生まれたばかりの赤ちゃんは、自分の頭の重さを支えることができず、不安定な状態です。
その後、筋肉が発達すると、赤ちゃんは支えがなくても安定して頭を動かせるようになります。
このことを「首が据わった」「首据わり」と表現します。英語では「ヘッドコントロール」と表現します。
この記事では、赤ちゃんの首据わりの時期や注意点について解説していきます。
赤ちゃんの首が据わる時期について興味がある人は、ぜひ参考にしてください。
なお、現在妊娠しており、お腹の中にいる赤ちゃんに先天的な疾患がないか不安に思っている人は、出生前診断を受けてみるのも選択肢の一つです。
出生前診断については、「出生前診断にはどんな種類があるの?」でチェックできます。
赤ちゃんの首が据わる時期はいつから?
赤ちゃんの首が据わる時期は生後3か月から4か月頃とされています。厚生労働省がおこなった「乳幼児身体発育調査 平成22年度」によると、生後5か月で約9割の赤ちゃんの首が据わるとされています。
首が据わるとお風呂、着替えや抱っこがしやすくなるため、ママやパパの負担が減ります。
赤ちゃんの体は、上から下へと発達していきます。そのため、首が据わると、次は腰が据わりを迎えます。腰据わりの時期も個人差があるため、注意が必要です。腰が据わると一人で座ることができるようになります。
腰据わりの時期については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
「腰据わりいつ」へのリンク
腰が据わると、次は足が発達してつかまり立ちができるようになります。あとあとの成長の第一歩になるため、首が据わるのは「成長の大切なステップ」と言えます。
首が据わるのが早い赤ちゃんもいる
中には、首が据わるのが早い赤ちゃんもいて、2か月や3か月で首据わりが完了する場合もあります。
成長速度には個人差があるため、「首が据わるのが早い赤ちゃんもいる」と覚えておきましょう。
お腹の中で成長して生まれて来た赤ちゃん、頭の小さい赤ちゃんは首が据わるのが早くなりやすいと言われています。また、周囲の音やものに敏感に反応する赤ちゃんも首の筋肉が発達しやすいので、首が据わるのが早い傾向があります。
赤ちゃんの首が据わるのが遅いのは問題?
赤ちゃんの首が据わる時期は3か月から4か月頃とされています。もしも、5か月以上経っても首が据わらない場合は、小児科で「首がなかなか据わらないのですが」と相談しましょう。
もしかすると、脳や筋肉の病気の影響で首が据わるのが遅れているかもしれないからです。
なお、未熟児で生まれた赤ちゃんや頭が大きな赤ちゃんは、首が据わるのが遅くなりやすいとされています。また、予定日より早く生まれた赤ちゃんも首が据わるのが遅くなる傾向があるとされています。
一人で悩まずに、専門家の意見をもらうことをおすすめします。
赤ちゃんの首が据わっているかどうかの確認方法
「赤ちゃんの首が据わったか、どうやって確認したらいいの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
首が据わったかどうかは、以下の3つのポイントを確認しましょう。ただし、成長が気になるからといって、1日に何度も確認しないようにしましょう。無理に確認すると赤ちゃんに負担をかけることになります。
- 縦抱きをしたときに、支えがなくても頭をまっすぐ支えられる
- うつ伏せのときに頭を自分で持ち上げられる
- 仰向けから両手を持って起き上がらせると頭が体と一緒についてくる
赤ちゃんのご機嫌や体調によって、首が完全に据わっていなくてもこの3点を満たすこともあるため、注意が必要と言えます。成長速度には個人差があるため、焦りは禁物です。
また、うつ伏せは赤ちゃんの口や鼻がふさがって窒息、乳幼児突然死症候群の恐れがあるため、目を離さないようにすることが大切です。仰向けから両手を持って起き上がらせるときは、脱臼のリスクがあるため、腕を強くひっぱらないようにしましょう。
「赤ちゃんをうつ伏せにするのが不安……」「両手を持って起き上がらせるのが心配」と思う人は、定期健診の際に、医師に判断してもらうのが安心です。専門家の立場から、首が据わったかどうかを判断してくれます。
赤ちゃんの首が据わる前兆は?
