2025.04.06
妊娠
このようなお悩みはありませんか?
アボカドは葉酸やカリウム、食物繊維など妊婦さんに必要な栄養素が豊富に含まれる食品です。胎児の発育サポートやむくみ予防、便秘対策に役立ちます。
そこで、この記事では妊婦さんのためのアボカドの安全性や食べる際の注意点、栄養メリット、簡単レシピまで徹底解説します。これから赤ちゃんを迎えるママの食生活の参考として、ぜひ最後までお読みください。
妊婦さんがアボカドを食べても、基本的には大丈夫です。アボカドは妊婦さんとお腹の赤ちゃんの健康をサポートする栄養素が豊富に含まれています。
アボカドは、葉酸、カリウム、食物繊維、ビタミンEなど、妊娠中に特に必要とされる栄養素が豊富に含まれているため、妊娠中の女性にとって安全で栄養価の高い食品とされています。
特に葉酸が豊富に含まれており、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、妊娠初期の妊婦は胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減のために葉酸の摂取が推奨されています。
ただし、過剰摂取は避け、バランスの良い食事の一部として適量を食べることが大切です。アレルギーがある場合や、食べて体調が優れない場合は控えるべきでしょう。妊婦さん一人ひとりの体質や状態に合わせた判断が必要です。
アボカドは栄養価が高く妊婦さんにもおすすめの食品ですが、いくつかの注意点を守ることで安全に摂取できます。食べ方や量に気をつけて、妊娠中のアボカド摂取を楽しみましょう。
妊娠中のアボカド摂取は適量が大切です。アボカドは高カロリーかつ高脂質な食品であることを忘れないようにしましょう。
アボカド1個の可食部(標準サイズで約140g~150g)あたり約250kcalとエネルギー密度が高く、食べ過ぎると必要以上のカロリー摂取につながります。妊婦さんの適切な体重管理のためにも、1日あたり1/2個程度を目安に摂取するのが良いでしょう。
また、脂質含有量も高いため(100gあたり約17.5g)、消化不良や胃もたれを引き起こす恐れがあります。特に妊娠中は消化器官への負担が大きくなりがちなので、一度に大量に食べるのではなく、少量ずつ分けて食べることをおすすめします。
参考:文部科学省:食品成分データベース| 果実類/アボカド/生
妊婦さんは、リステリア菌などの食中毒菌に対して抵抗力が低下している場合があります。アボカドを安全に食べるためには、適切な衛生管理が必要です。
まず、アボカドを切る前に必ず流水でしっかりと皮を洗いましょう。皮の表面についた菌が、包丁を通して実の部分に移ってしまう恐れがあるためです。特に輸入品の場合は、長距離輸送や保管中にさまざまな場所に触れているため、洗浄は重要です。
また、完全に熟していないアボカドや変色・カビの生えているアボカドは避けるべきです。より安全に食べるには、加熱調理(スープやホットサンドなど)にすることで、より安全性を高めることもできます。カットしたアボカドは室温に長時間放置せず、残った分は密閉容器に入れて冷蔵保存し、できるだけ早く消費しましょう。
参考:米食品医薬品局「FDA Releases Reports on Avocado and Hot Pepper Sampling」
参考:国土交通省|これからママになるあなたへ
アボカドは栄養豊富ですが、妊娠中は特にさまざまな栄養素をバランスよく摂取することが重要です。アボカド一辺倒ではなく、多様な食品と組み合わせて食べるようにしましょう。
たとえば、鉄分は妊婦さんに特に必要な栄養素ですが、アボカド単体では鉄分含有量が比較的少ないです(100gあたり約0.6mg)。そのため、鉄分が豊富な食品(レバーや赤身肉、ほうれん草など)と組み合わせることをおすすめします。
また、アボカドはビタミンCの含有量も多くはありません(100gあたり約12mg)。ビタミンCは鉄分の吸収を助ける働きがあるため、トマトやパプリカなどビタミンCが豊富な野菜と一緒に食べると栄養効率が高まります。
妊娠中の食事は「量より質」と「バラエティ」を心がけ、アボカドを含めたさまざまな食品から栄養を摂取するようにしましょう。
妊娠中は体質の変化によって、これまで問題なく食べられていた食品にアレルギー反応が出ることがあります。アボカドも例外ではありません。
以前にアボカドなどの果物でアレルギー症状を経験したことがある場合や、ラテックス(天然ゴム)アレルギーをお持ちの方は注意が必要です。ラテックスアレルギーがある方の一部に「ラテックス・フルーツ症候群」と呼ばれる交差アレルギーが見られることがあります。これは、ラテックスとバナナ、キウイ、アボカドなどの特定の果物に含まれるタンパク質の構造が似ているために起こる現象です。
初めてアボカドを食べる妊婦さんは、少量から試してみて、口の中や喉のかゆみ、腫れ、発疹などのアレルギー症状が出ないか確認しましょう。何らかの症状が現れた場合は、すぐに摂取を中止し、医師に相談してください。
また、妊娠中の新たな食品チャレンジは慎重に行うべきです。妊娠後期になってから初めてアボカドを食べるよりも、妊娠初期や妊娠前から食べ慣れている方が安心です。ご家族にアレルギー体質の方がいる場合は、特に注意しましょう。
出典:日本ラテックスアレルギー研究会|『ラテックス-フルーツ症候群』ってどんな病気?
