全ての妊婦さんの安心のために。
もっと安全な出生前診断を。
妊娠

妊娠中のめまいの原因と対処法

妊娠中には様々な体調の変化がおこります。めまいは妊婦さんの身体的症状の1つであり、妊娠期間のどの時期にも起こりうる症状です。めまいがおこると、立ち上がったり歩いたりすることが難しく日常生活に支障がおきる場合もあります。今回は、めまいの原因と対処法について詳しく説明していきます。

めまいとは

めまいとは、自分自身や周囲は動いていないのに、揺れているような感覚になったり平衡感覚を失ったような違和感を感じたりする症状のことをいいます。めまいには以下の種類があります。

回転性のめまい

目が回ったり天井が回ったりする感覚のあるめまいで、身体のバランスを保つ平衡感覚の機能に異常をきたすことによって引き起こされます。めまいだけではなく吐き気や頭痛などの症状も同時に出現することがあります。耳や脳の疾患が原因であることがほとんどです。

浮動性のもの

車酔いのようで、身体がふわふわと浮いていたり揺れていたりする感覚のめまいが浮動性のめまいです。回転性のめまいと同様に吐き気など気分不良の症状が同時に出現することがあります。脳の疾患や高血圧、心因性などが原因でおこります。

失神性のもの

目の前が暗くなる感覚でいわゆる立ちくらみと呼ばれるものです。起立性低血圧や不整脈、貧血などが原因でおこります。妊娠中におこるめまいはこの失神性のものが多いです。

妊娠中のめまいの原因

ホルモンバランスの変化によるもの

妊娠をするとさまざまな女性ホルモンの分泌量に変化がおこります。妊娠初期にはhCGが分泌され始めて妊娠10週頃にピークを迎えたり、エストロゲンやプロゲステロンなども分泌が増加していきます。妊娠に関連するホルモンは、お腹の中の赤ちゃんを守り成長を促し出産へ向けて準備を進めていく役割を果たしています。しかし、このホルモンの急激な増減が自律神経のバランスを乱しめまいの症状を引き起こします。

脱水

つわりの症状や時期は人それぞれですが、早い人で妊娠4週頃から食欲がなくなったり吐き気がしたりするなどの症状が現れて、妊娠8~10週頃に症状のピークを迎え安定期を迎えるころに徐々に落ち着いていきます。中には妊娠期間中ずっとつわりの症状に悩まされる人もいます

つわりの症状により思うように食事や水分を摂取できなかったり嘔吐してしまうことによって脱水になることがあります。それでなくとも妊娠中は必要な血液の量が増えたり、ホルモンの影響により血管が拡張するため脱水になりやすいです。脱水が原因となってめまいや頭痛などの症状が起こります。

起立性低血圧によるもの

立ち上がった瞬間などに目の前が真っ暗になったり血の気がひく感覚がするのが起立性低血圧、いわゆる立ちくらみです。妊娠中は、ホルモンの影響により血管が拡張されるため血圧が下がりやすく、特に妊娠初期には起立性低血圧が起こりやすくなります。

鉄欠乏性貧血によるもの

妊娠中は胎盤を通して胎児へ栄養を送るので必要となる血液が増えます。しかし、血液の中の赤血球の数は増えずに血しょうという水成分が増えるので相対的に血液が薄い状態になります。赤血球を構成するヘモグロビンを増やすためには、鉄分が必要となるため必然的に鉄分が不足しがちで鉄欠乏性貧血になる方が多くなります。

