生後9ヶ月の赤ちゃんは、日々成長する時期です。ハイハイやつかまり立ちといった身体的な発達はもちろん、感情表現が豊かになり、後追いや一人遊びを楽しむ姿に思わず微笑むこともあるでしょう。
しかし、この時期は赤ちゃんは活動的になるため、注意も必要です。
身長や体重の成長の目安、食事やお口の変化から、ママの過ごし方、お世話のポイントまで、この大切な時期に知っておきたい情報を詳しく紹介します。
生後9ヶ月の赤ちゃんの成長について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
なお、現在妊娠していて、お腹の中にいる赤ちゃんに先天的な疾患がないか不安に感じている人は、出生前診断を受けてみるのも選択肢の一つです。
出生前診断については、「出生前診断にはどんな種類があるの?」でチェックできます。
生後9ヶ月の赤ちゃんの発達の特徴
生後9ヶ月は、赤ちゃんの身体や心の発達が目覚ましい時期です。以下のような特徴があります。
- おすわりが安定する
- 指でものをつまめるようになる
- ハイハイをする
- つかまり立ちをする
- 後追いをする
- 一人遊びをする
- まねっこ遊びをする
- 感情表現が豊かになる
それぞれ順番に解説していきます。
おすわりが安定する
生後9ヶ月になると、多くの赤ちゃんが両手を床について、支えなくてもおすわりの姿勢を維持できます。
厚生労働省が発表した「乳幼児身体発育調査 平成22年度」によると、1分間支えなしで座っていられる赤ちゃんの割合は、以下のとおりです。
1分間支えなしで座っていられる赤ちゃんの割合 | |
生後4~5ヶ月 | 0.5% |
生後5~6ヶ月 | 7.7% |
生後6~7ヶ月 | 33.6% |
生後7~8ヶ月 | 68.1% |
生後8~9ヶ月 | 86.3% |
生後10~11ヶ月 | 97.5% |
生後11~12ヶ月 | 98.1% |
生後1年0ヶ月~1年1ヶ月未満 | 99.6% |
ただし、上記は目安のため、焦りは禁物です。
おすわりがうまくなると、おすわりをした状態のまま、両手を使っておもちゃで遊べるようになります。
もしも、「赤ちゃんのおすわりがうまくならない」という人は、こちらの記事を参考にしてください。
指でものをつまめるようになる
赤ちゃんによっては、指が器用になり、親指と人差し指でものをつまめるようになります。
絵本をめくったり、ティッシュペーパーを引っ張り出せるようになったりします。
ハイハイをする
生後9ヶ月頃になると、多くの赤ちゃんがハイハイを始めます。
これは、赤ちゃんの体力と筋力が向上した証です。ハイハイをすることで、赤ちゃんは自分の周りの環境をより広く探索できるようになります。
ハイハイは赤ちゃんにとって大きな楽しみであり、ママやパパにとってはかわいらしさを感じさせる瞬間のひとつです。
また、下半身の筋肉が発達するとハイハイの状態から膝をつかず、足だけついた「高ばい」を始める赤ちゃんも出てきます。
つかまり立ちをする
生後9ヶ月の赤ちゃんの中には、つかまり立ちをする子も出てきます。
つかまり立ちは、その名のとおり、ものにつかまりながら立ち上がることです。最初は不安定ですが、慣れてくると足の裏全体を使って立てるようになります。
つかまり立ちを通じて、赤ちゃんは歩行に向けた重要なステップを踏み出します。つかまり立ちは、赤ちゃんが自立に向けて一歩を進めた瞬間であり、親にとっては感動的な光景となるはずです。
赤ちゃんによっては、ハイハイよりも先につかまり立ちをする子もいます。最初は両手を使いますが、仕出しに片手だけつかまって立てるようになるでしょう。
なお、つかまり立ちをした後は、ものにつかまりながら歩く「伝い歩き」をします。
後追いをする
生後9ヶ月の赤ちゃんは、後追いを始めることが多いです。
