2023.11.09

妊娠

妊娠8週目の赤ちゃんの状態や症状―必要な手続きについても解説

妊娠8週目の赤ちゃんの状態や症状―必要な手続きについても解説

妊娠8週目は妊娠3ヵ月に入る時期です。これから妊娠8週目に入る妊婦さんの中には、赤ちゃんの様子や自分に起こる体の変化について気になっている人もいるのではないでしょうか。

そこで、妊娠8週目の特徴や赤ちゃんの状態、妊婦さんにみられる症状について解説します。過ごし方のポイントや注意点についても紹介しているので、参考にしてみてください。

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妊娠8週目とはどんな状態?

妊娠8週目は、妊娠3ヵ月目に入る時期です。つわりがピークへ向かっていくため、妊婦さんは体の不調を強く感じやすい時期です。

一方、赤ちゃんはまが玉のような形から、ヒトの形へ変化を遂げていきます。主要な器官も完成に近づき、ぐんぐん成長していきます。この時期にはまだ胎盤が完成していないので、赤ちゃんは絨毛から酸素や栄養を受け取ります。

妊娠8週目の赤ちゃんの状態

妊娠7週までは、おなかの赤ちゃんは小さな塊のように見えますが、妊娠8週になると、頭部と胴体に手足がついているのが見えます。この時期の赤ちゃんは「胎芽」と呼ばれる終盤の時期で、エコー写真では小さなぬいぐるみのように見えるでしょう。

妊娠8週目になると、心臓・肺・肝臓・腎臓などの主要な器官が完成していき、目・鼻・口などの感覚器官や、手足の指など体の細部も作られるようになります。

赤ちゃんの心拍は、妊娠5~6週のエコー検査で聞こえますが、妊娠8週目になると、実際に心臓が動いている様子が見られるようになります。

妊娠8週目のママの状態

妊娠前は鶏卵大のサイズだった子宮は、妊娠8週目になると大人の握りこぶしほどの大きさになります。妊婦さんのおなかの外見は変わりがありませんが、触ってみるとふっくらした感触を感じることもあるでしょう。

妊娠8週目はつわりのピークの時期ではありませんが、以前よりも症状を強く感じる人もいるでしょう。つわりの現れ方は個人差があるので、症状がほとんどない人もいれば、吐き気や嘔吐がひどい人もいます。

妊娠8週目のママにみられる症状

妊娠8週目になると、妊婦さんには以下のような症状がみられます。なお、各症状の現れ方には個人差があるので、特定の症状がみられなくても異常ではありません。

つわり

妊娠8週目は、つわりの症状が強くなっていく時期です。つわりががひどい人は、赤ちゃんの栄養は気にしすぎずに、自分が食べられるものを口にしましょう。

つわり中に食べやすい物は個人差がありますが、さっぱりした物や冷たい物は食べやすい傾向があります。色々なつわり対策を試してみて、自分に合った方法を見つけてみましょう。

トータルの食事量を確保するためには、小分けにして少しずつ食べることもおすすめです。

腹痛

妊娠8週目には、おなかにチクチクとした痛みを感じることがあります。この時期は、子宮の大きさの変化にともなって、筋肉が少しずつ引き伸ばされるためです。

腰痛

妊娠2~3ヵ月は、出産に向けてリラキシンというホルモンが分泌されます。リラキシンは、出産に備えて靭帯をゆるめる作用があります。骨盤のズレが生じることで、腰痛を感じることがあります。

また、リラキシンには骨盤の中の血液をためる作用もあるので、腰が重たく感じる人もいます。

便秘

妊娠中はプロゲステロンの分泌レベルが維持されます。プロゲステロンには腸の動きを緩やかにする作用があるため、便秘気味になる妊婦さんもいます。

上記の他にも、妊娠8週目には、体のだるさや眠気など妊娠初期の症状が引き続きみられます。

妊娠8週目の過ごし方のポイント

妊娠8週目は、自分と赤ちゃんの健康に配慮することが大切ですが、妊娠にまつわる手続きが必要になります。今後の妊娠の経過にも関連するので、体調と相談しながら、漏れなく手続きをおこないましょう。

母子健康手帳の交付を受ける

妊娠8週目には、正常な妊娠かどうかを確定することが多くなります。産婦人科の医師の指示を受けたら、自治体に妊娠届を提出しましょう。役所で妊娠届を提出すると、母子健康手帳を受けることができます。

母子健康手帳は妊娠から出産、赤ちゃんの成長を記録するためのものです。妊娠中のアドバイスや注意点も記載されているので、一通り読むと役に立つでしょう。

出産後も母子健康手帳には、赤ちゃんの成長や発育、予防接種の記録をしていくので、これから長く使うことになります。お気に入りのカバーを使うなどして、大切に扱いましょう。

妊婦健診の受診票をもらう

自治体に妊娠届をすると、母子手帳と一緒に妊婦健診の受診票をもらうことができます。妊婦健診受診票は、妊婦さんの金銭的な負担に配慮したものです。

妊娠自体は病気ではないので、妊婦健診は自費になりますが、受診票を使うことで、妊婦健診14回分を無料で受けられます。

妊婦健診の助成は自治体によって異なり、地域によっては、受診票の交付ではなく費用の補助を行っているところもあります。妊娠届をするときに、自治体にどのような補助を受けられるか確認してみましょう。

妊娠8週目の生活で気をつけること

妊娠8週目は、医師から妊娠の診断を受けてから間もない時期ですが、つわりが強くなってくる時期です。この時期は、以下のことに気を付けて生活を送りましょう。

つわりに対する対策

個人差がありますが、つわりが始まると、少しずつ症状が強くみられるようになります。つわりのある妊婦さんの中には、水分が取れなかったり、体重が減少したりしてしまう人もいます(妊娠悪阻)。

妊娠悪阻の疑いがある人は、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。

便秘対策をする

妊娠8週目は便秘がみられやすくなります。特に、つわりにより十分な食事や水分が取れていないと、便秘がひどくなる原因になります。

妊娠中の便秘対策として、食物繊維の豊富な食事や十分な水分摂取、適度に運動をすることは、便秘の改善に役立ちます。セルフケアをしても排便がスムーズにいかない人は、かかりつけの産婦人科医に相談しましょう。

酸化マグネシウムなど、妊娠中でも服用できる緩下剤があります。

妊娠8週目は旅行を控えた方がいい

妊娠8週目は妊娠初期にあたる時期であり、安定期に入っているわけではありません。妊娠初期の流産の原因の多くは、赤ちゃんの遺伝子の異常など赤ちゃん側の問題であることが多くなりますが、旅行は控えることをおすすめします。

帰省などでどうしても遠出の必要があるときは、かかりつけの産婦人科医に相談してみましょう。

まとめ

妊娠8週目は、妊婦さんの外見に大きな変化がありませんが、腹痛や腰痛、つわりなどの症状を感じる妊婦さんもいます。

また、おなかの赤ちゃんの体は、人の形に近づいて、主要な器官も完成していく一方で、体の細部の形成が始まります。

妊娠8週頃には手続きのために自治体に行く必要があります。無理をせずに体調を気遣いながら過ごすようにしましょう。

参考:
正常所見8-10週
自分に合ったつわり軽減方法が、きっとある!

ABOUT ME

原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴:2005年 国立大学看護学部卒業。取得資格:看護師、保健師。

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