2022.09.30

出生前診断

NIPTを受検する動機について

妊娠中に受けることのできる検査の1つに新型出生前診断(NIPT)があり、染色体異常をはじめとした判定が可能です。NIPTを受検するかどうか、陰性以外の結果が出たらどうすればよいのかなど、NIPTに関する心配や不安、悩みは人それぞれです。

今回は、どのような人がNIPTを受検しているか、また受検動機やきっかけ、NIPTそのものに関する意見など、NIPTを受けた方々の実際の声も踏まえながら現状を紹介します。

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NIPTとは?

NIPTはNoninvasive prenatal genetic testingの略で、「新型出生前診断」と呼ばれています。

NIPTは出生前診断の1つで、妊婦の血液中にある微量の胎児DNAを検査し、胎児の染色体異常などを調べることができます。 なお、DNA先端医療株式会社では、13トリソミー(パトー症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、21トリソミー(ダウン症候群)、性染色体異常、全染色体異常、微小欠失などの検査が可能です。

NIPTはどのような人が受検している?受検の動き

出生前診断は非確定的検査と確定的検査に分けることができます。確定的検査(絨毛検査や羊水検査)は、流産のリスクがありますが、NIPTは採血のみで検査することができます。母体や胎児に影響が少ないことからも、近年NIPTの認定施設数、検査数ともに右肩あがりで増加しています。

2013年〜2019年までの実施データによると、NIPTを受検した平均年齢は38.4歳、妊娠週数は13.1週でした(※①)。

NIPTを受検する動機やきっかけとは?

日本産科婦人科学会の報告によると、NIPTの受検理由は高年妊娠が最も多く、94.3%でした。次に多い受検理由が出産既往で1.9%、超音波マーカーや母体血清マーカー、染色体転座などの理由が続きました(※①)。

NIPTを受検する動機やきっかけは人それぞれですが、この結果から分かるように、高年妊娠が受検理由の大部分を占めていることが分かります。 平成28年の厚生労働省「人口動態統計」によると、第1子出生時の母の平均年齢が30.7歳となっています。昭和50年の平均年齢は25.7歳でした。

近年晩婚化や女性の社会進出など、様々な背景や個人の価値観の変化などもあり、出産年齢は上昇傾向にあります。 現在、日本産婦人科学会は初産婦では35歳以上を「高年初産婦」と定義しています。令和元年(2019年)時点において、35歳以上の出産はおおよそ29%というデータもあり、3~4人に1人は高齢出産である現在において、高年妊娠を理由にNIPTを受検する方が多いというのは納得できますね。

NIPT受検や情報提供、条件や制限に関する意見など

現在NIPTを受検することについては様々な議論があり、考え方も人それぞれです。

まずはNIPTを受検して感じたこと(自身の気持ち)のアンケート内容を紹介します。

NIPTを受検して感じたこと(自身の気持ち)

①positiveな感情

  • 受検してよかった/結果が陰性で安心した
  • (妊娠)継続する場合にも心の準備や産後の動きなど勉強しておく事ができるのでよい
  • 妊娠中ずっと不安な気持ちでいるよりは結果が分かったほうがよい
  • 受検をきっかけに夫婦で話し合うことができた/絆が深まった

②negativeな感情

  • 安易に受けるべきではないと思った
  • 罪悪感を覚えた/感じている
  • 陽性だったら悩み苦しんだと思う

negativeな感情の「罪悪感を覚えた/感じている」の具体的な声は、以下のようなものがありました。

  • 今でも「受けてよかったのか」と自問する
  • 「検査を受けた時点で命の選別をしてしまったのではないか」と思う。生まれて来た子を見たとき、ふと陽性だったらこの子を生んで無かったかもしれないと罪の意識を感じることがある
  • 染色体異常を持つ子供の存在を自分は認めないのかという罪悪感を抱くようになった
  • 検査を受けること自体が良かったのか未だに分からない
  • 夫と揉めた(※①より引用)

NIPTを受検して感じたこと、受検後の心境は様々であり、positive・negativeな感情の両方の意見がありました。受検結果にかかわらず、NIPT受検に関する気持ちや考え方は人それぞれであることが分かります。

NIPTに関する情報提供・周知の方法の見直し、改善について

NIPTに関する情報は「自分で調べるしかなかった」との記載が多く、妊婦健診施設において適切な情報を提供してほしい、(リスクの有無にかかわらず)妊婦全員に情報提供するべき、もっと早く知りたかったなどの声がありました。 その他検査対象疾患、検査へのアクセス、サポート体制、検査費用、などについての多くの意見がありました。

検査対象の条件や制限について

「NIPTには国や学会による一定の制限が必要である」については、意見の幅が大きく、肯定的意見が26.7%、どちらでもないが39.2%、否定的意見が34.1%と、様々な考えを持つことが分かりました。

検査対象の条件について、「年齢を制限しないでほしい」「希望したら誰でも受検できるようにしてほしい(そうあるべき)」「妊婦健診に組み込むべき, 全員が受検するようにしたらよい」「手軽に/気軽に受検できるようになるとよい」という意見がありました。

一方で「安易に受検すべきでない」という声もあり、妊婦の意向は一様ではなく、検査のあり方を検討する必要性があることが分かります(※①)。

現在NIPTの対象者は、35歳以上の妊婦や、出生前診断で胎児の染色体異常の可能性が示唆されるなどした妊婦に限られています。しかし現在は様々な議論がされていることや背景などから、年齢制限を条件付きで撤廃する指針が国や学会などによる運営委員会から示されており、変更の可能性もあります。

なお、当社のNIPTに年齢制限はなく、35歳未満の方でも安心して受検可能です。全国のNIPT提供医療機関で検査を受けることができ、認定遺伝カウンセラーの無料相談を受けることができます。

NIPTに関しては、様々な疑問や不安があるものです。NIPTに関する最新の知識を習得したカウンセラーから、来院前や検査結果の質問など、ご自身のタイミングで質問を解消することができます。

NIPTを受検する動機やきっかけのまとめ

今回の記事では、NIPTについて受検している人、受検の動きや動機やきっかけについての具体的な説明、情報提供、条件や制限に関する意見などについて紹介しました。

NIPTは採血のみで検査できる非確定的検査で、母体や胎児に影響が少ないことからも、近年NIPTの検査数は右肩あがりで増加しています。

NIPTを受検する動機やきっかけは人それぞれですが、日本産科婦人科学会の報告によると、NIPTの受検理由は高年妊娠が最も多い結果となりました。現在3~4人に1人は35歳以上の出産であるといわれており、高年妊娠のNIPTの受検に関しての関心はますます高くなっていると言えます。

NIPT受検に関しては、受検する・しないに関してはもちろん、受検した後の選択についても、多くの人が疑問や不安を抱えているという現状が明らかになりました。

【参考文献】
日本産科婦人科学会 – NIPT受検者のアンケート調査の結果について

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平野香菜子
内科、精神科にて看護業務に従事経験を持つ看護師・保健師のライター。2020年には、食事や運動をはじめとした生活習慣改善のための保健指導などを行う企業保健師としても活動中。 略歴:2016年 美容系専門学校講師、2017年 大学教員(助手)、2018年 看護師、2020年 企業保健師。取得資格:看護師、保健師。

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