後追いとは、赤ちゃんがママやパパなどの身近な人物を追いかけようとする行動を指します。
ママやパパは、赤ちゃんからの信頼の証ともいえる後追いを、かわいらしく感じるでしょう。ただし、ママやパパが側から離れると寂しくなって、泣き出す赤ちゃんもいます。
一人遊びをする
生後9ヶ月頃になると、赤ちゃんは一人で遊ぶ能力が向上します。一人遊びができるようになるのは、自己の感情や行動をよりコントロールできるようになってきた証拠です。
ただし、トラブルを防止するため、一人遊びをしているときも赤ちゃんからは長時間目を離さないようにしましょう。
まねっこ遊びをする
この時期の赤ちゃんは、周囲の人がする行動をまねる「まねっこ遊び」に夢中になります。まねっこ遊びは社会性や言語能力の発達にとても役立ちます。
何気ない日常の動作をまねることで、赤ちゃんはコミュニケーション能力を高め、さまざまな社会的ルールを学びます。また、まねをすることで感情表現が豊かになるでしょう。
赤ちゃんに積極的に話しかけてあげましょう。赤ちゃんはまねをすることで、単語を覚えていきます。「バイバイ」と手を振ると赤ちゃんも「バイバイ」と言ってくれるかもしれません。まねっこ遊びには積極的に付き合ってあげましょう。
感情表現が豊かになる
生後9ヶ月を迎えると、赤ちゃんの感情表現がよりいっそう豊かになります。
喜怒哀楽をはっきりと表現するようになり、親子のコミュニケーションもより濃密になっていくでしょう。
この時期の赤ちゃんは、笑ったり泣いたりすることで、自分の気持ちをしっかりと伝えることができるようになります。赤ちゃんによっては、すねたり、甘えたりするようになるでしょう。
また、嬉しいときに手をパチパチ叩くかもしれません。
生後9ヶ月の赤ちゃんの身長・体重
厚生労働省が平成22年に発表した「乳幼児身体発育調査」によると赤ちゃんの男女別の身長・体重は、以下のとおりです。
生後9ヶ月の赤ちゃんの身長・体重の目安 | ||
身長 | 体重 | |
女の子 | 65.5~74.5cm | 6.7~9.9kg |
男の子 | 67.4~76.2ccm | 7.2~10.4kg |
生後9ヶ月の赤ちゃんの身長と体重は、個人差が大きくなります。
女の子でも男の子でも、身長は約9cm、体重は約3kgもの個人差が出てきます。
身長や体重が目安から大きく外れている場合は、病気の恐れがあるため、小児科の先生に念のため、相談してもいいでしょう。
生後9ヶ月の赤ちゃんの食事の変化
生後9ヶ月の赤ちゃんは、離乳食の進み具合によって食事の内容が大きく変化する時期です。
離乳食は1日3回(朝・昼・晩)が目安です。離乳食を食べ終わったら、母乳やミルクは欲しがるだけあげましょう。なお、胃腸に負担をかけないため、晩御飯は遅くても、夜7時までには済ませるようにしましょう。
赤ちゃんがバランスの良い栄養を摂取できるように、食事の準備に気を配る必要があります。
この時期の食事は、赤ちゃんの身体の成長のために、たんぱく質やビタミンが摂れるように、肉や魚、野菜を入れるようにしましょう。食材の固さはバナナくらいを目安にしましょう。
なお、離乳食だけでは鉄不足になりやすいため、離乳食に粉ミルクを使うことをおすすめします。牛乳は粉ミルクに比べると鉄分が少ないため、鉄分がより多く含まれる粉ミルクを使うのがいいでしょう。
なお、はちみつは体にいいイメージがあるかもしれません。しかし、幼児ボツリヌス症の原因になるため、満1歳までは与えないようにしましょう。
また、市販のパンにはちみつが含まれているケースがあるため、成分表示を確認して、赤ちゃんに与えないようにします。
なお、赤ちゃんによっては、コップを使って飲み物を飲めるようになるでしょう。ただし、焦りは禁物です。最初はママやパパがコップを支えてあげて、少しずつ飲み物を飲ませてあげましょう。やけどしないように、コップを使う練習をするときには温かい飲み物は避けましょう。
