2023.08.25

出産

バースプランとは?具体的な書き方もご紹介

バースプランとは?具体的な書き方もご紹介

妊婦さんや家族が満足できるお産を目指すために取り入れられているバースプラン。出産予定日が近づいたら、バースプランを書くのがおすすめです。実際にバースプランを作成する上で、どのような内容を書けばいいのか気になりますよね。

この記事では、バースプランの特徴や書いておくとよい内容や書き方の例について解説しています。これからバースプランを書こうと考えていた方は、ぜひ参考にしてみてください。

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そもそもバースプランとは?

バースプランとは、「出産計画」のことです。希望しているお産や、出産後や入院中の過ごし方などの希望を紙等にまとめることで、妊婦さんや家族にとって満足度の高いお産を実現するのに役立ちます。

バースプランには、出産前である現時点の不安についても記載できます。妊婦さんの不安について、医療機関と共有したり相談したりするのに使えます。

医療機関の中には、バースプランに取り組んでいる施設もあり、専用の用紙に記入が求められたり、自分で用意したものの提示を求められたりすることもあります。

ただ、施設の環境やお産時の状況によっては、バースプランのすべての内容を達成することが難しいこともあります。バースプランの目的は、すべて計画通りに行うことよりも、お産や入院生活の希望や不安の情報共有することで、満足できるお産をすることにあります。

バースプランを作るメリット

妊娠中は妊婦健診を通して、医師や医療スタッフと話す機会があるものの、自分のお産の希望について話す機会はあまりありません。妊婦さんの多くは、お産のイメージが漠然としており、後で「もっとこうして欲しかった」など後悔する人も多くいます。

バースプランを使えば、お産や入院中に希望することや、お産への不安について情報を共有しやすくなります。また、パートナーや家族と話合いながらバースプランを作成することで、各々が出産についてどのような気持ちを抱いているか確認することができます。

その結果、妊婦さん自身の心にも余裕が生まれやすくなるので、落ち着いた気持ちでお産を臨むのに役立つでしょう。

バースプランは何を書けばいい?

バースプランは、出産や入院中に臨むことから、お産に際しての疑問や不安など何でも書くことできます。医療機関によっても様式が異なりますが、バースプランには以下の項目を記載しましょう。

出産のスタイル

お産は、以下のようにさまざまな方法があります。

  • 普通分娩:自然の流れに任せて、妊婦さんがいきんで赤ちゃんを産むお産
  • 無痛分娩:麻酔等を用いて陣痛を和らげて臨むお産
  • 計画分娩:出産日を決めて、人為的に陣痛を誘発するお産

医療機関の中には、普通分娩以外に対応していない施設もあれば、フリースタイルのようにお産時の姿勢を自由に変えられる施設もあります。まずは、自分の希望に合ったお産に対応している医療機関を選びましょう。

立ち会い出産の希望

全体のお産のうち、半数以上は夫や家族に立ち会って行われます。立ち会い出産により、「夫婦で一緒に頑張れた」と感じることもあれば、「相手があまり頼りにならなかった」と後悔することもあります。

また、妊婦さんが立ち会い出産を希望していても、パートナーや家族が希望していないこともあります。意見の相違がないように、バースプランを作るときによく話し合うとよいでしょう。

なお、立ち合ってほしくない人も書き込んでおくと、お産時の対応がスムーズです。

陣痛中の希望

バースプランには、陣痛中に付き添ってほしい人や、希望の対応について書きましょう。「お産の中でも大変だった」と感じる人が多いのが陣痛です。陣痛は周期的に訪れますが、予想以上に痛みに気持ちの余裕をなくしてしまうこともあります。

また、当日の状況によっては、バースプランとは異なる対応を希望することもあるかもしれません。特に、はじめてお産の望む方は、陣痛がどの程度か想像しにくいので、当日の希望を優先する旨を添えて記載しておくのもおすすめです。

お産時の希望

バースプランではお産時に希望する医療処置についても書けます。お産にあたって陣痛促進剤を使用するのか、会陰切開をするのかなど、希望がある方は記載しましょう。ただし、お産当日は母子の安全が第一となるので、希望通りに行かないことがあります。

また、赤ちゃんが生まれる瞬間は、多くの妊婦さんや家族にとって大切な瞬間でもあります。バースプランには、産まれた赤ちゃんをすぐ抱きたい(カンガルーケア)、写真やビデオ撮影をしたいなど書けます。

赤ちゃんが生まれた直後の時間をどのように過ごしたいか、バースプランであらかじめ書いておくのもよいでしょう。

入院中の生活

出産後、赤ちゃんの健康状態に問題がなければ、母子同室となることがほとんどです。母子同室の開始時期は翌日からとする施設が多いですが、施設によって産後すぐに母子同室となることがあります。

産後は、体力を消耗していることが多いので、いつくらいから母子同室を希望しているのかバースプランに書きましょう。また、入院中は赤ちゃんの沐浴や授乳の仕方の指導を受けられます。はじめて赤ちゃんを迎える場合は、詳しく知りたい旨を書いておくのもよいでしょう。

バースプランを書くときのポイント

バースプランを作る時は、パートナーや家族と話し合いながら行うのがおすすめです。医療スタッフに伝わりやすいように、分かりやすく書くのがポイントです。はっきりした希望がある場合は、理由を書いたり、具体例を挙げたりするとよいでしょう。

反対に、お産で不安なことや、入院中にしてほしくないことも、遠慮せずにしっかり書くことも大切です。妊婦さんの心配事や不安をはっきりさせることで、施設側からも配慮を受けられ、安心感を持ってお産に臨めるようになります。

もちろん、医療機関の状況とバースプランによっては、自分の計画通りに行かないこともあります。お産や出産後の状況によっては、妊婦さんの希望通りに行かないこともあるでしょう。バースプランの計画通りに行かなくても、前向きに受け止めることが大切です。

バースプランの書き方の例

実際にバースプランを書く上で、どのように書いたらよいか分からない方もいるかもしれません。ここでは、バースプランの書き方の例を紹介します。

  • 陣痛で苦しいときはアロマテラピーをしてほしい
  • 布団の上でフリースタイルのお産をしたい
  • お産中は夫に立ち会ってほしい
  • お産中は、助産師さんに励ましてほしい
  • 無痛分娩にしてほしい
  • 会陰切開はしたくない
  • 出産後、母乳をすぐにあげたい
  • 出産後は個室に入院したい
  • 体力に自信がないので、お産後は夜だけ赤ちゃんを預かってほしい

まとめ

バースプランは、妊婦さんや家族がお産や入院中の希望や、お産に関する不安点を書き、医療スタッフを情報共有するためのものです。バースプランを作ることで、満足度の高いお産や入院生活を送るのに役立ちます。

自分の希望するお産を迎えるためにも、パートナーや家族と話し合ってバースプランを作りましょう。施設の環境やお産当日の状況によっては、プラン通りに行かないこともありますが、ポジティブに捉えることも大切です。

参考:
バースプランとは

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ABOUT ME

原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴:2005年 国立大学看護学部卒業。取得資格:看護師、保健師。

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