2025.04.10
妊娠
妊婦さんのなかには、風邪を引いてしまい、症状や治し方について気になっている人もいるのではないでしょうか?妊娠中に風邪をひいたとき、おなかの赤ちゃんに影響がないのか、お薬を飲んでもいいのか気になりますよね。
この記事では妊娠中に風邪を引いたときの症状や注意点、治し方について解説します。妊娠と風邪に関連した内容も紹介しているので、妊活中の人も参考にしてみてください。
妊娠中の風邪の症状は、妊娠していないときの症状のものと特に変わりありません。一般的には次の症状がみられます。
上記の症状は、風邪ウイルスに対抗するため、体の免疫が機能しているために起こります。
妊娠中に風邪をひいても、胎児に大きな影響はありません。妊婦さんが風邪を引いたとき、おなかの赤ちゃんに影響がないか気になる人もいるでしょう。
ただ喘息持ちの妊婦さんの場合、風邪をきっかけに咳が長引くことがあります。妊婦さんの咳込みが続くと、子宮が刺激されておなかが張ることがあります。
妊娠中の風邪の症状は、妊娠超初期症状のこともあります。妊娠超初期症状は医学用語ではありませんが、妊娠4週前の超初期にみられやすい症状を指します。
具体的な症状には、熱っぽさ、倦怠感や吐き気といったものがあります。妊娠が成立すると、ホルモンバランスの変化によって体調が変化するためです。
妊娠超初期には、風邪のような症状がみられることから、風邪を勘違いしてしまい、妊娠と気づかないこともあります。妊娠初期に風邪とよく似た症状がみられるときは、鼻水や咳、のどの痛みなど他の風邪の症状がないかどうか確認してみましょう。
健康な女性であれば、風邪は自身の免疫力により治すことができます。妊婦さんのなかには、風邪になったら医療機関を受診すると考えている人もいるでしょう。
妊娠中に風邪になったときも、すぐに薬を飲んだり、病院に行かなければいけないということはありません。健康な人であれば風邪をひいても、数日から1週間で自然に治ることがほとんどです。この期間は、栄養と水分をしっかり取り、十分な休息と睡眠時間を確保するようにしましょう。
風邪の症状が重いときは、がまんせずに医療機関を受診するのがおすすめです。風邪を引いている妊婦さんのなかには、高熱が続いたり、十分な水分補給ができなかったりする人もいます。
医療機関を受診するときは、産婦人科に行くようにしましょう。風邪の受診には内科へ行く人が多いものの、産科医の方が妊婦さんの適切な薬についてよく知っているものです。
近くに産科医のいる医療機関がないときは、かかりつけの内科医へ行くのもよいでしょう。内科医を受診するときは、自分が妊娠中であることをきちんと伝えることが大切です。
「風邪を引くときは薬で治している」という人は多くいます。風邪薬は熱や鼻水、のどの痛みといった症状を和らげる効果があるもので、風邪そのものを治すわけではありません。
風邪の症状は、ウイルスに対抗するために、体の免疫機能が働いている証拠です。そのため、安易に薬を飲んでしまうと、かえって風邪の治りが遅くなることもあります。
とくに妊娠中に飲む薬は、血液を介して赤ちゃんにも届くため、健康に影響を与えるおそれがあります。妊娠中に風邪薬を飲むときは、成分に注意する必要があります。鎮痛解熱剤のなかでもアセトアミノフェンは、子どもにも用いられる薬であり、妊娠中の風邪に対して処方されることがあります。
妊娠中に飲む風邪薬は妊娠時期や薬の種類によっても異なります。妊婦さんのなかには、妊娠と気づかずにうっかり風邪薬を飲んでしまったという人もいるかもしれません。
妊娠4週前であれば、薬を飲んでしまっても、赤ちゃんの健康状態に大きな影響を受けません。この時期は、受精から着床が行われており、赤ちゃんの器官の形成が行われていないためです。
妊娠中に薬を飲むときに注意したいのが、妊娠4週~15週です。赤ちゃんの体の器官が作られている時期であり、薬の成分が赤ちゃんの体に影響を与えるリスクがあります。
ただ、この期間に薬を飲んだとしても、必ず悪い影響がでるわけではありません。風邪薬の服用等で赤ちゃんの健康状態が気になる妊婦さんは、かかりつけの産科医に相談してみましょう。
妊娠16週以降になり安定期に入ると、赤ちゃんの器官形成も終わっているため、薬の影響を受けることはほとんどありません。とはいえ薬の成分は、胎盤を通じて赤ちゃんに届くため、かかりつけ医から処方された薬を飲むことが大切です。
妊娠と風邪にまつわることについて、いくつかの疑問がある人もいるでしょう。ここでは、妊娠と風邪に関する質問と回答を紹介します。
「風邪を引くと妊娠しやすい」という医学的根拠はありません。妊娠と風邪の関係についていわれるのは、「免疫寛容」が関係しているようです。受精卵の着床には、体の異物を排除しないための働き(免疫寛容)が起こります。免疫力の低下により風邪をひくことから、妊娠の成立に役立つと噂されているのでしょう。
また妊活中の女性が風邪を引いたとしても、妊娠しにくくなることはありません。ただ妊娠中は風邪にかかりやすくなることがあるため、日頃から予防を心がけることが大切です。
漢方薬のなかには、妊婦さんが風邪を引いたときに飲める薬があります。ただ、よく知られている「葛根湯(かっこんとう)」は、妊娠中の体質に合わないといわれています。日常の健康管理に漢方薬を飲んでいる人も、妊娠した時は、専門医から処方された薬を飲むのがおすすめです。
妊婦さんが風邪でエナジードリンクを飲むときは、カフェイン量に注意しなければなりません。カフェインには覚醒作用があり、おなかの赤ちゃんにもその影響が及びます。
日本では明確な基準はないものの、妊娠中のカフェイン量は200mgまでです。エナジードリンクのなかには、1本で1日のカフェイン摂取量を超えてしまうものもあります。妊娠中のエナジードリンクはなるべく控えるようにしましょう。
妊娠中は免疫力の低下により、健康に配慮していても風邪になってしまうことがあります。妊婦さんが風邪になっても、体の免疫力で治すことができます。
風邪の症状を和らげるために薬を飲みたいときは、産科医から処方されたものを服用するようにしましょう。
風邪で水分が飲めない、咳で頻繁にお腹が張る場合は、医療機関を受診するようにしてください。
参考:
妊娠中の感冒
妊娠中の薬について
妊娠とおくすり
産科(よくあるご質問)
質疑応答
エナジードリンクとカフェイン ~カフェインのとり方に注意!~
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