2024.07.01
妊娠
赤ちゃんの性別が男の子か女の子かは、妊娠中に気になることの1つではないでしょうか?また妊娠中に周囲の人間から「男の子ですか?女の子ですか?」と性別を聞かれることも多いかと思います。
今回の記事は、そんな赤ちゃんの性別に関するお話です。赤ちゃんの性別の決定時期や判定方法、誤判定の可能性や、性別を妊娠中に知りたくない場合の病院への伝え方などについて紹介します。
赤ちゃんの性別が決まるのは、実は精子と卵子が出会い、受精したときです。受精した段階で、男の子になるか女の子になるか、性別は既に決定しています。
ヒトの身体は常染色体が44本と、性別を決定する性染色体2本の合計46本でできています。性別を決定する性染色体には「X染色体」と「Y染色体」の2種類があります。「XY」の組み合わせで男性、「XX」の組み合わせで女性となります。
受精では、両親の染色体を1つずつ受け継ぎます。母親の卵子の染色体は「XX」のため、母親からはX染色体を受け継ぎます。
父親の精子の染色体は「XY」で、X染色体とY染色体のどちらかを受け継ぐ可能性があります。
父親からY染色体を受け継いだ場合「XY」の組み合わせで男性に、父親からX染色体を受け継いだ場合、「XX」の組み合わせで女性と性別が決定します。
妊娠中に行う性別の判定方法は、主に妊婦健康診査で超音波検査のエコーを確認し、外性器の形で判定します。
また実は男の子と女の子によって、性別が判明する時期に違いがあります。
超音波検査のエコーで両足の間あたりに外性器(ピーナッツのような形の突起物)が確認できた場合、男の子と判定されます。赤ちゃんの姿勢にもよりますが、時期は妊娠14~15週ごろ(妊娠4ヶ月ごろ)に確認される場合が多いようです。
超音波検査のエコーで外性器に割れ目が確認できた場合、女の子と判定されます。男の子と比較して女の子は外性器の形が分かりづらく、また姿勢によって見えづらいこともあります。男の子に見られる突起物が見えないから、おそらく女の子の可能性が高いだろうと予想することもあります。
エコーで鮮明に女の子と分かるのは妊娠17~18週ごろ(妊娠5ヶ月ごろ)が多いようです。
超音波検査のエコーの技術は昔と比べて格段に進化しており、病院によっては3Dや4Dエコー検査など、立体的に確認できるものもあります。
妊娠週数が早い場合、確認が難しいことから性別が間違っている可能性はありますが、妊娠15週から18週ごろ(5~6ヶ月ごろ)になるとはっきりと確認できるため、性別の判定が間違っている「誤判定」の可能性は極めて低くなります。
ただし赤ちゃんの姿勢や位置、またへその緒が邪魔になり、やはり見えづらいこともあります。誤判定の可能性は極めて低いものの「100%性別判定は正しい」とは言えないのが現状です。
「事前に赤ちゃんの性別を知っておきたい」「とにかく早く赤ちゃんの性別を知りたい」という方から、「生まれるまで赤ちゃんの性別を楽しみにしていたい」「性別が男の子か女の子か、どちらだろうというドキドキを出産まで待ちたい」など、性別を出産前に知りたいか、知りたくないかは人それぞれですね。
性別を知る・知らないについての病院への伝え方や、一般的に言われている出産前に赤ちゃんの性別を把握しておくメリット・デメリットを紹介します。
一般的に妊婦健康診査で赤ちゃんの性別を教えてもらえるというイメージがありがちですが、実は性別を告知しないという方針の病院もあります。
性別を告知しないという方針の病院の大きな理由は「赤ちゃんの性別によって産む、産まないという命の選別をするリスクにつなげないため」です。
事前に赤ちゃんの性別を知りたい方もいれば、生まれるまでは知りたくないという方もいらっしゃるかと思います。
病院や医師によっては、悪気なくうっかり診察中に「男の子ですね」「女の子ですね」と性別を伝えてくれる場合もあります。もし生まれるまで性別を知りたくない場合は「性別は生まれてから知りたいので、妊婦健診では教えないでください」などと妊婦健康診査前に事前に伝えておきましょう。
事前に男の子か女の子かという性別を知ったほうがいいか、生まれてから知ったほうがいいか迷っている方は、出産前に赤ちゃんの性別を把握するメリット・デメリットを確認し、ご自身に合ったほうを選択しましょう。
出産前におなかの赤ちゃんの性別を知ることは、メリットとデメリットがあります。
