全ての妊婦さんの安心のために。
もっと安全な出生前診断を。
出生前診断

新型出生前診断の倫理的側面

新型出生前診断の倫理的側面

 新型出生前診断は、お母さんの血液中に混ざっている胎児の染色体のかけらから、胎児の染色体異常の有無を調べる検査です。この検査は、従来の出生前診断と比較して非常に精度が高いことが知られています。この検査によって、胎児の染色体異常を簡単に早期に知ることは大きなメリットと言えます。

 しかし、新型出生前診断は「命の選別に拍車がかかる」と危惧している障碍者団体もあります。これは、障碍者を排除せずに共存できる社会をつくらなければならないという考えの元の訴えです。

 ただし、新型出生前診断は決して中絶前提の検査なわけではなく、障害が分かることで事前の環境的、精神的準備ができるという視点から検査をしている人ももちろんいます。遺伝カウンセリングを受け、今後の人生を考えた時にどうしても産めないという選択をする人もいるでしょう。

 検査が簡単に受けられるようになったからこそ、受けた後のことを真剣に考える必要があると言えます。

陽性と診断された場合

 新型出生前診断で陽性と診断された場合、本当に胎児に染色体異常があるかどうかは確定診断である羊水検査を受けるまではわかりません。新型出生前診断は、陰性的中率は99.98%ですので陰性と診断された場合はほぼ安心してもよいですが、陽性的中率はお母さんの年齢などに結果が依存してしまうため、陽性=必ず染色体異常があるということではありません。

 このことをしっかり理解できていないまま、新型出生前診断を受けてしまうと、陽性判定が出た時点で中絶をしてしまうという悲劇が起きてしまいます。新型出生前診断で陽性の場合は、弊社では羊水検査費用を全額負担しておりますので確定検査を受けることを推奨しています。

 2013年に新型出生前診断が導入されてから、5年半の間に6万人を超える人が検査を受けました。その中で陽性が確定した人の9割が中絶を選択していると報告がありました。9割と聞くと非常に多いように思えますが、新型出生前診断が陽性でその後染色体異常が確定して人工妊娠中絶をした人の割合は、1年間で人工妊娠中絶をした人の全体の約1割未満程度と言われています。

どの決断が正しい正しくないではなく、もしも陽性と診断された場合、非常に重くつらい決断を求められるため遺伝カウンセリングが充実した施設での検査を受診することがすすめられます。弊社では、認可施設と同様に認定遺伝カウンセラーによるカウンセリングを受けていただくことができますので、安心して検査を実施していただけます。

倫理的問題

新型出生前診断の倫理的問題として、「命の選別」という議論があります。これまでより精度が上がり検査を受けることが簡単になったことで、出生前診断がより身近なものになり検査をする人が増えました。そして、検査を受ける人が増えるということは、倫理的な問題に直面している人も増えていると言えます。

 母体保護法では、母体の健康上、妊娠の継続または分娩が困難な場合もしくは経済上の理由がある場合のみに人工妊娠中絶は認められます。胎児の障害や疾患を理由とする人工妊娠中絶は認められていません。しかし、実際には重篤な障害を抱えた子どもを産む場合、健康上あるいは経済上分娩が困難であると判断され人工妊娠中絶が実施されているのです。

 法的には認められていない胎児の疾患を理由にした人工妊娠中絶に対する議論に答えはありません。ただ、すべての妊婦さんがお腹の子供は五体満足で健康でいてほしいと願っていると思いますし、そうでなければ産めないと判断をした上で検査を受ける人もいるでしょう。特に、最近は出産年齢の高齢化がすすみ、ダウン症の発症率はお母さんの年齢が上がれば上がるほど上昇することが分かってきました。出産まで不安なまま妊娠生活を過ごすよりも、きちんと調べておきたいと思う人も多いと思います。