生後9ヶ月の赤ちゃんのお口の変化
生後9ヶ月になると、多くの赤ちゃんは歯が生え始めます。
下の前歯が最初に現れることが多いですが、上の前歯が先に生えることもあります。
乳歯は永久歯に比べるとエナメル質がやわらかく、むし歯のリスクが高いため、小まめなケアが必要です。
離乳食の回数が増えているため、食べかすが残らないように丁寧に磨いてあげましょう。
なお、基本的には、上下の前歯から生えてきますが、もし奥歯が先に生えてきた場合、歯医者さんに相談してみましょう。
産後9ヶ月のママの状態とおすすめの過ごし方
産後9ヶ月を迎える頃、多くのママは育児に少しずつ慣れ、心身ともに落ち着きを取り戻し始めます。
しかし、まだまだ育児の疲れや睡眠不足は続いているかもしれません。
この時期は、自分自身のための時間も大切にすることが重要です。趣味に時間を割いたり、家族や友人と過ごす時間を持ったりして、リフレッシュするようにしましょう。
読者や運動をすることで、気分転換ができます。忙しいとは思いますが、赤ちゃんをパパに任せて、温かいお茶を飲むだけでもリラックスできるでしょう。
思い切って赤ちゃんをママやパパの親に預けてゆっくり過ごしてもいいでしょう。なお、ママやパパの親に赤ちゃんを預けるときには、アレルギーや苦手な食材などのメモを渡しておくとトラブルを防止できます。
毎日育児で頑張っている自分に、休息をプレゼントしてみましょう。
生後9ヶ月の赤ちゃんのお世話のポイント
「生後9ヶ月の赤ちゃんのお世話のポイントを知りたい!」と思っている人もいるでしょう。
生後9ヶ月の赤ちゃんのお世話のポイントは、次のとおりです。
- 生後9ヶ月の赤ちゃんに適したおもちゃを選ぶ
- 規則正しい生活リズムで過ごす
- 9~10ヶ月診断を受ける
それぞれ解説していきます。
生後9ヶ月の赤ちゃんに適したおもちゃを選ぶ
生後9ヶ月の赤ちゃんに適したおもちゃは、感覚を刺激し、小さな成功体験を提供するものです。
例えば、形が異なるブロックを入れるパズルや音が鳴るピアノ、軽くて握りやすいミニカーなどが適しています。赤ちゃんが自分で操作できるおもちゃは、自立心や問題解決能力の基礎を育てます。
おもちゃ選びでは、赤ちゃんが安全に遊べる素材で作られた、小さな部品がない、かつ舐めても安全なものを選ぶことが重要です。また、赤ちゃんの発達段階や興味に合わせて、おもちゃを少しずつ変えていくとよいでしょう。
色がカラフルなおもちゃなら、脳に刺激を与えやすいです。赤、青、黄のおもちゃを選ぶとよいでしょう。なお、積み木やボールなど親子で一緒に遊べるおもちゃもおすすめです。
ただし、細かいパーツや電池を使っているものは誤飲の危険性があるため、避けましょう。
規則正しい生活リズムで過ごす
生後9ヶ月の赤ちゃんの睡眠時間は1日10~12時間ほどです。しかし、赤ちゃんによっては、夜泣きが続くこともあります。
夜泣きを減らすためにも、入眠時間、起床時間やお昼寝、お食事の時間は固定しましょう。お昼寝は、午前中と午後に1回ずつするのがおすすめです。
規則正しい生活リズムで過ごすことで、夜泣きの頻度が減るとされています。入眠時間、起床時間やお昼寝が決まっていると赤ちゃんが夜に眠りやすく、朝目覚めやすくなるでしょう。
また、規則正しい生活を過ごすようにするとママやパパは「次は何をしたらいいのか?」と迷うことが減るため、育児の負担が減ります。
9~10ヶ月健診を受ける
生後9ヶ月の赤ちゃんは、9~10ヶ月健診の時期を迎えます。この健診では、赤ちゃんの発育状況や健康状態(聴覚や視覚の検査)をチェックし、予防接種のスケジュール確認や育児の相談などをおこないます。