出産前に赤ちゃんの性別を知るメリットは以下です。
出産後に必要とされるおむつや洋服をはじめとしたベビーグッズを妊娠中から計画的に準備される方も多いでしょう。特に洋服にこだわりたい、我が子に似合う色やデザインの洋服を選びたいという場合、性別は重要な情報の一つです。妊娠中から性別を把握しておくことで、ベビーグッズ選びの参考にすることができます。
妊娠中に性別が分かっていると、名前をつける際の参考にすることができます。妊娠中から名前が決定していると、お腹の中の赤ちゃんに、考えた名前で早くから声掛けをすることもできますね。
出産前に赤ちゃんの性別を知ることはデメリットもあります。具体的なデメリットは以下です。
赤ちゃんが生まれるまで「男の子かな」「女の子かな」と想像しながら考えを膨らませる期間を長く持ちたい方は、早くから性別を把握しておくのはデメリットになります。
超音波検査のエコーの技術は格段に進歩しており、誤判定の可能性は昔と比べて格段に低くなっているものの、妊娠中に伝えられた性別は100%ではなく、誤判定の可能性もわずかながら存在します。
まれにですが「男の子だと思って名前を考えていたのに女の子だった」「女の子だと思っていて、着せたい洋服をたくさん購入していた」といった場合、誤判定の可能性によって再度名前を考えたり、ベビーグッズの購入を検討したりといった手間が増えます。
妊娠中に、おなかの赤ちゃんにまつわる性別にはさまざまなジンクスがあります。
妊婦さんのお腹の出方と性別に関するジンクスが世界各国でみられます。一般に、妊娠中におなかが前に出ていると男の子、おなかが横に広がっていると女の子といわれることが多いようです。
妊婦さんのお腹の出方と赤ちゃんの性別は医学的根拠があるわけではありません。しかし、お腹の出方を元に、赤ちゃんが男の子か女の子か予想をされる場面が多くあります。
妊婦さんのつわりの程度と赤ちゃんの性別に関するジンクスでは、つわりがひどいと男の子、つわりが軽いと女の子といわれることが多いようです。つわりは、妊娠によるホルモンバランスの影響だけでなく、ストレスや社会的な環境も影響しているといわれています。
また、つわりのジンクスとは反対に、女の子を妊娠していると、つわりがひどくなりやすいという報告があります。つわりのメカニズムは明らかになっていないものの、女の子の妊娠はリスク因子として考えられています。
おなかの赤ちゃんの性別に関するジンクスには、妊婦さんの表情に関するものもあります。一般に、妊婦さんの顔つきが強ばっていれば男の子、妊婦さんの顔つきが柔らかければ女の子といわれることが多いようです。
妊婦さんの表情と赤ちゃんの性別についても、医学的根拠がありません。つわりや体調不良で表情に余裕がなくなっている妊婦さんもいるでしょう。
これまで見てきたように、妊娠中の赤ちゃんの性別に関するジンクスでは、医学的根拠がないものがほとんどです。おなかの赤ちゃんの性別は、2分の1の確率で当たるので、ジンクスの性別と実際の赤ちゃんの性別が合っていた時に、内容が一人歩きしてしまったと考えられます。
妊婦さんやその家族の中には、なるべく早めに赤ちゃんの性別を知りたいと考える人もいるでしょう。近年、妊娠初期に赤ちゃんの性別を知る方法として、「ベビーナブ」がSNS上で話題になっています。
ここでは、ベビーナブの定義や性別の知り方について説明します。
ベビーナブとは、「赤ちゃんの突起」を指す言葉です。ベビーナブでは、妊娠10~13週頃の赤ちゃんのおしりの部分の突起の向きによって、赤ちゃんの性別を予測します。ベビーナブによる赤ちゃんの性別の判断方法は以下です。
妊娠中の早い段階で性別を予測できるとして、SNSを中心にベビーナブが注目されています。日本では、妊娠中期のエコー検査で、男性器の有無により赤ちゃんの性別を判断します。
日本では。ベビーナブによる妊娠の判定は日本産婦人科学会で認められた方法ではりません。また、ベビーナブはあくまで赤ちゃんの性別のみを予測するだけのものであるため、母子の健康状態まで把握できるものではありません。
産婦人科医師にとっても、妊娠初期の性別判定は必須事項ではないため、多くの医療機関ではベビーナブによる性別判定を行っていないのが現状です。現時点では、ベビーナブを参考に赤ちゃんの性別を予測するには、妊婦さん自身が行うことになります。