アボカドには妊婦さんとお腹の赤ちゃんの健康をサポートするさまざまな栄養素が含まれています。妊娠中の食生活にアボカドを取り入れることで得られるメリットについて、詳しく見ていきましょう。
アボカドには葉酸が豊富に含まれており、妊婦さんにとって重要な栄養素です。
葉酸は胎児の神経管閉鎖障害のリスクを低減する栄養素で、厚生労働省は妊娠初期の摂取推奨量を400μg/日、中期・後期は440μg/日としています。
アボカド1/2個(可食部約75g)には約62μgの葉酸が含まれており、妊婦さんの1日推奨量の約14%を補うことができます。葉酸は胎児の細胞分裂や脳・脊髄の正常な発達をサポートするため、アボカドは妊婦さんの食事に最適な選択肢の1つです。
参考:厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
参考:文部科学省:食品成分データベース| 果実類/アボカド/生
妊娠中は体内に水分がたまりやすく、多くの妊婦さんがむくみに悩まされます。アボカドに含まれるカリウムはこのむくみ対策に効果的です。
アボカド1/2個(可食部約75g)には約440mgのカリウムが含まれており、これは成人女性の1日の推奨摂取量(約2,000mg)の約22%に相当します。カリウムには体内の余分な水分や塩分を排出する働きがあり、特に妊娠後期に起こりやすい足や手のむくみを和らげる効果が期待できます。
また、カリウムは血圧の調整にも役立ちます。妊娠高血圧症候群の予防という観点からも、適切なカリウム摂取は大切です。アボカドを日常的に食べることで、自然にカリウムを補給し、快適な妊娠生活を送るサポートになります。
参考:厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
参考:文部科学省:食品成分データベース| 果実類/アボカド/生
妊娠中はホルモンバランスの変化や子宮の拡大により、便秘に悩む妊婦さんが多くいます。アボカドに含まれる食物繊維はこの便秘対策に効果的です。
アボカド1/2個(可食部約75g)には約4.2gの食物繊維が含まれており、成人女性(妊婦も含む)の1日の目標摂取量(18g以上)の約23%を摂取できます。食物繊維は腸内環境を整え、便のかさを増やして排便をスムーズにする働きがあります。
特にアボカドに含まれる食物繊維は水溶性と不溶性の両方をバランスよく含んでいるため、腸内細菌のエサとなって善玉菌を増やす効果と、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進する効果の両方が期待できます。妊娠中の快適な排便習慣をサポートする食品として最適です。
参考:厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
参考:文部科学省:食品成分データベース| 果実類/アボカド/生
妊娠中はホルモンバランスの変化によって肌トラブルが起きやすくなります。アボカドに含まれるビタミンEは、美肌維持と抗酸化作用で妊婦さんをサポートします。
アボカド1/2個(可食部約75g)には約2.5mgのビタミンEが含まれており、これは妊婦さんの1日の推奨量(6.5mg)の約38%に相当します。ビタミンEは強力な抗酸化作用を持ち、細胞の酸化ダメージから体を守る働きがあります。
また、ビタミンEは皮膚の健康維持にも重要な役割を果たし、肌の乾燥やシミ、妊娠線の予防にも効果的です。妊娠中の肌トラブルに悩む方にとって、アボカドは自然な美容食材と言えるでしょう。
参考:厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
参考:文部科学省:食品成分データベース| 果実類/アボカド/生
アボカドには良質な脂質が豊富に含まれています。特にオレイン酸などの一価不飽和脂肪酸は、妊婦さんとお腹の赤ちゃんの健康に重要な役割を果たします。
アボカド1/2個(可食部約75g)には約10g以上の良質な脂質が含まれており、その約70%がオレイン酸を主とする一価不飽和脂肪酸です。オレイン酸はオリーブオイルにも多く含まれる健康的な脂質で、悪玉コレステロールを減らし、心血管系の健康を維持する効果があります。
