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妊娠中の薬は飲めるの?胎児への影響は?

妊娠中の薬 は飲めるの?胎児への影響は?

妊婦さんの中には何らかの症状に対して、薬を飲んでもよいのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか?妊娠中に飲む薬によって、赤ちゃんの健康に影響を及ぼすのではないか気になりますよね。

この記事では、妊娠中の薬の影響や、妊婦さんが薬を飲むときのポイントについて解説します。

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妊娠中の薬について

妊娠中の薬について

妊娠中に薬を飲むことで、おなかの赤ちゃんに影響を与える可能性があることは多くの人が知っているのではないでしょうか?妊娠中の薬の影響を知る上で、ご存知の人も多いのが「サリドマイド」です。サリドマイドは薬害事件となった薬で、1950年代末から60年代初め頃まで、鎮静剤や睡眠剤として世界中で処方されていました。

当時、サリドマイドを使用していた人の中には妊婦さんもおり、妊娠初期で内服した場合に、20%以上の頻度で奇形が起こることが明らかになりました。 このように、妊娠中に内服した薬の成分が血液を介して、胎盤からお腹の赤ちゃんへ伝わります。しかし妊娠中の薬の影響は妊娠時期や薬の種類によっても異なるため、すべての薬がおなかの赤ちゃんに影響を与えるわけではありません。

妊娠時期別の薬の影響

妊娠時期別の薬の影響

妊娠中に飲んだ薬が赤ちゃんに影響するかどうかは、妊娠時期によって異なります。

妊娠1か月頃

受精から2週間くらいまでは薬による影響はないとされています。この時期の受精卵はさかんに細胞分裂を繰り返しており、薬の成分により受精卵が死んでしまえば、妊娠が成立しません。

また、どの細胞がどの器官になると決まっている段階ではないので、薬の成分の影響があっても、他の細胞によって代償されることが多いためです。(※このことを医学的に「All or None(全か無かの)の法則」といいます)

妊娠2か月頃

妊娠2か月は、おなかの赤ちゃんの神経・心臓・消化器・四肢など重要な器官が作られている時期です。薬だけでなくそのほかの奇形の要因に対して、影響受けやすい時期でもあります(医学的に「絶対過敏期」とも呼ばれています)。

妊娠3~4か月頃

妊娠3か月に入るとおなかの赤ちゃんの器官が完成し、外性器が分化し性別の区別が可能になります。妊娠による薬の影響は、妊娠2か月頃よりも低くなります。しかしながら、薬の影響がゼロであるわけではないので、薬を慎重に使用することが大切です。

妊娠5か月~出産まで

妊娠5か月になると、おなかの赤ちゃんの器官の形成はほぼ終わっています。そのため、妊娠中の薬の服用により赤ちゃんの奇形を引き起こすことはほとんどありません。その一方で、特定の薬剤は妊娠に影響を与えることがあるので、以降を参考にしてみてください。

妊娠中に使用を避けるべき薬

妊娠中に使用を避けるべき薬

妊娠中に飲む可能性のある薬の中には奇形リスクがあるものもあり、服用について十分検討しなければなりません。催奇形が報告されている薬と奇形の種類は以下になります。

デパケン(抗てんかん薬)

  • 二部脊椎:背骨のトンネルにあたる脊柱管の一部の形成が不完全になり、さまざまな神経障害が生じる可能性があります。
  • 胎児バルプロ酸症候群:神経管・心臓・四肢・泌尿器・生殖器の欠損や、脳・目・呼吸器の異常などが生じます。

メトトレキサート(抗リウマチ薬、抗がん剤)

  • メトトレキサート胎芽病:流産、頭の骨格や顔面の奇形を引き起こします。

コペガス、レベトール(ともに抗ウイルス薬)

2つの薬は生殖試験にて、奇形を引き起こすリスクが高いことが明らかになっています。

ワーファリン(抗凝固剤)

  • ワーファリン胎芽病:軟骨の形成不全や中枢神経の異常を引き起こします。

妊娠5か月以降は、薬の奇形のリスクは低くなりますが、胎児の発育を妨げるものがあります(医学用語で胎児毒性といいます)。以下の薬の使用に注意するようにしましょう。

≪妊娠5か月頃に服用を注意したい薬剤≫
ワルファリン、ACE阻害剤、プロスタグランジン系の薬

≪出産直前に服用を注意したい薬剤≫
非ステロイド性解熱鎮痛消炎薬(NSAIDs)

薬を飲んだ後に妊娠が分かった場合

妊婦さんによくみられる心配事が多いのが、薬を飲んだ後に妊娠が判明した例です。近年では、ドラッグストアの普及もあり薬の購入がぐんと身近になりました。なにか症状があるときは、医療機関へ行く前に薬を飲んでから様子を見る人も多いかもしれません。

妊娠に気づく時期は、妊娠中の薬の影響が大きい時期と重なることも多く、不安になってしまう妊婦さんもいます。とはいえ、もともと妊娠による先天異常が自然発生する頻度は2~3%であり、自然流産の頻度は15%程度といわれています。おなかの赤ちゃんの奇形を引き起こす可能性のある薬でも、奇形の発生率に影響するのは1~3%上げる程度とされています。

妊娠中の薬の投与は慎重に行われるべきですが、あまり心配しすぎるのも良くありません。また、あらかじめ妊娠を計画している場合は、リスクの低い薬を使うようにしましょう。

男性が服用した薬の影響はあるか

妊娠中の薬の影響を考えるうえで、おなかの赤ちゃんの父親である男性が服用した薬について気になっている人もいるかもしれません。妊娠は卵子と精子が出会って受精卵となり、子宮に着床することで成立します。

精子は精巣で作られますが、受精までたどり着くにはおよそ74日前後かかるといわれています。そのため、性交直前の薬の服用が、精子の質に影響を与えるわけではありません。また、薬により精子に何らかの影響があるとすれば、受精から3か月以内に服用したものになります。

もともと射精によって放出される精子の20%は、形態異常がみられるため、すべての精子が完璧な状態ではありません。形態に異常のある精子は自然淘汰されるため、卵子と出会って受精する確率が低くなります。

女性が妊娠した際に服用した薬の影響は、研究データが少なく、あっても報告程度です。男性の薬の服用による影響はさらに少ないのが現状です。男性の場合、ほとんどの薬については心配がありませんが、気になる方は、医師に確認してみるとよいでしょう。

妊娠中に薬を飲んでもよいか

妊娠中に薬を飲んでもよいか

妊娠中の薬の成分は血液を介して胎盤から赤ちゃんに伝わり、奇形を引き起こしたり、赤ちゃんの発育を妨げたりするものがあります。妊娠中の薬の服用は、自己判断で行わないようにしましょう。持病や症状により薬の使用が必要な場合は、妊娠の旨を伝えたうえで、医師から処方されたものを服用することが大切です。

参考:
妊娠と薬
男性が服用した薬剤の妊娠・胎児への影響

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ABOUT ME
原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴 2005年 国立大学看護学部卒業 取得資格 看護師、保健師
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