赤ちゃんの首が据わる前はどんなことが起こるのでしょうか?
具体的に、前兆として以下のような様子がみられます。
- 首を動かして周囲を見まわせるようになる
- うつ伏せの状態から自分で少し頭を持ち上げられる
- げっぷをさせる際に、首が下がりくくなった
ただし、前兆が見られたとしても、完全に首が据わるまでは時間がかかるため、焦りは禁物です。生後4か月くらいまでは、ゆっくりと赤ちゃんの成長を見守りましょう。
赤ちゃんの首が据わるためには練習が必要?
「赤ちゃんの首が据わるためには、練習が必要なの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
結論をお伝えすると、赤ちゃんは成長していけば自然に首が据わるため、練習は不要とされています。
ただし、以下の3つの行動をすると早く首が据わりやすくなるとされています。
- 縦抱きをする
- うつ伏せにする
- うつ伏せで目線を動かす
いずれも、赤ちゃんのご機嫌がよいときに負担のない範囲でおこないましょう。
成長速度は個人差があるため「周りの子の首が据わっているのに、うちの子はまだなので不安……」と思うこともあるかもしれません。
しかし、焦って練習をすると赤ちゃんの心身に必要以上の負担をかけることになります。赤ちゃんに無理をさせずに、楽しく練習しましょう。
縦抱きをする
赤ちゃんを寝かせながら抱く横抱きではなく、地面に対して90度に抱く縦抱きをすることで、首の筋肉を鍛えることが可能です。
ただし、首が据わる前は首が不安定なため、ママやパパが後頭部を支えてあげましょう。赤ちゃんの体とママやパパの体を密着させると安定しやすいです。ママやパパの肩越しに赤ちゃんが景色を見えるようにするのもポイントです。
赤ちゃんに無理をさせずに、慎重におこないましょう。
うつ伏せにする
赤ちゃんをうつ伏せにすることで、自分で頭を動かそうとするため、首周りの筋肉を鍛えられます。
ただし、赤ちゃんをうつ伏せの状態のままにすると、自分で頭を持ち上げられず、窒息や乳幼児突然死症候群のリスクがあるため、赤ちゃんから目を離さないことが重要です。
また、授乳後はお腹が圧迫されて嘔吐のリスクがあるため、避けましょう。
うつ伏せで目線を動かす
うつ伏せにして目線を動かすことで、首の筋肉を鍛えられます。
赤ちゃんをうつ伏せにして、おもちゃや絵本などを使って、ゆっくりと赤ちゃんの目線を上下左右に動かしましょう。おもちゃや絵本を激しく動かすと赤ちゃんに負担がかかるため、ゆっくり動かすのが大切です。
ただし、長時間の練習は禁物です。最初は赤ちゃんの様子を見ながら、1分〜2分など短い時間からはじめてみましょう。1日の中で数回に分けて、合計練習時間は5分〜10分程度にとどめておくのが大切です。
練習の途中でも、赤ちゃんが泣いたら時間にかかわらず、練習を終了しましょう。先ほどもお伝えしたように、うつ伏せは、窒息や乳幼児突然死症候群のリスクもあるため、赤ちゃんから目を離さないようにしましょう。
赤ちゃんの首据わりの注意点
赤ちゃんの首据わりの注意点は、以下のとおりです。
- 首が据わるまでは慎重に抱っこする
- 首が据わるまではベビーチェアに座らせない
- 首が据わるまで前開きの服を選ぶ
- 首を据わらせるための練習時に安全を確保する
- 首が据わったと思っても抱っこは注意する
それぞれ解説していきます。
首が据わるまでは慎重に抱っこする
首が据わっていない赤ちゃんを抱っこする場合は、くれぐれも慎重におこないましょう。
首が据わっていない赤ちゃんを激しく揺らすと「揺さぶられ症候群」という症状につながることがあります。
