2022.12.21

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胎動はいつから感じる?パパにも感じてもらうためには?

胎動は、もうすぐ生まれてくる我が子の存在を強く確認できるサインの一つですね。今回の記事では、胎動についての説明と、パパにも感じてもらう方法を紹介します。「今お腹を蹴ったね」と胎動をパパとも共有し、喜びや楽しみを感じてみませんか?

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胎動はいつから感じる?

胎動とは、妊娠中にお母さんのお腹の中で赤ちゃんが動くことを指します。お母さんが胎動を感じるのは妊娠20週ごろから(※①)と言われていますが、感じ方には個人差があります。また最初のころの胎動は力も弱く、不規則なため感じにくい方もいます。

妊娠時期による胎動の違い

妊娠時期による胎動の違いを紹介します。最初はほとんど感じることができなかった胎動も、妊娠後期には痛いくらいの胎動を感じることもあります。

妊娠初期(0〜4ヶ月)の胎動

妊娠から13週6日(〜4ヶ月)までを妊娠初期といいます。妊娠7〜8週頃から赤ちゃんが手足をバタバタ動かし始めていますが、動きも小さく、またお腹の大きさに対して赤ちゃんの大きさが小さいため、胎動を感じる方は少なめで、感じ方にも個人差があります。一般的には、羊水が少ない人、皮下脂肪が少ない人が胎動を感じやすいと言われています。

胎動を感じる場合は、おへそから骨盤にかけての下腹部にかけて感じることが多いと言われています。

妊娠中期(5〜7ヶ月)の胎動

妊娠14週0日〜27週6日(5〜7ヶ月)までを妊娠中期といいます。妊娠20週半ばを過ぎると、ほとんどのお母さんが胎動を感じることができ、胎動を感じる面積も大きくなります。妊娠初期は下腹部で感じていた胎動も、おなか全体で感じるようになります。皮下脂肪の少ない、痩せ型のお母さんは、皮膚越しに赤ちゃんの手足が見えることもあります。

お腹の赤ちゃんは20〜40分で寝たり起きたりのサイクルを繰り返しています。赤ちゃんが寝ているときは動きも少ないため、胎動は感じにくいと言われています(※①)。

妊娠後期・臨月(8ヶ月〜)の胎動

妊娠28週0日(8ヶ月〜生まれるまで)を妊娠後期といいます。妊娠後期はさらに赤ちゃんの身体が大きくなり、痛いくらいの胎動を感じることもあります。ただ、赤ちゃんの身体が成長しているため、上下の回転や大きな動きは徐々に少なくなります。

妊娠10ヶ月を過ぎると、頭が骨盤の中に固定され、大きな動きがとりにくくなることから、胎動が減ったと感じるお母さんもいます。

胎動の種類

胎動には様々な種類があります。代表的な胎動のパターン3つを紹介します。

手足の曲げ伸ばし(キック)

手足の曲げ伸ばし(キック)で胎動を感じることができます。「今お腹を蹴ったかな?」と妊婦さんが胎動を感じるのはキックが多いです。早い人だと妊娠14週ごろから感じるようになります。

身体の回旋と回転(ローリング)

お母さんのお腹の中で赤ちゃんがぐるぐると身体の向きを変える回旋や、回転をすることをローリングといいます。身体のサイズがまだまだ小さい妊娠中期頃(5〜7ヶ月)までは回転と回旋の両方がありますが、身体が大きくなる妊娠後期になると、身体の向きを変える回旋が増えます。妊娠10ヶ月を過ぎると、頭が骨盤の中に固定され、ローリングを感じることが少なくなると感じる方もいます。

