
皆さんは「胎教」という言葉を聞いたことがありますか?音楽を聞いたりするイメージが強いですが、意外にもたくさんの種類がある胎教。今回の記事では、胎教の具体的な説明や効果、はじめる時期やおすすめの胎教、また注意点などを紹介します。胎教を始めようか迷っている方や、どんな胎教があるのか知りたいといった方の参考になりましたら幸いです。

胎教とは?胎教の効果について
皆さんは「胎教」の意味をご存知でしょうか?音楽を聞くと赤ちゃんに良い効果がある、モーツァルトがおすすめなどのイメージを持っている方も多いかと思います。
「胎教」という言葉の起源は中国で、日本には6-8世紀頃に伝来したと言われています(※①)。現代において、胎教の明確な定義はありませんが、「子宮内の良い環境を整える」「妊娠中にお母さんと子どもが楽しくリラックスして過ごせる」ことに重きを置いた考えが多い傾向です。
胎教の効果について
胎教って意味や効果はあるの?ジンクスみたいなものじゃない?と考える方も多いかと思います。
結論から申しますと、胎教の概念がはっきりしていないため、絶対に効果があるとは言い切れないのが現状です。
幅広い意味で「胎教」を捉えると、マタニティコンサートや妊婦水泳といった効果や影響についての研究は存在します。
しかしながら、「胎教」したから良い子に育った、夜泣きが少なかった、頭が良くなったなどといった特徴は個人差が大きいことや、検証そのものが難しいこともあり、まだまだ研究が十分ではないことが現状です。 お母さんと赤ちゃんが楽しくリラックスして妊娠中を過ごすことが大切という認識が現代では主流になりつつあります。
胎教を始める時期
いつから胎教を始めればいいの?と疑問に思う方も多いかと思います。胎教を始めるおすすめの時期は、妊娠中期の5〜7ヶ月(16〜19週)頃です。理由としては、この時期になると胎動を感じるお母さんが多いこと(※②)。
胎教に対して赤ちゃんからの反応(胎動)があると、胎教のモチベーションにつながったり、反応してくれてるのかな?と嬉しい気持ちになりますよね。また合わせて、妊娠20週頃を過ぎると、赤ちゃんの聴覚が発達し、お腹の外の音も聞けることができるようになると言われています。音楽を聞いたり、歌ったりなどの胎教は、この時期から始めても良いかもしれませんね。
とはいえ、胎教を始める時期に決まりはなく、早すぎる、遅すぎるといったこともありません。胎教を始めたいなと思ったときに、楽しく無理のない範囲で始めることをおすすめします。
胎教の具体的な内容

続いて、胎教の具体的な内容を説明いたします。
- 音楽を聞く
胎教として一番最初に思い浮かぶのが、音楽を聞くことではないでしょうか?
「モーツァルトがいい」「英才教育のために英会話を聞かせる」など色々な考えがありますが、実はお腹の中にいる赤ちゃんは、私たちのような外にいる人間と音の聞こえ方は違うと言われています。
「赤ちゃんのため」「教育のため」というよりは、ご自身の好きな音楽を聞いて、リラックスしたり、心地よい気分になったりすることをおすすめします。歌うのがお好きな方は、一緒に歌っても良いかもしれませんね。
話は少しそれますが、なぜ胎教にはモーツァルトが良いと言われているのでしょうか?
胎教にモーツァルトが良いと言われている理由は、「1/fゆらぎ」だと言われています。「1/fゆらぎ」とは、小鳥のさえずりや川のせせらぎと同じようなリラックス効果があると言われています。
私たち人間は、リラックスすると、「α波」が脳から出ると言われています。胎教は赤ちゃんだけでなく、お母さんのリラックスも大切な目的の一つです。
特にこれといって好きな音楽がない、何を聞いていいのか分からない場合は、モーツァルトのようなゆったりとしたクラシックの曲や、川のせせらぎや小鳥のさえずりなどのリラックスできる音楽、またオルゴールなどの音楽をおすすめします。 - お腹を撫でる、キックゲームをする
おすすめの胎教その2はキックゲーム。キックゲームとは、赤ちゃんがお腹を蹴ったときに、「キック」と言いながら蹴った場所を軽く叩くこと。
赤ちゃんが蹴り返してくることもあるので、反応を楽しむことができます。胎動を感じるようになったらおすすめしたい胎教の一つです。
胎動がまだ確認できない場合は、優しくお腹を撫でることもおすすめです。お母さんだけでなく、パートナーや上の子など、信頼できる方にお腹を撫でてもらいながら優しく話しかけてくださいね。 - 話しかける、絵本を読み聞かせる
3つ目のおすすめ胎教は、声をかけることです。難しく考える必要はないので、気が向いたときに赤ちゃんに声をかけることをおすすめします。
②で紹介した、お腹を撫でながら話しかけることもおすすめです。すでに名前が決まっている場合は、名前を呼びながら話しかけてみましょう。
どのように話しかけて良いか分からない、という場合は、絵本の読み聞かせもおすすめです。生まれてから読み聞かせたいと思っている絵本など、ご自身が良いなと思った絵本を読み聞かせましょう。 - 適度に運動する
マタニティヨガや水泳、ウォーキングなど、無理のない範囲での適度な運動もおすすめです。体重管理やメンタルの向上など、運動は良いこともたくさんあるので、おすすめしたい胎教の一つです。
胎教の注意点

胎教を行う上で注意していただきたいポイントを紹介します。
- 運動の際は医師の指示を確認する
胎教の一つで「適度な運動」を紹介しましたが、お母さん、赤ちゃんの状態によっては、運動そのものがNG、激しい運動がNGの場合もあります。
行う前には、必ず運動の内容を医師に確認し、医師の指示の範囲内での運動を心がけましょう。 - 無理をしない、ストレスを感じるまで続けない
絶対に胎教をしなきゃ!など、胎教そのものがストレスになっては本末転倒です。そもそも妊娠中に過度のストレスはよくありません。
胎教は赤ちゃんだけでなく、お母さん自身のリラックスやメンタルの安定を目的としています。無理はせず、自分が楽しいな!やりたいな!と思った胎教を実践することをおすすめします。
胎教のまとめ

今回の記事では、胎教について、効果やはじめる時期、おすすめの胎教4種類や胎教を実践する際の注意点などについてご紹介しました。
現代において、胎教の明確な定義はありませんが、「妊娠中にお母さんと子どもが楽しくリラックスして過ごせる」ことに重きを置いた考えが多い傾向です。
胎教をはじめる時期に決まりはありませんが、妊娠中期の5〜7ヶ月(16〜19週)頃になると胎動を感じることが多く、赤ちゃんの反応を楽しむことができるためおすすめの時期です。
具体的なおすすめの胎教としては、①音楽を聞く②お腹を撫でる、キックゲームをする③話しかける、絵本を読み聞かせる④適度に運動するなどが挙げられます。
ただし、絶対に胎教をしなきゃ!という決まりはありません。ご自身にストレスがなく、楽しんで行うことができる胎教を、心地の良い範囲で実践することをおすすめします。
参考文献:
①中江 和恵、胎教思想の歴史的検討、教育学研究、1983
②まめコミ 妊娠期カレンダー 妊娠中期
