2022.02.21
妊娠
妊娠中の女性の中には、逆子(骨盤位)と指摘された人もいるのではないでしょうか?おなかの赤ちゃんの位置が逆子(骨盤位)であると、どのようなリスクがあるのか気になりますよね。この記事では、逆子(骨盤位)の定義やリスク、逆子(骨盤位)に対して行われる矯正方法について紹介します。
妊娠中、おなかの赤ちゃんの向きは頭が下にある状態の「頭位(とうい)」であるのが正常です。おなかの赤ちゃんの頭が上になることがあり、「逆子(さかご)」といいます。逆子は医学用語で「骨盤位」ともいいます。
妊娠中のおなかの赤ちゃんの半分は逆子(骨盤位)の状態ですが、妊娠30週頃までには自然に頭が下になることがほとんどです。その一方で、全体の分娩のうち4~5%程度は、逆子(骨盤位)の状態のままになります。
おなかの赤ちゃんの位置が逆子(骨盤位)でも、条件によっては経腟分娩が可能なこともありますが、頭から出る頭位分娩に比べて、リスクが高い特徴があります。
足側が下になる逆子(骨盤位)は、赤ちゃんの姿勢によって以下の種類があります。
妊娠中におなかの赤ちゃんが逆子(骨盤位)でも、自然に正しい位置に戻ることがあります。しかしながら、妊娠35週を過ぎるとその可能性は低くなり、逆子(骨盤位)のままでお産を迎える確率が高くなります。逆子(骨盤位)の状態で分娩になると、以下のようなリスクがあります。
妊娠後期の逆子(骨盤位)の経腟分娩はさまざまなリスクがあるため、多くの医療機関では帝王切開を行っています。逆子(骨盤位)で経腟分娩を予定していたケースでも、お産の進行が順調でなかったり、赤ちゃんに負担が生じたりすることで、緊急で帝王切開で行われることもあります。
帝王切開は、産科手術の中でも多く行われており、手術そのものに大きな危険はありません。しかしながら、帝王切開にも一定の割合で以下のような合併症が起こります。
≪帝王切開の合併症リスク≫
出血・腸管損傷・腸閉塞・術後感染症・肺塞栓症など
上記の合併症のほかにも、おなかにメスを入れるときに傷跡が残ったり、次回の妊娠も帝王切開で行う可能性が高くなったりします。
逆子(骨盤位)のお産は、経腟分娩の方が帝王切開よりも赤ちゃんへのリスクが高くなります。医療機関の中には逆子(骨盤位)の経腟分娩に対応しているところもありますが、条件を設けていることがほとんどです。
医療機関によっても異なりますが、経腟分娩の条件は以下のような例があります。
妊娠後期におなかの赤ちゃんが逆子(骨盤位)の状態であると、帝王切開による分娩になることがほとんどです。しかしながら、逆子(骨盤位)が矯正されてより安全に経腟分娩になれるように、おなかの赤ちゃんの位置を矯正する外回転術を行っている医療機関もあります。
超音波検査でおなかの赤ちゃんの向きや姿勢を確認しながら、妊婦さんの体の外から頭やお尻をとらえて回転させる方法です。施術は医師が担当しますが、成功率は40~60%といわれています。
外回転術にともない、赤ちゃんのへその緒が引っ張られたり、胎盤が圧迫されたりするリスクもあり、施術後に赤ちゃんの具合が悪くなることもあります。赤ちゃんの状態によっては、緊急で帝王切開が必要になることもあり、その割合は2~4%といわれています。
以上のように外回転術には危険性もあるので、妊娠35週頃から入院した上で施術を行います。緊急手術を行える体制が必要であるため、外回転術に対応している医療機関は限られています。
逆子(骨盤位)を矯正するセルフケアとしてよく知られるのが逆子体操です。逆子体操では以下のポジションを取ります。
逆子体操は昔から行われていますが、体操を行ったことで逆子(骨盤位)が改善する確率が上がるわけではないことが分かっています。
おなかの赤ちゃんの位置が逆子(骨盤位)で悩んでいる妊婦さんの中には、逆子体操をしている人も多いので、ストレッチをやるつもりで取り組んでみるのもよいかもしれません。
逆子(骨盤位)はおなかの赤ちゃんの頭が下ではなく上にある状態をいいます。妊娠中に逆子(骨盤位)は自然に治ることがほとんどですが、中にはそのままお産を迎えることもあります。逆子(骨盤位)での経腟分娩はリスクが高いため、帝王切開が行われることがほとんどです。
医療機関の中には、外回転術という逆子(骨盤位)の矯正施術を行っていることもあります。効果やリスクを十分に理解した上で、検討してみるのもよいでしょう。
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