しゃっくり様運動

妊娠20週頃から確認でき、しゃっくりのような動きをするときに胎動を感じる場合がありますが、頻度には個人差があります。

異常な胎動

胎動は赤ちゃんの異常を感じることのできるサインの1つでもあります。気をつけてほしい、異常な胎動について紹介します。

急に胎動が少なくなったら注意が必要

妊娠10ヶ月を過ぎると赤ちゃんが大きくなることから回転の動きが少なくなり、胎動を感じることも少なくなると説明しましたが、完全に胎動がなくなるわけではありません。

いつもと比べて急に胎動が少なくなった、感じることができなくなった場合は注意が必要です。

胎動が1時間以上確認できない場合、へその緒が赤ちゃんに巻き付いたことによる低酸素状態、その他子宮の異常や胎児の発育不全が影響している可能性も考えられます。

胎児は朝起きて夜眠る、といったサイクルで活動しているわけではなく、30~60分程度の間隔で寝たり、起きたりを繰り返しています。

胎動が少ない、感じないと思ったら、まずはお腹を軽く叩き、赤ちゃんを起こしてみましょう。赤ちゃんが寝ている場合問題はないですが、刺激でも赤ちゃんが起きない、胎動が確認できない場合は、すぐにかかりつけの病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。

胎動が少ない場合、NST(ノンストレステスト)で子宮収縮と胎児の心拍数を記録し、赤ちゃんの状態を確認することができます。20~40分で終了する検査です。

胎動カウントで赤ちゃんの状態を確認する

胎動カウントとは、赤ちゃんが10回動くのに何分かかるか(目安としては30分以内)を測定する(※②)方法です。

お母さんが静かに横になるか、座るかなどのリラックスした状態で行いましょう。胎動カウントには様々な議論があり、研究も進んでいますが、赤ちゃんの胎動を確認する方法の1つとして行ってみるのもおすすめです。

胎動が激しすぎる場合は問題がないことが多い

逆に胎動が激しすぎるのも異常なサインかと心配になりますが、一般的に胎動が激しすぎることは問題がない場合が多いです。

胎動が激しいことは胎児が元気なサインと言われています。先程お伝えしたとおり、異常がある場合は胎動が減少することが理由です(※①)。

胎動をパパにも感じてもらうためには?

「赤ちゃんの胎動をパパも感じたい」という方向けに、胎動をパパにも感じてもらうためにできることを紹介します。お母さんの体調がよく、リラックスしているときにぜひ行ってみてください。

胎動が激しいときにトライする

弱い胎動のときにパパがお腹を触っても、胎動が分からないことがあります。痛いくらい動いている、激しい胎動のときだと、パパも胎動を感じやすく、赤ちゃんも活発ですので、胎動が激しいときにトライすることをおすすめします。

妊娠20週半ばを過ぎると、ほとんどのお母さんが胎動を感じることができるとお伝えしました。あまりに早い時期だと胎動が弱く、パパが感じることが難しいかもしれません。とはいえ、パパの存在を覚えてもらうためにも、早い時期から積極的な声かけや、優しくお腹に触れることで赤ちゃんにパパの存在を覚えてもらいましょう。

キックゲームをする

キックゲームとは、赤ちゃんがキックしたら、蹴られた部分を「キック」と軽くタッチしながらコミュニケーションを楽しむことを指します。

赤ちゃんがお腹を蹴り始めたら「キック」といいながら、赤ちゃんの反応を2人で楽しみましょう。

諦めずに何度もトライする

「さっきまで激しい胎動があったのに、パパが触ったら急に胎動が止まった」「全然パパに反応してくれない」ということは珍しいことではありません。いつも一緒にいるお母さんとは違う声や存在に、赤ちゃんもびっくりしているかもしれませんね。

パパが胎動を確認できなくても、諦めずに何度もトライしてみましょう。赤ちゃんもパパの存在に安心して、胎動を返してくるときがくるかもしれません。

【参考文献】
社団法人日本産婦人科医会 – 胎動が多いか少ないかわからないです
NPO法人 SIDS家族の会 – 流産・死産とは

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ABOUT ME

平野香菜子
内科、精神科にて看護業務に従事経験を持つ看護師・保健師のライター。2020年には、食事や運動をはじめとした生活習慣改善のための保健指導などを行う企業保健師としても活動中。 略歴:2016年 美容系専門学校講師、2017年 大学教員(助手)、2018年 看護師、2020年 企業保健師。取得資格:看護師、保健師。

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