2025.01.21
妊娠
臨月に入った妊婦さんのなかには「お腹が下がったと」感じている人もいるのではないでしょうか?出産前になぜお腹が下がるのか気になりますよね。また妊婦さんのなかには、出産が近づいているのにお腹が下りている実感がなく、焦っている人もいるかもしれません。
この記事では、臨月にお腹が下がる理由やみられる症状、お腹が下がったときの過ごし方について解説します。
臨月になると、赤ちゃんが出産に備えて骨盤の方に下りてきます。赤ちゃんが生まれるには、陣痛が始まり赤ちゃんが産道を通り娩出される必要があります。お産前に赤ちゃんが降りてきてお腹が下がっているのは、いよいよ出産が近づいているサインともいえるでしょう。
出産が近づき、赤ちゃんが下腹部に下がってくると、体の変化を感じる妊婦さんも多くいます。具体的には次のような症状がみられます。
臨月になりお腹が下がってくると、胃の圧迫感がなくなります。妊娠8か月以降は、大きくなった赤ちゃんが胃を押し上げたりするため、食事のつかえや胃酸の逆流を感じる妊婦さんも多くいます。しかし出産が近づき、赤ちゃんがお腹の下を降りてくることで、胃への圧迫がなくなり楽に感じるようになります。
出産予定日が近づいて赤ちゃんが下がると、膀胱が圧迫されることがあります。普段よりも尿が近くなり、夜間の排尿が頻繁になります。また、くしゃみやお腹に力を入れたときに、尿漏れを起こす妊婦さんもいます。
大きくなった赤ちゃんが、下腹部に下がるとさらに腸が圧迫されるようになり、便秘や下痢がみられることもあります。ただ、妊娠中はホルモンバランスの変化や赤ちゃんによる腸の圧迫などにより、すでに便秘や下痢の人もいます。赤ちゃんの下降による症状なのか分かりにくい特徴があります。
臨月になり赤ちゃんが十分に成長すると、子宮内が狭くなるため、胎動が少なくなります。赤ちゃんが下の方に降りると、骨盤内に頭が固定されやすくなるため、さらに胎動を感じにくくなります。
ただ臨月でも、胎動が完全になくなることはありません。胎動を全く感じられないときは、赤ちゃんに何か起こっている可能性もあるため、早めにかかりつけ医に連絡しましょう。
赤ちゃんが骨盤内に下りてくると、ホルモンの作用で骨盤が広がります。腰やももの付け根の筋肉にゆるみが生じることで、痛みを感じることがあります。
臨月にお腹が下がるときの間隔や症状は、妊婦さんによってもさまざまです。ここでは先輩ママの体験談を紹介します。
「妊娠後期はお腹が胃を圧迫しているようで、十分な食事が取れませんでした。出産予定日の1週間ほど前に、お腹が下がり、普段通りに食べられるようになりました。(36歳/女性)」
「2人の子どもを出産しましたが、弟の妊娠時はお兄ちゃんのときよりも、お腹の下がりがあいまいでした。」(27歳/女性)
「同じ時期に出産した友達は、臨月にお腹が下がった感覚があったようですが、私は感じることができませんでした。」(32歳/女性)
妊婦さんが「お腹の赤ちゃんが下がってきている」と感じるのは、妊娠36週頃からです。赤ちゃんが下りてから出産が始まるまでの期間は個人差があります。臨月に赤ちゃんの下降を感じたら、出産が近づいていると考えてよいでしょう。
そのほかにも、出産が近づいている兆候には次のものがあります。
おしるしとは、子宮の入り口が開くときに生じる少量の出血のことです。妊婦さんによっては、血液が混じったピンク色のおりものがみられることがあります。おしるしがみられたら、出産のために入院が近づいているサインです。入院時に必要な用品の最終確認をしましょう。
陣痛とは、赤ちゃんを押し出すために起こる規則的な子宮収縮です。陣痛が起こると、お腹や腰に痛みがみられるようになります。陣痛のパターンはいくつかありますが、次の陣痛までの間隔が不規則であったのが、次第に規則的になっていきます。
陣痛の間隔が10分おきと規則的になったら、出産入院のタイミングです。どのタイミングで入院するかは医療機関によっても異なることがあるため、陣痛がみられたらまずは医療機関に連絡しましょう。
破水とは、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れて、羊水が体外へ流出することです。子宮の入り口近くで卵膜が破れれば、ドラマや映画のように、羊水が勢いよく流れます。一方、子宮の上側部分で卵膜が破れると、羊水はチョロチョロと流れます。
破水がみられたときは、陣痛の有無にかかわらず入院する必要があります。破水後は子宮の入り口から雑菌が侵入して、感染を起こしやすい状態です。シャワーや入浴は控えナプキンを当てて、すみやかに医療機関に向かいましょう。
妊婦さんのなかには、「臨月に赤ちゃんが下りてこない…」とあせっている人もいるでしょう。妊婦さんのなかには、お産前に赤ちゃんの下降を感じなかった人もおり、大きく心配する必要はありません。
臨月に赤ちゃんが下りてきたら、出産に備えて以下のことを行いましょう。
臨月には、ウォーキングなど軽めの運動をしましょう。お産に向けた体力づくりをするのなら、階段上りも適しています。ただ、妊娠中は転倒に注意しなければいけないので、下りはエスカレーターを使用し、無理のない範囲で行うのがおすすめです。
お産前のスクワットは、赤ちゃんが骨盤内に降りやすくする効果が期待できます。手すりのある場所で安全に配慮して行ってみましょう。
臨月にお腹が下がると、「出産が近づいている」と緊張してしまう妊婦さんも少なくありません。お産に対する心配や不安が強くなると、体も緊張状態になります。出産に備えて、リラックスするように心がけましょう。
妊婦さんがリラックスするための方法には、好きな音楽を聴いたり、心を穏やかにするアロマをかいだりするのもよいでしょう。呼吸法を意識して行うと、リラックス効果が高まります。また、お風呂で体を温めたり、ベッドに入って体を休めたりするのもおすすめです。
臨月になり、お腹が下がってきたら遠方への外出を控えるようにしましょう。この時期はお産がいつ訪れてもおかしくありません。外出先で破水が起こるなど、急な変化であわてないためにも、行動範囲を広げすぎないことが大切です。
臨月になると、「お腹が下がった」と感じる妊婦さんが多くいます。出産に備えて、赤ちゃんが骨盤の方へ下降するため、妊娠後期にみられていた胃の圧迫感が軽減し、食事を取りやすくなります。一方、赤ちゃんの下降により、膀胱や腸が圧迫されるようになるため、頻尿や尿漏れ、便秘や下痢がみられるようになり、妊婦さんによっては下腹部や腰に痛みを感じることがあります。
臨月に赤ちゃんが下りてくるのは、お産が近づいているサインです。おしるしや陣痛の開始など、出産兆候の有無に気を配りながら、リラックスして過ごすようにしましょう。
参考:
第1章 妊娠中の過ごし方
お産が近づいたサインと始まったサイン
赤ちゃんからの“産まれる準備を始めるよ”サイン
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