2023.08.25
妊娠
妊婦さんやこれから妊娠を計画している女性の中には、葉酸摂取を心がけている人も多いのではないでしょうか?食品やサプリメントから葉酸を取ることで、摂りすぎにならないか気になりますよね。
この記事では、葉酸の摂取目安量や過剰摂取による副作用について解説しています。妊娠中の葉酸摂取について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
葉酸は、ビタミンB群の一種でビタミンBやビタミンMとも呼ばれます。体内では補酵素として働き、DNAやRNAの合成、アミノ酸の代謝やたんぱく質の合成など、細胞の増殖に関わっています。
葉酸摂取を意識して行いたいのが妊娠中です。特に、妊娠初期に葉酸が不足すると、おなかの赤ちゃんが二分脊椎などの神経管閉鎖障害になる危険性があります(神経管閉鎖障害の原因には他にもあるので、葉酸の摂取によりリスクがなくなるわけではありません)。
その他にも、妊娠中の葉酸の摂取は、早産や低出生体重児の予防につながるといわれています。
特に妊娠初期は、おなかの赤ちゃんの細胞増殖が盛んに行われています。神経管の形成時期は妊娠6週頃に完了しますが、生理の遅れや妊娠検査薬の使用などで、妊娠に気づく時期でもあることが多いです。
妊娠中を通して葉酸の摂取は必要ですが、最も肝心な時期である妊娠初期の葉酸が不足してしまうこともあります。おなかの赤ちゃんの神経管閉鎖障害を予防するために葉酸を摂取するのなら、妊娠1ヵ月前から行うのがおすすめです。
葉酸は妊婦さんだけでなく、すべての人が健康維持するために必要な栄養素です。一日あたりの葉酸摂取量の目安は以下です。
葉酸はその名前から、植物性食品だけに含まれていると思われがちですが、動物性食品にも豊富に含まれています。主な食品の葉酸含有量は以下になります。
≪葉酸が豊富な植物性食品≫
など
≪葉酸が豊富な動物性食品≫
など
葉酸は水溶性ビタミンなので、茹でる調理で栄養素が失われやすい特徴があります。例えば、ブロッコリーは茹でることで60%ほど、ほうれん草は40%ほどまで、葉酸の量が減ります。
野菜類から葉酸を摂取するときは、そのまま生で食べたり、ゆで汁も使用するとよいでしょう。
食品から摂取した葉酸は、複数のグルタミン酸が結合した「ポリグルタミン酸型」として摂取されますが、「モノグルタミン酸型」に分解されて、小腸から吸収されます。
一方、サプリメントや加工食品に含まれている葉酸は、「モノグルタミン酸型」の葉酸です。一般的に、「ポリグルタミン酸型」の葉酸は体内での利用効率が低く、「モノグルタミン酸型」の半分程度といわれています。
前述したように、妊娠初期から葉酸摂取が重要となるので、妊娠前からサプリメントによる葉酸摂取がすすめられています。
特に、食品のみから葉酸摂取をする場合、体内での利用効率を考慮すると、400μgの2倍である800μgの葉酸摂取が追加で必要です。
1日に800μgの葉酸は、3度の食事に野菜の小鉢を取り、1日1回納豆1パックと果物、鶏レバーの焼き鳥1本程度が目安になります。
葉酸は毎日摂取する必要があるので、食品だけで十分な量を摂取しない人は、サプリメントの利用が適しています。
サプリメントによる葉酸摂取をしている方の中には、葉酸の摂りすぎにつながらないか心配になっている方もいるかもしれません。葉酸そのものに毒性はなく、水溶性ビタミンであるため、過剰摂取した場合は尿として体の外へ排出されます。
ただし、サプリメントから葉酸摂取する場合は、1日の摂取量に配慮する必要があります。サプリメントの葉酸は吸収率が高いので、容易に過剰摂取につながる恐れがあるためです。
海外の研究の中には、妊婦さんの葉酸の過剰摂取により、子どものアレルギーや喘鳴(ぜいぜいとする呼吸)の関連が指摘する報告もあれば、葉酸の過剰摂取による影響はかなり少ないとする報告もあります。
日本では葉酸の1日の摂取量が1000μgを上限として設定されています。妊娠中などで葉酸サプリを摂取する場合は、上限値を超えないように注意しましょう。
葉酸は妊婦さんだけでなく、健康を維持するためにすべての人にとって必要な栄養素です。
葉酸の摂取が不足するとDNAの合成が上手く行かなくなるため、「巨赤芽球性貧血」を引き起こします。「巨赤芽球性貧血」は、未熟な赤血球(巨赤芽球)が増えることで起こります、
妊娠中に起こりやすい貧血には鉄欠乏性貧血もありますが、お饅頭に例えると、巨赤芽球性貧血は皮が不足しており、鉄欠乏性貧血はあんこが足りないイメージなります。
妊娠をきっかけに葉酸摂取を取る場合は、次のことに気を付けましょう。
妊娠初期の葉酸摂取は、一足遅れがちです。妊娠を希望している場合、妊娠1ヵ月前から葉酸サプリの摂取をしましょう。葉酸は細胞の増殖に関わっており、子どもから大人まで必要な栄養素です。
妊婦さん向けの葉酸サプリには種類があり、サプリメントの1日量で妊娠中に必要な葉酸が摂取できるものもあります。外食が多いなど、食事が不規則になりがちな方は、葉酸サプリで必要な量が取れるでしょう。
一方、野菜や果物を多く食べる方の場合、葉酸サプリを使うと葉酸摂取が過剰になることがあります。サプリメントは食品からの不足分を補うものとして、自分なりに量を調節するのをおすすめです。
サプリメントは医薬品ではないため、飲む時間が決まっていません。しかしながら、葉酸は水溶性ビタミンなので、過剰に摂取した分は体外に排出されます。
サプリメントから葉酸摂取する場合は、食事後など1日のうちに分けて飲むようにしましょう。
葉酸はビタミンB群の一種で、補酵素として細胞の増殖に関わる栄養素です。妊娠初期に葉酸が不足すると、神経管障害のリスクを高めるため、サプリメントによる葉酸の摂取を追加することが勧められています。
葉酸は水溶性ビタミンであるため、摂取量が増えすぎても体外へ排出されますが、サプリメントから葉酸を摂取する場合は、過剰摂取につながりやすいです。葉酸の過剰摂取は、子どものアレルギーリスクとの関連も指摘されているので、1日の上限量を守るようにしましょう。
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詳しくは、下記URLの弊社HPを参考にしていただければ幸いです。
参考:
葉酸とサプリメント‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果
葉酸
【NST 栄養ひろば】「栄養に関する情報提供」
妊娠期の葉酸サプリメント摂取が子どものアレルギーに与える影響
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