2023.06.12

妊娠

臨月はいつから?正しい過ごし方について解説

いよいよお産が間近に近づいている臨月。妊婦さんの中には、臨月の過ごし方について気になっている人もいるのではないでしょうか?お産に向けて健康的な生活を続けたいですよね。

この記事では、臨月の定義や母子の状態、臨月の過ごし方のポイントについて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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臨月はいつから?計算の仕方

臨月とは赤ちゃんが産まれる予定の月で、妊娠の最終月のことを指します。臨月は医学用語ではないので、病院では妊娠週数で現すのが一般的です。出産予定日は妊娠40週0日になるため、臨月は妊娠36週~40週未満の時期を指します(妊娠週数は最後の月経1日目から数えます)。

臨月と混同しやすい医学用語に「正期産」があります。正期産は安全なお産に至りやすい期間のことで、妊娠37週0日から41週6日の期間です。臨月と正産期は時期が重なりますが、意味が異なります。

臨月の赤ちゃんの状態

お産が近くなる臨月は1ヵ月のあいだに赤ちゃんもラストスパートをかけて成長します。妊娠の状態や個人差にもよりますが、妊娠週数別のおなかの赤ちゃんの平均的な身長・体重は以下になります。

・妊娠36週頃:身長47cm、体重2,500g

・妊娠40週頃:身長50cm、体重3,100g

近年はやせ傾向の妊婦さんも増えていることから、一昔前と比べると赤ちゃんの体重がやや少なくなっています。

臨月の赤ちゃんの体の状態

臨月になると、おなかの赤ちゃんの体の機能は新生児とほぼ同じ状態になるので、母乳を飲める準備が整います。体表は毛が薄くなり、皮膚はピンク色になってきます。

十分な脂肪がついているので、赤ちゃんらしいふっくらした体型になります。全身の骨が硬くなっていきますが、頭がい骨は産道を通りやすくするために、柔らかさを保っています。

子宮内での体勢と胎動

臨月になると、お産に向けて赤ちゃんの体は子宮口に向かって下がっていきます。この時期、「赤ちゃんの胎動が減った」と感じる妊婦さんも少なくありません。赤ちゃんの体が降りてくると、頭がママの骨盤の中に固定されるため、体の大きな動きが少なることがあります。

ただ、赤ちゃんによっては頭が固定されていても、手足を良く動かす子もいます。

臨月にみられる症状

臨月になると、妊婦さんの体の状態にも変化がみられるようになります。臨月でみられる症状は以下になります。

おりものの増加

臨月になると、ママの体もお産の準備に入るため、女性ホルモンもさらに増加し、おりものの量も増えてきます。出産前のおりものの増加は問題ありませんが、色やにおいに強い変化がみられる場合は、医師に相談しましょう。

足のむくみ

臨月で赤ちゃんがさらに大きくなると、心臓に戻る太い血管が圧迫されるため、下半身を中心にむくみが起こりやすくなります。特に、臨月は女性ホルモンの影響で、水分を体にため込みやすくなるため、体の水分量も増えます。

臨月でむくみがみられるときは、水分制限をするのではなく、塩分を控えるようにしましょう。

便秘

臨月になると子宮で腸が圧迫されるため、便秘になりやすくなります。妊婦さん本人もお腹が大きくなると、運動量が減るため、腸の動きが鈍くなりがちです。

臨月の便秘予防には、運動で腸の動きを良くしたり、バランスの良い食事を取ったりすることが大切です。セルフケアでも便秘が改善しない場合は、医師に便秘薬を処方してもらいましょう。

便秘薬には作用別に種類があり、腸を刺激するタイプは、子宮の収縮を促すおそれがあるため、妊婦さんの使用は禁忌です。薬局やドラッグストアで便秘薬を購入するのではなく、医師の処方薬を使うのが適しています。

尿漏れ

臨月は子宮の隣にある膀胱も圧迫されやすいので、尿漏れが起こりやすくなります。人によっては、おしっこが近くなったり、くしゃみの拍子に尿漏れが起きたりすることもあります。臨月の尿漏れ対策では、トイレにこまめに行ったり、尿漏れで下着を汚さないように専用パッドを使ったりするとよいでしょう。

臨月の過ごし方について

臨月はお産が間近になっているので、安全に過ごすことが大切です。妊娠経過が順調であれば、ウォーキングやマタニティビクスなどの運動をすることもできます(切迫流産などで安静指示がある場合を除く)。

お腹が大きいと、足元が見えづらかったり、体のバランスが崩れやすくなったりするので、転倒に注意しましょう。

出産が近くなると、育児で忙しくなる前に色々なことをやっておこうと考える妊婦さんもいるかもしれません。臨月は妊娠の状況が著しく変化する可能性もあるので、旅行など遠出は控えましょう。

出かけるときは、お産予定の施設からいつでもアクセスできるように、近場にするのがおすすめです。里帰り出産をする方の中には、臨月に入る前に帰省するとよいでしょう。

お産の徴候を知っておこう

臨月に入ったら、出産の兆候である「おしるし」や破水の徴候に注意を払うことも大切です。おしるしは、赤ちゃんが入っている卵膜が子宮壁から剥がれることで、少量の出血を生じます。出血量が経血よりも多い場合は、異常が生じている可能性があるので、医療機関にすぐに連絡しましょう。

また、臨月に「前駆陣痛」というおなかの張りや痛みが現れる人もいます。通常の陣痛は、10分以内の間隔で1時間に6回以上の痛みが生じますが、前駆陣痛は痛みの現れ方が不規則で長く続かないことが多いです。

臨月に避けたい動作と行動

臨月は体に無理をすると、お産が予定日よりも早まる可能性もあります。出産1カ月前は、安全に配慮するために以下のことを避けるようにしましょう。

  • 重い荷物を持つ
  • お腹を強く圧迫する
  • 車や自転車の運転

臨月までには準備したいこと

出産が迫っている臨月は、お産からその後の育児に向けた準備ができる最後のチャンスです。出産後に必要なことも含めて、以下の準備をしましょう。

入院バッグの準備

臨月はいつ出産を迎えてもおかしくない時期です。出産日が変わる可能性も考慮して、いつでも入院できるように準備しておきましょう。お産のための入院セットには、母子健康手帳や着替えなどママの入院セットだけでなく、赤ちゃんの着替えも必要です。

赤ちゃんの育児用品の準備

出産後の入院期間は産後の母子の体調にもよりますが、目安は6~8日後です。退院後は赤ちゃんの育児生活に入るので、必要な物品を用意するようにしましょう。

衣類などは赤ちゃんの成長に合わせて準備することもできますが、ベビーベッドなどすぐに必要なものがあります。それぞれの家庭のライフスタイルに合わせて必要なグッズを用意しておくと安心です。

出産の報告の準備

赤ちゃんが無事に生まれた後は、出産報告をする人も多いかもしれません。出産お祝いをいただくこともあるので、前もって内祝いに何を送るか考えておくとスムーズです。

まとめ

臨月は妊娠の最終月のことを指し、お産に近づいている時期です。出産が近くなるにつれて、おなかの赤ちゃんの体も大きくなったり、ママにもさまざまな症状がみられたりするようになります。

安心してお産に臨めるように、臨月は体に無理がかからないようにしつつ、出産に備えた準備をしていきましょう。

参考:
妊娠中の過ごし方

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原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴:2005年 国立大学看護学部卒業。取得資格:看護師、保健師。

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