また、これらの良質な脂質は胎児の脳や神経系の発達に必要不可欠です。特に妊娠後期は胎児の脳が急速に発達する時期であり、十分な良質脂質の摂取が重要になります。アボカドは植物性の健康的な脂質源として、妊婦さんの食事に取り入れる価値が高い食品です。
参考:厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
参考:文部科学省:食品成分データベース| 果実類/アボカド/生
妊婦さんにとって栄養バランスの良い食事は欠かせませんが、つわりや時間不足で十分な食事を摂るのが難しいこともあります。そこでアボカドを使った簡単で栄養たっぷりのレシピをご紹介します。
【妊婦さんの食中毒予防に関する重要な注意点】
妊娠中は免疫力が低下しているため、食中毒のリスクが高まります。特にリステリア菌などの食中毒菌は胎児に深刻な影響を与える恐れがあります。以下のレシピでは、食材の十分な洗浄、適切な加熱、清潔な調理環境の確保を心がけてください。また、生で食べるレシピよりも、加熱調理したレシピの方が食中毒リスクが低く安心です。
忙しい日でも簡単に作れて栄養満点のアボカド丼は、妊婦さんの強い味方です。
【材料】(1人分)
【作り方】
このアボカド丼は、炭水化物(ご飯)、たんぱく質(鮭・卵)、良質な脂質(アボカド)がバランスよく摂れる一品です。特に鮭にはDHAが豊富で胎児の脳の発達に良いとされています。また調理時間も5分程度と短く、つわりで料理が億劫な時期にもおすすめです。
アボカドとトマトを組み合わせたこのサラダは、ビタミン類が豊富で妊婦さんの美肌維持にも役立ちます。
【材料】(2人分)
【作り方】
このサラダはトマトのビタミンCがアボカドの鉄分吸収を高める効果があります。また、チーズからはカルシウムが摂取でき、骨の形成に必要なこの栄養素は、妊娠中期以降特に必要となります。加熱処理がないので、生のまま食べることに抵抗がある場合は、アボカドとトマトを軽く湯通しすることで食中毒リスクを減らすこともできます。
つわりで食事が進まない時でも飲みやすく、葉酸をはじめさまざまな栄養素を手軽に摂取できるスムージーです。
【材料】(1人分)
【作り方】
このスムージーは葉酸が豊富なアボカドとほうれん草を組み合わせることで、妊婦さんに必要な葉酸を効率よく摂取できます。バナナの自然な甘みで飲みやすく、つわりで食欲がないときや忙しい朝の栄養補給におすすめです。ほうれん草の苦みが気になる場合は量を減らすか、バナナを増やすとよいでしょう。
加熱調理で食中毒リスクを減らしつつ、満足感のある一品です。
【材料】(1人分)
【作り方】
このホットサンドは卵とアボカドを加熱することで、食中毒のリスクを減らせます。タンパク質と良質な脂質が豊富で、朝食や軽食にぴったりです。卵は完全に火を通すことで、リステリア菌などの食中毒リスクを避けられます。アボカドの変色が気になる場合は、レモン汁を少し加えるとよいでしょう。
妊娠中の甘い物への欲求を健康的に満たす、簡単デザートです。
【材料】(2人分)
【作り方】
このデザートはアボカドの自然な甘みとクリーミーな食感を活かしたヘルシーなおやつです。ヨーグルトからはカルシウムとタンパク質が摂取でき、アボカドの良質な脂質と組み合わせることで栄養バランスの良いデザートになります。砂糖の代わりにはちみつを使うことで、自然な甘さを楽しめます。妊娠中の間食としても罪悪感なく食べられる一品です。
妊娠中にアボカドを食べることは基本的に安全であり、葉酸やカリウム、食物繊維などの栄養素を効率よく摂取できるメリットがあります。特に葉酸は胎児の発育を助ける重要な栄養素であり、便秘やむくみの予防にも役立ちます。ただし、カロリーが高いため食べ過ぎには注意し、1日1/2個程度を目安に適量を守ることが大切です。また、皮についた細菌を除去するためにしっかり洗い、傷んだアボカドは避けるようにしましょう。
適切な方法でアボカドを取り入れることで、妊娠中の健康維持に役立ちます。レシピを工夫しながら、無理のない範囲でバランスよく食事に取り入れていきましょう。
ABOUT ME