ベビーナブでおなかの赤ちゃんの性別を予測するには、赤ちゃんの背骨がはっきり見える超音波画像を用意する必要があります。特に、医師は超音波の画像をリアルタイムの動画を観察し、調べたい箇所の自動計測が可能です。
一方、妊婦さんがベビーナブを見るにはエコーの画像写真となることがほとんどです。また、妊婦さんの多くは医学的な知識や経験がなければ、どこが赤ちゃんの突起なのか分かりにくいものです。
妊婦さんが背骨の突起と考えていても、実は赤ちゃんのへその緒や足であることもあるでしょう。赤ちゃんのエコー写真を元に、自己流でベビーナブの確認を試みることもできますが過信しすぎないようにしましょう。
ベビーナブと同じように、SNS上で話題になっているのが「ジェンダーリビール」です。ジェンダーリビールとは、赤ちゃんの性別(Gender)を明らかにする(Reveal)お披露目パーティーです。
海外の妊婦さんのイベントといえば、出産が近づいた妊婦さんやカップルが安産を願って行う「ベビーシャワー」が有名です。アメリカでは、お腹の赤ちゃんの性別が判明する妊娠5~6ヵ月頃にジェンダーリビールを行い、妊娠7~8ヵ月にベビーシャワーをする家庭が多いようです。
ジェンダーリビールはおなかの赤ちゃんの性別を公表するためのパーティーですが、事前に赤ちゃんの性別を知っている人は主催者によっても異なります。
実際に赤ちゃんの性別を知らせる方法は、次のようなユニークな方法で行われます。
ジェンダーリビールのパーティーでは、男の子は水色など青系の色、女の子にはピンクなど赤系の色が用いられることが多くなります。近年はジェンダーレスが意識されていますが、ジェンダーリビールを開催するときは、性別をイメージしやすい色を使うのがよいでしょう。
ジェンダーリビールで赤ちゃんの性別を公表するのであれば、誰にサプライズをするか明確にしましょう。特に、妊婦さんも赤ちゃんの性別を把握していない場合、当日までに答えが知られることのないように配慮する必要があります。
妊婦さんは妊婦健診に通っているため、医師から赤ちゃんの性別の予測を聞かさられることもあるでしょう。ジェンダーリビールを開催する予定のある人や出産時に赤ちゃんの性別を知りたい人は、事前にその旨について医師に伝えておくようにしましょう。
赤ちゃんの性別を知るのには、超音波検査で外性器の確認が容易なる妊娠5~6ヵ月頃まで待つ必要があります。赤ちゃんの性別を早めに知りたい人は、NIPT(新型出生前診断)もあります。
NIPT(新型出生前診断)は、妊婦さんの血液中に含まれている赤ちゃんのDNAの断片を調べる検査です。本来は、染色体異常の有無の可能性を調べる検査ですが、赤ちゃんの性別を知ることもできます。
DNA先端医療株式会社のNIPTでは、妊娠6週から性別判定ができます。
性別が早めに知りたい方はお気軽にご相談ください。
今回の記事では、赤ちゃんの性別について、決定する時期や判明する時期、性別の判定方法や誤判定の可能性、性別を出産前に知っておくことについて紹介しました。
赤ちゃんの性別が決定するのは受精のときで、「XY」の組み合わせで男性に、「XX」の組み合わせで女性と性別が決定します。
性別は主に妊婦健康診査の超音波検査のエコーで確認することができ、男の子の場合妊娠14~15週ごろ(妊娠4ヶ月ごろ)、女の子の場合妊娠17~18週ごろ(妊娠5ヶ月ごろ)に確認されることが多いです。
医療技術の進歩により、性別の誤判定はかなり少なくなっているものの、100%正確とは言い切れないのが現状です。出産前に性別を知るメリット、デメリットはいろいろあります。出産前に性別を把握しておきたくない場合は、妊婦健康診査などで事前にその旨を病院に伝えておきましょう。
※引用・参考文献
東邦大学 性決定のしくみ(sex determination)
Severity of nausea and vomiting in singleton and twin pregnancies in relation to fetal sex: the Japan Environment and Children’s Study (JECS)
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