揺さぶられ症候群は、首が据わっていない赤ちゃんの脳が大きく揺れて、脳細胞や血管が傷付く状態です。場合によっては、嘔吐やけいれん、失明、歩行困難などの症状が出ることもあります。
揺らすと赤ちゃんは喜ぶかもしれませんが、首が据わっていない赤ちゃんの場合は激しく揺らさないようにしましょう。
また、首が据わっていない状態で、縦抱きのまま寝かしつけると赤ちゃんが窒息してしまう恐れもあるため、避ける必要があります。
首が据わっていない赤ちゃんは、できるだけ横抱きするようにしましょう。横抱きでも背中をさすってあげれば、げっぷをさせることもできます。
首が据わるまではベビーチェアに座らせない
首が据わっていない赤ちゃんをベビーチェアに座らせると、赤ちゃんの首に負担がかかる恐れがあります。
頭を支えきれず、赤ちゃんの姿勢が悪くなるかもしれません。ベビーチェアは赤ちゃんの首や腰が据わってから利用するのがおすすめです。
なお、チャイルドシートも座るタイプのものは、首が据わる前の赤ちゃんの体に負担がかかるため、寝かせるタイプのものを使うのがおすすめです。
首が据わるまで前開きの服を選ぶ
上から被せるタイプの服を首が据わっていない赤ちゃんに着せようとすると、首に負担がかかります。首が不安定なため、うまく服から頭を出せないこともあります。
そのため、前開きの服を選ぶのがおすすめです。前開きの服なら、首が据わる前の赤ちゃんでも負担なくスムーズに着ることが可能です。
首を据わらせるための練習時に安全を確保する
首を据わらせるための練習をするときには、食器や刃物など赤ちゃんが触ると危ないものが周りにないか十分に注意しましょう。
また、やわらかいぬいぐるみやクッション、ふかふかの毛布も赤ちゃんの顔が埋まってしまい窒息の恐れがあるため、注意が必要です。
うつ伏せになったときに、安全が確保されていないと赤ちゃんのケガや事故につながる恐れがあるからです。
首が据わったと思っても抱っこは注意する
首が据わったと思っても、赤ちゃんの首はまだデリケートです。首据わりは徐々に完了していきます。首が据わったと思ったときでも、たまたま調子がよかった場合もあります。首が据わったと思っても、1か月は赤ちゃんの首に注意を向けましょう。
赤ちゃんが苦しそうな顔をしていたら、首に負担がかかっているかもしれません。赤ちゃんが辛そうなときには、ママやパパが首を支えてあげたり、横抱きにしてあげたりしましょう。
首がしっかり据わったら、抱っこひもを使って、赤ちゃんを抱っこして外出してみましょう。抱っこひもを使うと、ママやパパの体の負担を減らして抱っこができます。
ただし、抱っこひもの使い方を間違えると危ないため、正しく装着をしましょう。
また、抱っこひもは月齢ごとに種類があるため、赤ちゃんの月齢に合わせたものを選ぶようにするのがおすすめです。
赤ちゃんの首が据わる時期を覚えておきましょう
お伝えしように赤ちゃんの首が据わる時期は3か月〜4か月頃が多いです。
ただし、成長には個人差があるため、5か月目まで様子を見ましょう。
首が据わると次は、おすわりやハイハイなどの成長につながっていくため、成長の重要なステップとされています。
赤ちゃんの首据わりに関する注意点は、以下のとおりです。赤ちゃんに負担をかけないために覚えておきましょう。
- 首が据わるまでは慎重に抱っこする
- 首が据わるまではベビーチェアに座らせない
- 首が据わるまで前開きの服を選ぶ
- 首を据わらせるための練習時に安全を確保する
- 首が据わったと思っても抱っこは注意する
首が据わる時期を覚えて、赤ちゃんに接するようにしましょう。
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