2024.03.31

妊娠

心拍確認はいつできる?心拍確認後の生活や過ごし方について解説

妊娠に気づいたばかりの妊婦さんの中には、おなかの赤ちゃんがきちんと成長しているか気になっている人もいるのではないでしょうか?妊娠初期の赤ちゃんの状態をみる検査に胎児心拍の確認があります。

そこで、赤ちゃんの心拍の確認はいつできるのか、胎児心拍が確認できない原因、胎児心拍を確認した後の過ごし方のポイントについて解説します。

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赤ちゃんの心拍確認とは?検査方法について

赤ちゃんの心拍とは心臓の拍動のことで、胎児心拍ともいいます。胎児心拍を確認することで、赤ちゃんの状態を把握することができます。

検査では、1分あたりの赤ちゃんの心臓の拍動数を確認します。胎児心拍を調べる検査は以下の2つです。

超音波検査

妊婦さんの腹部や膣内に超音波を当てて、その反響を画像化する検査です。通常の妊婦健診では、赤ちゃんの心拍を確認するために超音波検査を行います。

ノンストレステスト

赤ちゃんの心拍と妊婦さんのお腹の張りを分娩監視装置でグラフ化する検査です。「ノンストレステスト」という名前からも分かるように、赤ちゃんにストレスをかけずに検査することができます。

ノンストレステストは、主に切迫早産が疑われる際や出産予定日が近くなった際に行います。検査により、妊婦さんの子宮が収縮しているときの赤ちゃんの心拍の変化を確認することが可能です。

赤ちゃんの心拍の確認はいつできる?

一般的に、最初に胎児心拍を確認するのに行う検査が超音波検査です。超音波検査で赤ちゃんの心拍が確認できるのは妊娠6週頃ですが、早い人では妊娠5週から胎児心拍を確認できます。

検査中にモニター画像を見ると、実際に赤ちゃんの心臓が動いている様子が見られることもあるでしょう。妊娠6週頃に子宮内で胎児心拍を確認できれば、異所性妊娠や流産の確率が低くなります。

胎児心拍は妊娠週数や赤ちゃんの状態によっても異なります。例えば、赤ちゃんが寝ているときは心拍が遅くなり、赤ちゃんが盛んに動いているときは心拍が速くなります。

赤ちゃんの心拍確認できれば安心?

妊娠が分かった後に胎児心拍を確認でき、安心感を抱く妊婦さんも多いでしょう。胎児心拍には正常値があり、120~160bpm(beats per minute)と、大人よりも速めの心拍です。

赤ちゃんによっては心拍が遅かったり、速かったりするなど、次のようなケースが考えられます。

心拍数が遅い(徐脈)

胎児心拍が110bpm未満である状態が続く場合は、妊娠初期の流産が考えられます。また、先天性の心臓の病気や胎盤の機能不全により、胎児心拍が遅くなることがあります。

なお、ノンストレステストではお腹の張りが起きているときに赤ちゃんの心拍が遅くなっている様子が確認できることもあります。これは子宮収縮により赤ちゃんに一時的にストレスがかかっている状態であるため、正常な反応です。

心拍数が早い(頻脈)

胎児心拍が160bpmの状態が続くと頻脈の可能性があります。絨毛膜羊膜炎など子宮内に感染がみられると、赤ちゃんの心拍が速くなることがあります。

一方で、赤ちゃんが盛んに動くことにより、胎児心拍が一時的に速くなるのは正常なことです。

心拍が安定しない

赤ちゃんの心拍が急に速くなる・遅くなるなど、胎児心拍が安定しない場合は、赤ちゃんや胎盤の健康状態に問題が起きている可能性が考えられます。出産前に胎児心拍が不安定であるときは、帝王切開など緊急処置が必要になることがあります。

赤ちゃんの心拍を確認できないとき

妊娠6週以降になっても、超音波検査で胎児心拍を確認できないことがあります。赤ちゃんの心拍がみられないときに考えられる可能性は以下です。

排卵期のずれ

胎児心拍を確認できるのは、妊娠5~6週頃です。妊娠週数は最終月経日から計算しますが、たまたま排卵期が遅くなると、その分妊娠が成立した時期に遅れが生じます。

計算上の妊娠週数と実際の妊娠週数にずれが生じるため、妊娠6週頃の超音波検査で胎児心拍を確認することができません。この時期に赤ちゃんの心拍を確認できない場合は、1~2週間後に再度超音波検査を行って、胎児心拍があるかどうかを確認します

流産の可能性

流産では赤ちゃんの心拍が停止するため、超音波検査にて胎児心拍を確認することができません。

特に、赤ちゃんが子宮内で亡くなることを稽留流産(けいりゅうりゅうざん)といいます。稽留流産では出血や腹痛などの流産の症状がなく、妊婦さんにとっても非常にショックな出来事です。

超音波検査でも赤ちゃんの基である胎嚢(たいのう)がモニター画像に映りますが、胎児心拍は聞こえません。妊娠初期の流産は、染色体異常など赤ちゃん側の原因であることがほとんどです。

赤ちゃんの心拍確認後の過ごし方

妊婦健診で胎児心拍を確認したら、妊婦さん自身と赤ちゃんに配慮した生活を送るようにしましょう。赤ちゃんの心拍確認後の生活は以下です。

母子手帳をもらう

赤ちゃんの心拍を確認したら、市役所で母子手帳をもらいましょう。一般的に、産科で妊娠の診断を受ければ、母子手帳をもらえますが、多くの妊婦さんは妊娠6~10週頃にもらうことが多くなります。

地域によっては、定期的に受ける必要がある妊婦健診の助成券が母子手帳に、同封されています。

出産予定の産院を決める

妊娠5~6週になって赤ちゃんの心拍を確認し、さらに妊娠8週を迎えると、分娩予定日を知ることができます。妊娠8週になると、赤ちゃんの頭からお尻までの長さである「頭殿長」が14㎜以上になり、より正確な分娩予定日を把握できるためです。

胎児心拍を確認してから分娩予定日が決まったら、具体的にどこで出産するのか決定していくとよいでしょう。里帰り出産を希望している人では、事前に受診が必要になることがあります。

出血やお腹の痛みがみられたら受診する

妊娠5~6週頃に赤ちゃんの心拍を確認できても、妊娠生活は始まったばかりです。出産を安全に迎えるためには、健康的な生活を送らなければなりません。

妊娠が分かったら、お酒やタバコをやめるようにしましょう。また、妊娠週数に応じた体重増加ができるように適切な体重を保つように心がけることが大切です。

とはいえ、妊娠後の胎児心拍を確認できても、早産や流産のリスクはつきものです。出血や腹痛がみられたときは、速やかに医療機関を受診する必要があります。

まとめ

おなかの赤ちゃんの心拍数が確認できるのは、妊娠5~6週頃です。胎児心拍を確認できると、妊娠の継続率がぐんと高くなります。

しかし、妊婦さんによっては生理周期のズレや流産により、この時期に赤ちゃんの心拍が確認できないことがあります。妊娠5~6週に胎児心拍が確認できなかった場合は改めて検査を受けなければなりません。

また、赤ちゃんの心拍を確認できた場合には、母子手帳をもらう・産院の検討を始めるなどの準備を始めましょう。

参考:
日本産婦人科医会/稽留流産の診断

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原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴:2005年 国立大学看護学部卒業。取得資格:看護師、保健師。

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