を知りたい場合は絨毛検査、リスクを抑えたい場合は羊水検査が選ばれる傾向にあります。妊娠週数や胎盤の位置、実施施設の対応可否、検査目的などを踏まえて、医師や遺伝カウンセリングで相談したうえで決めることが大切です。
詳しくは『羊水検査と絨毛検査について。その違い、リスクや検査方法など』をご覧ください。
絨毛検査は妊娠11〜14週から受けられる確定検査で、ダウン症をはじめとした幅広い染色体異常を判定できます。
特に下記のような人に向いている検査です。
一方で、実施できる医療機関が限られていることや、羊水検査よりも流産リスクがやや高い点には注意が必要です。検査を検討する際は、対応している医療機関や費用面まで含めて医師と相談することが大切です。
なお、DNA先端医療ではNIPTで陽性となった場合、絨毛検査の費用も全額負担しています。適用条件や検査プランの料金はNIPTの検査料金ページで確認できます。
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