妊娠中のめまいの対処法

つわりの時には食べられるときに食べられるものを摂取する

妊娠中は栄養バランスのよい食事をとるように言われますが、つわりがひどく思うように口にできないときには、食事の時間や栄養バランスを考える必要はありません。食べられるときに食べられるものを口にしましょう。脱水を予防することが大切ですので、水分は意識的にとるようにしましょう。一気に水分を摂取すると嘔吐を誘発しやすいので、少しずつこまめに水分摂取をするとよいでしょう。水分も十分に摂取できないときには、病院で主治医へ相談すれば点滴をしてもらうことも可能です。脱水はひどくなると、手足のしびれや筋力の低下を招いたり、意識障害をおこしたりする可能性もあります。つわりは我慢していればよくなるものではないので、嘔吐が激しすぎるときや水分が十分に口から摂取できないときにははやめに受診をするようにしましょう。体重が減りすぎてしまうときには入院が必要となることもあります。

つわりが落ち着いた後も、妊娠中は脱水になりやすいのでこまめに水分摂取をしていきましょう。

起き上がるときにはゆっくりと起き上がることを意識しましょう

寝ている体勢から起き上がるときや、座っている体勢から立ち上がるときに立ちくらみが起きやすいです。立ちくらみが起きてしまうと、ふらつくだけではなく転倒の危険もあり、赤ちゃんに負担がかかってしまう恐れがあります。体勢を変えるときにはゆっくりとした動作を心がけましょう。寝ている体勢から立ち上がるときには、一度座って身体を慣らしてから立ち上がるようにしましょう。

妊娠する前には当たり前にできていたことが、妊娠後に同じような行動をするとめまいが起きてしまうことがあります。お腹に赤ちゃんがいるので、どのような行動も慎重に行うのがよいでしょう。

貧血のときには鉄剤を飲みましょう

妊娠中は貧血になりやすいため、鉄分を多く含む食材を摂取するように本などには書いてあります。しかし、鉄分が多く含まれると紹介されているレバーや野菜などをたくさん摂取したとしても体に吸収される鉄分はわずかです。また、つわりなどで思うように食事がとれないときに、無理に鉄分が多く含まれる食材を食べようとするとかえって嘔吐を誘発してしまったりストレスになったりしてしまいます。

妊婦検診で貧血を指摘されたときには、病院で鉄剤を処方してもらい飲むようにしましょう。お母さんが貧血になっているときには、胎児も貧血の状態となってしまうため鉄分不足はなるべく早く補う必要があります。鉄分を含むサプリメントもありますが、過剰摂取になる恐れもありますので病院できちんと処方してもらうのがよいでしょう。

実際にめまいがおきた時には

実際にめまいがおきたときには、安静になることが大切です。無理に動くと転倒の危険がありますし、赤ちゃんにも危険がおよびます。普段の生活から水分をしっかりと摂り、十分に休息し、食べられるようであればバランスの良い食事をとることを心がけましょう。

あまりにめまいがひどい場合や、ひどい頭痛や耳鳴りが伴う場合、動悸や息切れが伴う場合には上記以外の疾患が原因である可能性がありますので、はやめに医療機関を受診することをおすすめします。

まとめ

妊娠中は、さまざまな原因によりめまいが起こりやすくなります。お腹が大きくなるとただでさえ、バランスがとりにくくなる上にめまいが起こると転倒のリスクが高まります。お腹の中の赤ちゃんを守るためにも、ゆっくりとした動作を心がけたり、水分をこまめに摂取して脱水を予防したり、鉄剤を飲んで貧血改善に努めたりとご自身でできることを実践していきましょう。特につわりに関連する脱水は自分では解決できないこともありますので、無理をせずに主治医へ相談することも大切です。無理のない範囲で、十分な睡眠や休息と質のよい食事、こまめな水分摂取を心がけることでめまいを改善することができます。妊娠前とは違う体であることを自覚して、お腹の赤ちゃんを1番に考えて過ごすことが大切です。

ABOUT ME
大河友美
国立大学医学部保健学看護科卒業後、大学病院で6年看護師として勤務。 その後、国立大学医学部保健学大学院へ進学し修士号取得。 現在は、子育てをしながら医療ライター・監修者として活動中。 学歴 平成21年 国立大学医学部保健学看護科 卒業 平成28年 国立大学医学部保健学大学院 卒業 取得資格 看護師国家資格 保健師国家資格