2022.11.29
妊娠
「お腹で赤ちゃんが動いている?」「これが胎動かな?」と妊娠中に赤ちゃんの反応を確認できる胎動。
妊娠時期による胎動の違いや胎動を感じる位置、いつもと違う、胎動が異常な場合についても紹介します。
妊娠中、赤ちゃんがお母さんのお腹の中で動くことを「胎動」といいます。手足をバタバタと動かすなどの、赤ちゃんの動き自体は妊娠7〜8週頃と言われていますが、実際にお母さんが赤ちゃんの胎動を確認できる時期は妊娠20週ごろからと言われています(※①)。
個人差はあるものの、胎動は下腹部(おへそ〜骨盤にかけて)から感じることが多いようです。はじめの頃は赤ちゃん自体の動きが強くないため感じないこともありますが、妊娠週数が経過するにつれて、胎動を感じる面積も大きくなり、おなか全体で感じるようになります。
「今赤ちゃんがお腹を蹴ったかな?」「なんだかゆっくりしている」など、毎日色々な感じ方をする胎動。赤ちゃんはお腹の中でどのような動きをしているのでしょうか?胎動の種類を紹介します。
赤ちゃんが手足の曲げ伸ばしやキックをすると、胎動を感じることがあります。赤ちゃんがキックをしたら、「キック」と言いながら蹴られた部分を軽く触るキックゲームという遊びもあります。
赤ちゃんはお母さんのお腹の中で回転したり、身体の向きを変える回旋をしています。サイズにゆとりのある妊娠中期頃までは回転と回旋が頻繁にありますが、妊娠後期になり赤ちゃんの身体が大きくなってくると、上下の回転は減り、身体の向きを左右に変える回旋が多くなります。
実は赤ちゃんもしゃっくりのような動きをすると言われており、妊娠20週頃から確認できる場合があります。
赤ちゃんのしゃっくりを胎動として感じることもありますが、頻度には個人差があります。
赤ちゃんの動きは、妊娠週数によって変化するため、胎動の感じ方には違いがあります。妊娠週数ごとの、胎動の変化を紹介します。
妊娠初期は妊娠から13週6日(〜4ヶ月)までを指します。赤ちゃんが手足をバタバタ動かし始めるのは妊娠7〜8週頃ですが、赤ちゃんのサイズ自体が小さいことや、動きも小さいため、妊娠初期は胎動を感じない方が多いようです。
一般的に、皮下脂肪が少ない人や羊水が少なめな人は、胎動を感じやすい場合がありますが、感じ方には個人差があります。
妊娠中期は妊娠から14週0日〜27週6日(5〜7ヶ月)を指します。妊娠20週頃から胎動を感じ始める方が多いですが、胎動を感じる間隔は不規則で、また赤ちゃんの力も弱いため、感じないときも多いようです。
20週半ばを過ぎると、ほとんどの方が胎動を感じるようになります。赤ちゃんは20-40分で寝たり起きたりするようになるため、寝ているときには感じにくいと言われています(※①)。
皮下脂肪の少ないお母さんは、皮膚越しに赤ちゃんの手足が見えることもあります。
妊娠後期は28週0日(8ヶ月〜生まれるまで)を指します。妊娠後期は赤ちゃんの身体が大きくなるため、妊娠中期と比べて大きな動きや上下の回転は減少します。
妊娠10か月を過ぎると、赤ちゃんの胎動が少なくなると感じるお母さんが多くなります。胎動が少なくなる、減ったと感じる理由は、赤ちゃんが成長するにつれ、頭が骨盤の中に固定され、大きな動きがとりにくくなるからです(※①)。
急に胎動を感じなくなった、胎動が減った気がする、胎動が激しすぎるかも、など胎動は赤ちゃんの動きやサインであるからこそ、不安も大きいです。異常のない胎動や、注意したほうが良い胎動について紹介します。
胎動があまりに激しすぎる、強すぎる、胎動が頻回に起こることで不安になるお母さんも多いかと思います。
実は胎動が激しいということは問題がなく、胎児が元気な証と言われています。胎児に何か問題があるときは胎動が減少するため、胎動が激しすぎる場合、問題ではありません(※①)。
ただし、胎動が激しすぎて気持ちが悪いと感じる場合は医師に相談をおすすめします。特に妊娠週数が経過し赤ちゃんが成長すると、赤ちゃんの胎動の激しさや、子宮の成長につれてお母さんの身体の胃や腸などの臓器が圧迫され、気持ち悪さを感じる場合があります。
気持ち悪さを感じる場合は、食事の摂取をこまめに分け、一度に摂取する量を減らすことでよくなる場合があります。また痛いところを優しくさすることで、痛みが減少することもあります。あまりにも症状が続く、つらい場合は医師に相談し、指示を仰ぎましょう。
胎動が少ない、感じなくなったときは注意が必要です。
赤ちゃんは30~60分間隔で睡眠と覚醒を行っていると言われています。1時間以上胎動が確認できない場合、赤ちゃんに異常がある可能性があります。
1時間以上胎動が確認できない場合は、お腹を優しく叩いて赤ちゃんを起こしてみましょう。赤ちゃんが眠っているだけであれば、刺激で目覚め、胎動を返してくれることもあります。
胎動が1時間以上経過しても確認できない等の場合、赤ちゃんにへその緒が巻き付くことで正常に酸素が送られなくなる低酸素状態などが考えられます。
また妊娠10か月を過ぎると赤ちゃんが大きくなり、胎動が少なくなるとお伝えしましたが、完全に胎動がなくなるわけではありません。
妊娠30週以降であれば、胎児の心拍数を40分ぐらい記録するNST(ノンストレステスト)を施行することで元気かどうかを確認することができます(※①)。
病院受診を迷ってしまう気持ちはわかりますが、赤ちゃんの無事を確認するためにも、明らかにいつもと違う場合や、1時間以上たっても胎動を感じることができない場合、すぐにかかりつけの産婦人科に連絡をしましょう。
赤ちゃんの胎動を確認する方法の1つに、胎動カウントがあります。
胎動カウントの例:お母さんが1日1回静かに横になるか座るかの状態で、胎児がはっきりと10回動くのに何分かかるか(目安としては30分以内)を測定する(※②)。
胎動カウントはこれまで様々な研究や議論がありますが、あまり難しく考えず、毎日の習慣や赤ちゃんとのコミュニケーションとして実践してみると良いでしょう。
今回の記事では、胎動について、種類や妊娠週数による感じ方の違い、異常な胎動などについて紹介しました。
妊娠中、赤ちゃんがお母さんのお腹の中で動くことを「胎動」といいます。赤ちゃんの動き自体は妊娠7〜8週頃からエコーなどで確認できますが、実際にお母さんが赤ちゃんの胎動を確認できるのは妊娠20週頃からが多いと言われています。
妊娠週数が経過するにつれて胎動も強く、激しくなりますが、妊娠10か月を過ぎると、赤ちゃんの頭が骨盤に固定され、大きな動きがとりにくくなるため、胎動を少なく感じることがあります。
激しい胎動の場合問題はありませんが、1時間以上胎動が確認できない、明らかにいつもより胎動が少ない、様子が違う等の場合は、かかりつけの産婦人科の指示を仰ぎましょう。
【参考文献】
①公益社団法人日本産婦人科医会 胎動が多いか少ないかわからないです
②NPO法人 SIDS家族の会 病気について
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