
妊娠中の運動はどれくらい、どのような運動をするのが良いかご存知でしょうか?妊娠中の運動はメリットがたくさんの一方で、気をつけたいポイントもいくつかあります。今回の記事では、妊娠中の運動の効果やメリット、おすすめの時期や具体的な運動内容、気をつけたい注意点を紹介します。妊娠中の運動を迷っている方、何をすれば分からない方の参考になりましたら幸いです。

妊娠中の運動とは?効果やメリットについて
皆さんは「妊娠中の運動」にどのようなイメージをお持ちですか?マタニティヨガや、ウォーキングがいい、出産の体力をつけるために運動はした方がいいといったイメージを持つ方も多いかと思います。
妊娠中の運動の効果やメリットについて
妊娠中の運動の効果や代表的なメリットを3つ紹介します。
- 出産や育児に必要な体力をつけることができる、運動不足の解消
妊娠中の運動の目的の一つに、出産や育児における体力をつけることがあります。
分娩にかかる時間は、初産婦で10〜12時間、経産婦で4〜6時間程度と言われています。分娩直前には赤ちゃんを生むための「いきみ」が必要です。
しかし、分娩そのものが長い場合、いきむ体力が残っていない妊婦さんが多いのも現状です。
妊娠中の運動は体力の向上が期待でき、分娩をはじめとした出産や育児の体力をつける事が出来ます。
また妊娠がすすむにつれてお腹が大きくなり、一日の長い時間横になる妊婦さんも多く、運動不足になりがちです。妊娠中の運動は、運動不足解消にも効果があります。 - 妊娠中に発症する病気への対策
妊婦に特徴的な病気に「妊娠高血圧症候群」「妊娠糖尿病」などがあり、適度な運動が対策の一つとして挙げられます。医師から安静指示がない場合は、適度な運動を行いましょう。 - 気分転換やリラックス効果など精神面の安定
妊娠中に過度なストレスは禁物です。無理のない範囲で運動を楽しむことは、気分転換やリラックス効果など、 精神面の安定にも繋がります。
妊娠中の運動におすすめの時期
いつ運動を始めればいい?運動をしてはいけない期間はある?と疑問が多い妊娠中の運動の時期。おすすめの時期を紹介します。
妊娠初期【4〜15週(2〜4ヶ月)】
つわりや立ちくらみなどの症状が出やすい時期です。流産しやすい時期でもあるため、長時間のランニングのような激しい運動、転倒の危険があるなどの危険なスポーツ、お腹が圧迫されるようなスポーツは避けましょう。
妊娠中期【16〜27週(5〜7ヶ月)】
安定期と言われる時期です。つわりも治まっていることも多く、運動にもおすすめの時期です。妊娠初期につわりがひどくて運動ができなかった、食べづわりで体重が増加したなど、運動不足で経過した妊婦さんには特に適度な運動をおすすめします。 前述の通り、 妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病の対策の一つとしても、運動は有効です。無理のない範囲で運動を行いましょう。
妊娠後期【妊娠28週以降(8ヶ月以降)】
かなりお腹の大きくなる時期です。お腹が大きいため、運動は疲れる、ずっと横になりたいと思う妊婦さんも多いです。しかしながら、出産は体力を必要とし、出産後の子育てにも体力は必要不可欠です。お腹が大きく動くこと自体が大変ですが、ご自身の無理のない範囲で、体調に合わせた運動を行いましょう。
妊娠中におすすめの運動

続いて、妊娠中におすすめの運動を紹介します。
- ウォーキング
特別な道具や準備も必要なく、時間や場所を選ばないため、妊娠中の運動として最もおすすめです。
時間の目安は30分程度。できれば週5回程度が理想ですが、時間や頻度よりも継続することが大切です。
運動が苦手な方や、ウォーキングを行う習慣がない方は、楽しいと思う範囲や時間で、ウォーキングする習慣をつけることをおすすめします。 - マタニティヨガ
妊娠中の運動としてよく挙げられるのがマタニティヨガです。ヨガ教室や産婦人科などで開催されており、 妊婦さんが参加しています。
同じ妊婦同士の悩みを共有したりすることもできるため、お近くにマタニティヨガ教室がある場合は、参加を検討しても良いでしょう。
マタニティヨガは運動不足解消ももちろん、呼吸法もトレーニングできます。特に分娩時は呼吸のコントロールが重要とされます。
マタニティヨガは、スムーズな分娩の呼吸法を身に付けるという点でもおすすめです。 - マタニティスイミング
こちらもフィットネスやスイミングスクール、産婦人科などで教室が開催されています。
浮力を活用するスイミングは、赤ちゃんの重さの負担を感じることなく運動できます。
もともとスイミングが好きな方や、お近くにマタニティスイミング教室がある方は、ぜひ一度利用を検討してみてはいかがでしょうか。
妊娠中の運動の注意点

- 運動の際は医師の指示を確認する
必ず医師の指示の範囲内での運動を行いましょう。週数や状態によっては、そもそも絶対安静が必要であったり、運動がNG、激しい運動がNGの場合もあります。
赤ちゃんとお母さんの命を守ること、妊娠の継続を第一前提とし、医師の指示の範囲内で安全な運動を行いましょう。 - 危険な運動は避ける
妊娠中に避けたい運動は、転倒の危険があるものや、激しい接触があるものなどです。お腹にボールが当たる可能性のある球技系の競技、スキューバダイビングなども避けましょう。
妊娠の後半になると、お腹が大きくなり自身の足元が見えづらくなります。 妊娠前には当たり前にできていた動作も、難しくなることがあります。
登山といった足元が不安定な運動はもちろん、日常生活のちょっとした階段や段差など、 転倒に十分注意しながら運動を行いましょう。 - 無理をしない
妊娠中はこれまでと違い、体調や体型、メンタルなど、妊娠前と比べ大きく違います。つわりがひどい、お腹の張りが気になるなど体調面に不安がある時は、無理せず運動をお休みすることも大切です。
運動をする前後は、必ず水分補給を意識します。 妊娠中は特に水分不足になりがちで、脱水症状を起こす可能性も高いです。こまめな水分補給はもちろん、猛暑日などは運動を避け、 室内でできる運動を行いましょう。
加えて、運動そのものが強いストレスになるまで頑張るのもおすすめできません。運動はお母さん自身のリラックスやメンタルの安定にも効果があります。
これまで運動習慣のなかった方は、運動そのものが嫌、辛いとストレスに感じることもあるかと思います。ご自身にストレスや無理のない範囲での運動をおすすめします。
妊娠中の運動のまとめ

今回の記事では、妊娠中の運動について、効果やメリット、おすすめの時期や具体的な運動内容、気をつけたい注意点について紹介しました。
妊娠中の運動のメリットは多くあり、また妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病などの対策としても有効です。
妊娠中におすすめの運動は、①ウォーキング②マタニティヨガ③マタニティスイミング などが挙げられます。
ただし、妊娠中は体調や体型、メンタルなどが妊娠前と大きく違います。週数や状態によっては絶対安静が必要であったり、激しい運動ができない場合もあります。
危険な運動や激しいスポーツなどは避け、必ず医師の指示の範囲内での運動を心がけましょう。ご自身の体調に合わせて、無理のない範囲で今回紹介した運動を行ってみてくださいね。
参考:
①妊娠中のスポーツはあり?なし?【妊娠中のスポーツ】 MOONY
②妊娠高血圧症候群 日本産科婦人科学会
③妊娠糖尿病 日本産科婦人科学会
