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子宮筋腫とは?原因・症状、治療法について

子宮筋腫とは?原因・症状、治療法について

婦人科の病気の中でも比較的身近な病気である子宮筋腫。子宮筋腫について見聞きしたことのある人でも、具体的にどのような症状があり、どのような検査や治療を受けるのか知らない人もいるのではないでしょうか?

この記事では、子宮筋腫の原因や症状、治療法について解説します。

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子宮筋腫とは?

子宮筋腫とは?

子宮は筋肉で構成されている女性特有の臓器で、子宮筋から生じる腫瘍を子宮筋腫といいます。腫瘍はいわゆる「できもの」のことで、細胞が異常に増えることでできる塊を指します。

子宮筋腫は私たちが思っている以上に身近な婦人科の病気で、30代の女性の20~30%に子宮筋腫がみられます。顕微鏡での確認が必要な小さな子宮筋腫であれば、75%の女性にみられているともいわれています。

子宮筋腫はがんなのか?

子宮筋腫は良性腫瘍であるため、がんではありません。子宮筋腫は子宮の腫瘍というと、がんなのではないか……と心配になる人もいるでしょう。

腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍の2種類があります。良性腫瘍は、他の臓器に広がったり(浸潤といいます)、血液を介して遠くの臓器に転移したりすることはありません。

一方、悪性腫瘍はがんの別名でもあります。
浸潤や転移する性質があり、症状が進行することで臓器に影響を与えたり、命に危険を与える可能性があります。

なお、子宮筋腫のほとんどは良性腫瘍ですが、まれに悪性腫瘍である例もみられます(子宮肉腫といいます)。

子宮筋腫でみられる症状

子宮筋腫でみられる症状

子宮筋腫は、腫瘍が周りの組織を圧迫するようになることで、月経や子宮の周りにある臓器に影響を与えることがあります。子宮筋腫の主な症状には以下のものがあります。

月経時の経血の増加

子宮筋腫ができると、部位によっては内腔が変形して、子宮内膜の表面積が増えることで、月経時の経血量が増えることがあります。ナプキンに血の塊がみられる場合も、経血量が多いサインです。

月経痛やお腹の痛み

子宮筋腫により、子宮の内腔が変形すると、月経時の子宮の収縮が強くなるので、月経痛が強くなることがあります。

経血量の増加にともなう貧血

子宮筋腫により経血量が増えると、貧血の症状がみられることがあります。貧血の症状には、めまい・息切れ・胸がドキドキする・疲れやすいなどの症状がみられます。

腰痛や頻尿

子宮筋腫が大きくなると、周りの臓器や組織が圧迫されるため、腰が痛くなったり、排尿が頻回になったりすることがあります。

そのほかにも、子宮筋腫のできる部位や大きさによっては、不妊症を引き起こしたり、流産しやすくなったりします。

子宮筋腫の中には症状が乏しかったり、あったとしても「月経が重い」と捉えられてしまうことがあります。そのため、婦人科の診察で偶然に発見されるケースも少なくありません。

子宮筋腫の種類について

子宮筋腫の症状は、腫瘍の大きさやできる場所によっても異なります。ここでは、まず子宮筋腫の種類とみられやすい症状についてみていきます

  • 粘膜下筋腫
    子宮の内側にある子宮内膜の下にできる子宮筋腫で、子宮の内腔に向かって大きくなります。小さい筋腫でも月経時の経血量が増える原因になります。
  • 筋層内筋腫
    子宮筋の内部にみられる子宮筋腫で、次第に大きくなります。
  • 漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
    子宮の外側にある子宮漿膜にできる子宮筋腫で、次第に大きくなります。漿膜下筋腫は、腫瘍が大きくなっても症状がみられにくい傾向があります。

子宮筋腫の原因

子宮筋に子宮筋腫ができるメカニズムは明らかになっていません。子宮筋腫は女性ホルモンの分泌が多い30歳から50歳の女性にみられ、閉経後の女性ではみられにくくなる特徴があります。