 このような時に、ただ漠然と「ダウン症だから中絶しよう、病気だから育てられない」というのではなく、遺伝カウンセリングを受けることが重要です。ダウン症とは、トリソミーとはどのような病気なのか、産まれてきたらどのような生活になるのか、治療や闘病にどれほどのお金がかかるのかなどをしっかりと認識し、自分の人生にとって、パートナーの人生にとって、そしてお腹の中の子どもにとってどの選択が1番いいのかを考える必要があります。

遺伝カウンセリングの重要性

遺伝カウンセリングとは、カウンセラーがお母さんやパートナーの悩みや問題点を共有し解決を目指していくための場所です。専門的な知識の提供や、新型出生前診断後の確定診断などの検査のコーディネートだけでなく、お母さんやパートナーが自分たちで選択する手助けをします。

新型出生前診断が陽性であった場合、お母さん側に非常に大きな精神的な負担がかかります。そこでパートナーにも同様にカウンセリングを受けてもらうことで、お母さんの精神的な支えになるとともに、パートナーも当事者であるということをしっかりと自覚し,

どのような選択をするのかを共に決めていくことが大切です。また、決めた後もその選択をきちんとお互いに支えあうことが重要です。このようなことを精神的にも行動的にも変容を促し、より良い方向へ進めるように導いてくれるのが遺伝カウンセリングです。

遺伝カウンセリングがきちんとなされないまま新型出生前診断を受けてしまうと、本当は染色体異常がないのにも関わらず確定診断を受けないまま人工妊娠中絶を受けてしまったり、染色体異常の疾患について正しい知識を得ずに偏見だけで産まない選択をしてしまう可能性があります。

新型出生前診断は、お母さんに痛みやリスクが伴う処置がなく非常に簡単に受けられる検査ですが、結果によっては非常に重たい決断を迫られる検査でもあります。そのことを検査を受ける前にしっかりと認識し、万が一の時にはきちんと相談できる窓口が設置してある場所で検査を受けることが大切です。

 弊社では、認可施設と同様に認定遺伝カウンセラーと無料で話せる電話相談窓口が完備されています。検査結果の見方や、陽性判定であった場合の不安や悩みの解消など、しっかりとした対応が整っているので安心して検査を受けていただくことができます。

まとめ

新型出生前診断は、従来の出生前診断の非確定診断と比較すると非常に精度が高く、お母さんにも子どもにもリスクがなく簡単に検査を受けることができます。一方で命の選別になるのではないかという懸念があることも確かです。

 しかし、お腹の子が五体満足で健康であるのかどうかを知りたいというお母さんの気持ちはごく当たり前のものです。そして、もし障害がある子どもだったら本当に育てられるのかと不安になる気持ちも自然に生まれてくるものです。

 もしも、新型出生前診断が陽性判定で、さらに確定診断でも陽性判定であった場合、どのような選択をするかは、その方の精神状態や経済面も含めた環境などの様々な要因で決定されます。どの選択をしても間違ったものではありません。ただ、その選択をするためには正しい知識と、冷静に考えるための時間と場所が必要です。それらを提供するのが、遺伝カウンセリングです。

 新型出生前診断を受ける場合には、必ず遺伝カウンセリングを受けられる施設で検査を受けることが重要です。そして、検査して終わりではなく、その後も継続して支援してもらえることがお母さんにとってとても大切です。弊社では、認定遺伝カウンセリングを実施しており、検査を受けた後のお母さんやパートナーへのフォローが非常に充実しています。

新型出生前診断は気軽に受けられる検査ですが、アフターフォローが充実していることを確認してから検査を受けるようにしましょう。

ABOUT ME
大河友美
国立大学医学部保健学看護科卒業後、大学病院で6年看護師として勤務。 その後、国立大学医学部保健学大学院へ進学し修士号取得。 現在は、子育てをしながら医療ライター・監修者として活動中。 学歴 平成21年 国立大学医学部保健学看護科 卒業 平成28年 国立大学医学部保健学大学院 卒業 取得資格 看護師国家資格 保健師国家資格