2024.03.31

妊娠

排卵日前後に起こりがちな体調不良の症状と対策

排卵日に強い眠気を感じることはありませんか?生理前だけではなく、排卵日前後にも眠いと感じる女性は多くいますが、原因や対策を知りたいですよね。

そこで、排卵日に眠気を感じる原因や対策について解説します。排卵日前後に眠くなって困っている人はぜひ参考にしてみてください。

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排卵日はいつ?眠気がみられやすくなる理由

排卵とは、成熟した卵子が卵巣から排出される現象です。生理後はエストロゲン(卵胞ホルモン)の作用により、卵巣内で卵子を包む卵胞が育っていきます。

生理周期の半ば頃になると、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増え、卵巣から卵子が飛び出てきます。排卵後に卵子と精子が出合うと受精となります。

排卵日前後はホルモンバランスやそれにともなう自律神経の乱れなどにより、一時的な体の不調が現れやすくなります。排卵日に感じやすい不調の中には眠気やだるさもあり、睡眠薬を服用したときと同程度の眠気がみられるともいわれています。

排卵日に眠気が強くなる原因

排卵日に眠く感じるのはいくつかの原因があります。ここでは、排卵日の眠気の原因についてみていきましょう。

ホルモンバランスの変化

排卵日になると、妊娠の準備のためにプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が増える。

排卵により黄体ホルモンの分泌量が増えると、日中の眠気を引き起こしたりします。これは、体内で黄体ホルモンが分解されると、眠気を引き起こす物質が発生するためです。

自律神経の乱れ

排卵日は女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌が一時的に下がり、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の分泌が増えていきます。排卵日によるホルモン分泌の変化により、自律神経のバランスが乱れると、夜間の睡眠に影響を与えます。

自律神経の乱れにより、夜の睡眠が浅くなると、熟眠感を得られにくくなるため、日中に強い眠気を感じるようになります。

一時的に体温が低くなる

排卵直後は体温が低くなるため、睡眠が浅くなることがあります。通常、体が睡眠体勢に入るためには、体の内部の体温である深部体温が低下する必要があります。

体温が低い状態は体にとって休息状態であるため、いつもよりも眠気を感じやすくなります。

メラトニンの分泌が増加

排卵日前後は、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌が増えます。メラトニンが体内時計に働きかけることで、覚醒から睡眠へ切り替える役割があります。

また、あまり知られていませんが、メラトニンには抗酸化作用があり、活性酸素から体を守る働きがあります。排卵日には卵子を守るためにメラトニンの分泌量が2~3倍にも増えるため、普段よりも眠気を感じやすくなります。

排卵日に眠くなるのは受精のサイン?

妊活中の人の中には、「排卵日に強い眠気があるのは受精のサインなのでは……」と考える人もいるでしょう。卵子の寿命は24時間程度であり、排卵日から1日までは受精のチャンスとなります。

しかし、この時期に卵子と精子が出合って受精となっても、すぐに妊娠となるわけではありません。妊娠が成立するには、受精卵が1週間ほどかけて卵巣から子宮内へ移動し、子宮内膜に根を下ろしたときになります。

妊婦さんによっては、受精卵の着床時期である妊娠超初期に強い眠気を感じる人もいるでしょう。ただ、もともと排卵前後は普段よりも眠気を感じることが多い時期です。

排卵日の眠気は受精のサインとして判断するのは適していません。妊娠しているかどうかは、妊娠検査薬で確認するようにしましょう。生理周期が整っている人であれば、次回の生理予定日の1週間後から妊娠検査薬でチェックができます。

排卵日前後の眠気を乗り切る対策

排卵日前後の強い眠気で悩んでいる人もいるでしょう。排卵日の眠気を悩んでいる人は、入眠しやすくしたり、睡眠の質を高めたりすることで、対策を取ることができます。

体を温める

排卵日に眠いと感じるときは、体を温めるように心がけましょう。体が睡眠状態になるには、深部体温が低くなる必要があります。寝る1時間前くらいにお風呂に入った後は温まった体温が低くなるため、眠りに入りやすくなります。

お風呂のお湯の温度が高すぎると、交感神経が優位になり、体が入眠体勢に入りにくくなります。排卵日前に限らず、スムーズな寝入りを助けます。

リラックスする

睡眠の質を高めるためには、心身のリラックスを図ることも大切です。体や心が緊張していると交感神経が優位になるため、睡眠の質が低減する原因になります。

寝る前にお風呂に入るのに加えて、アロマを焚いたり、リラクゼーション音楽を聴いてみたりするのもおすすめです。

ただ、ストレス発散のためにと寝る前に激しい運動をすると、交感神経を優位にするため、寝つきが悪くなることがあります。寝る前のリラックス目的の運動であれば、ストレッチやヨガなど激しい動きの少ない運動を取り入れるようにするとよいでしょう。

寝る前のカフェインを避ける

排卵日前後に睡眠の質が低下すると、日中に強い眠気を感じやすくなるため、しっかり眠れるように工夫することが大切です。睡眠の質を高めるには、寝る前のカフェインを控えるようにしましょう。

カフェインの効果は4時間ほど持続し、8時間後に効果が半減します。就寝時間にもよりますが、夕方以降はカフェイン入りの飲み物を取らないようにするのがおすすめです。寝る前の飲み物でリラックスしたい人は、温めた牛乳やハーブティーを飲むのもおすすめです。

睡眠前のスクリーンを避ける

一日の終わりに、スマホやパソコンでSNSや動画などの画面を閲覧する人は多いものです。スマホやパソコンの画面からはブルーライトが発せられており、脳を覚醒させる原因となります。

寝入りを良くするには、脳を刺激しすぎないことが大切です。寝る直前にスマホやパソコンを見過ぎると、寝つきが悪くなりかねません。また、夜なかなか寝付けないと、トータルの睡眠時間の減少や睡眠リズムの乱れを引き起こす結果にもなります。

排卵日以外の普段の生活でも言えることですが、寝る直前にスマホやパソコンを見ないように心がけましょう。

排卵日にみられるその他の症状

個人差がありますが、排卵日には、眠気以外にもさまざまな症状がみられます。排卵日の特有の症状となるのが、排卵痛や排卵出血、おりものの変化です。

排卵時は卵子を包む卵胞が破ける際に、血液や卵胞液が流れ出て、腹膜を刺激して痛みを感じます。排卵出血はごく少量であるため、数日で治まります。自分の生理周期から排卵日を想定しておくと、不正出血と見分けがつきやすくなります。

また、排卵日には女性ホルモンや自律神経に乱れが起こりやすくなるため、以下のような症状がみられやすくなります。

  • 眠気やだるさ
  • むくみや冷え
  • イライラ感や気分の変化
  • 胸の張り
  • 肌荒れや便秘

まとめ

排卵日前後は、妊娠の準備に向けてプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌の増加や自律神経の乱れ、一時的な体温の低下により、眠りが浅くなります。

排卵日の眠気は睡眠薬を飲んだ状態と同程度とも呼ばれており、当日の生活に影響を与えることがあります。毎月の排卵日前後に強い眠りを感じる人は、日常生活の中で睡眠の質を高めることが対策になります。

記事内で紹介した対策を参考に、日々の睡眠を改善して排卵日の眠気を乗り越えていきましょう。

参考:
女の子のからだについて
卵子の質をあげるために、メラトニンを分泌させよう

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原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴:2005年 国立大学看護学部卒業。取得資格:看護師、保健師。

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