このことから、子宮筋腫は卵巣から分泌されるホルモンとの関わりがあると考えられます。

子宮筋腫で行われる検査

子宮筋腫で行われる検査

子宮筋腫の検査は婦人科で行われます。具体的な検査には以下のものがあります。

  • 問診
    医師の問診により、子宮筋腫にともなう症状があるかどうかを確認します。
  • 婦人科内診
    専用の内診台に乗り、子宮の大きさや可動性、痛みがあるかどうかを確認します。
  • 超音波検査(エコー検査)
    超音波を当てて、その反響を画像化する検査で、子宮筋腫の性状を調べることができます。子宮筋腫の超音波検査では、お腹に超音波を当てる「経腹超音波検査」と膣の内部から超音波を当てる「啓経腟超音波検査」があります。
  • MRI検査
    強力な磁石でできた筒状の検査機に入って、磁気の力で体の内部を画像化する検査です。子宮筋腫の治療が必要な場合に、さらに詳しく調べるために行われます。
  • 血液検査
    採血をして、体の血液中に含まれている成分の量や濃度を調べる検査です。子宮筋腫の検査では、貧血の有無を調べたり、腫瘍マーカーをチェックしたりします。

    腫瘍マーカーは、がんにより増える特定のたんぱく質のことで、血液検査で調べられます。子宮筋腫では主に子宮がんとの鑑別のために行われます。そのほか、子宮がんの鑑別のために、子宮がん検診を行うこともあります。

子宮筋腫に対する治療

子宮筋腫に対する治療

検査により子宮筋腫が見つかっても、すぐに治療となるわけではありません。子宮筋腫が小さく、特に症状がみられない場合は、治療をせずに経過観察となります。

子宮筋腫による症状があり、生活に支障が出ている場合は、治療の対象となります。子宮筋腫の治療には、以下のものがあります。

薬物療法

子宮筋腫の薬物療法では、対症療法とGnRH療法が行われます。

  • 対症療法
    子宮筋腫の症状を和らげるための治療です。具体的には、強い月経痛には痛み止め、過多月経による貧血には鉄剤や止血剤を使用します。また、人によっては月経時の症状に対して、漢方薬を用いることもあります。
  • GnRH療法
    GnRH作動薬という薬を使用して、女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌を抑えて、筋腫を小さくする治療です。毎日鼻にスプレーする方法と、月に一度皮下注射をする方法があります。

    治療中は月経が止まることがありますが、治療をやめれば再び月経の訪れがあります。エストロゲンの分泌を抑えることで、更年期のような症状が現れたり、骨がもろくなったりすることがあるため、半年間のみ使用します。主に手術前に前治療として行われます。

手術療法

薬物療法で子宮筋腫の症状のコントロールができない場合は、手術療法を行います。手術療法では、子宮筋腫のみを取り出して子宮を残す方法と、子宮ごと筋腫を取り出す方法があります。いずれの手術も卵巣は残すので、ホルモンバランスに影響を与えることはありません。

前者では妊娠できる体を維持できますが、子宮筋腫が再発するリスクがあります。また、後者では再発のリスクはありませんが、妊娠ができなくなります。どちらの手術を選ぶかは、患者さんの年齢や将来の妊娠の希望などに配慮して決定します。

まとめ

子宮筋腫は子宮筋に発生する腫瘍です。腫瘍そのものは良性腫瘍なので、がんのように周りの組織や器官で増殖することはありません。その一方で、子宮筋腫がある部位や大きさによっては、不快な症状を感じることもあるため、日常生活に支障を与えることがあります。

子宮筋腫で治療が必要な場合、症状やライフスタイルに合わせた方法を選択します。子宮筋腫の症状が疑われる方は、医療機関への受診を検討してみましょう。

参考:
日本産科婦人科学会/子宮筋腫
日本医科大学付属病院/子宮筋腫が心配な方

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原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴 2005年 国立大学看護学部卒業 取得資格 看護師、保健師
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