健診に行く際は、事前に疑問や不安に思っていることをメモしておき、医師や保健師に相談することをおすすめします。健診で得られたアドバイスをもとに、今後の育児方針を考えるいい機会にもなります。
検査費用は無料のところが多いです。ただし、薬の処方や追加の検査には、費用が発生する場合もあります。
お住まいの自治体の窓口に連絡してみましょう。
9~10ヶ月健診について、詳しくは以下の記事で解説しています。
生後9ヶ月の赤ちゃんの注意点
生後9ヶ月の赤ちゃんは、ますます動き回るようになり、好奇心も旺盛になります。
生後9ヶ月の赤ちゃんの注意点は、以下のとおりです。
- 誤飲に注意する
- 転倒に注意する
- 赤ちゃんの活動範囲の安全を確保する
- 離乳食の栄養バランスに気をつける
- 離れるときは声をかける
順番に解説していきます。赤ちゃんと楽しく過ごすために、ぜひ覚えておきましょう。
誤飲に注意する
赤ちゃんが自らの手でものをつかむ能力が向上する生後9ヶ月頃は、誤飲のリスクがますます高まります。
家庭内の小物が危険物となり得るため、日頃から赤ちゃんの手の届く範囲には注意を払う必要があります。
薬、硬貨、タバコ、電池など赤ちゃんの手が届かない場所に置きましょう。
万が一、赤ちゃんが誤飲をした際は、受診の必要があるかなどを相談できる東京消防庁救急相談センター 「#7119」に電話しましょう。
転倒に注意する
生後9ヶ月の赤ちゃんは、ハイハイやつかまり立ちなどを通じて、さらに活発に動き回るようになります。この活動的な時期には、転倒によるケガのリスクが高まります。安全のために、床の滑りやすいマットを敷く、家具の角にクッション材をつけましょう。
また、ベビーカーでおでかけする際に、赤ちゃんが立ち上がってベビーカーが転倒する恐れもあります。シートベルトを付けて、立ち上がらないようにしましょう。
赤ちゃんの活動範囲の安全を確保する
生後9ヶ月は活動範囲が広がります。そのため、赤ちゃんがよく遊ぶ部屋は危険なものを片付け、コンセントカバーをする、家具の鋭い角には保護材を付けるなどして、安全な環境を作りましょう。
また、赤ちゃんが外で遊ぶ際には、小石や枝などの危険なものがないか事前にチェックすることも大切です。赤ちゃんの好奇心を安全に満たせるよう努めましょう。
また、赤ちゃんがつかまり立ちをする際に使用する家具は安定しているか確認し、不安定なものは使用しないようにしてください。赤ちゃんが安心して動き回れる環境を整えることが大切です。
なお、ベビーサークルを使って部屋を仕切れば、赤ちゃんにとって安全な空間を作りやすいでしょう。
おすすめのベビーサークルは以下の記事で解説しています。
離乳食の栄養バランスに気をつける
生後9ヶ月になると、赤ちゃんの離乳食も多様化してきます。この時期は、栄養バランスに気をつけることがとても重要です。
一日に必要な栄養素がバランスよく取れるように、野菜、果物、肉、魚を適切に組み合わせた食事を心がけましょう。
鉄分不足にならないように、粉ミルク、赤身の肉や赤身魚を使って離乳食を作るのもおすすめです。
離れるときは声をかける
生後9ヶ月の赤ちゃんは、後追いをしやすいです。一瞬でも親が視界から消えると不安になりがちです。そのため、一時的に部屋を離れる際には、必ず赤ちゃんに声をかけ、行動を伝えるようにしましょう。
「ママはちょっと〇〇に行くけど、すぐ戻るからね」と伝えることで、安心感を与えられるでしょう。
また、視界から消えたとしても、声をかけ続けることで、赤ちゃんはあなたが近くにいると感じ安心します。赤ちゃんへのきめ細やかな配慮が、安全で快適な環境作りにつながります。
まとめ:生後9ヶ月の赤ちゃんと楽しく過ごしましょう
生後9ヶ月は、赤ちゃんが急速に成長し、新しいことに挑戦し始める時期です。
お伝えしたように、生後9ヶ月の赤ちゃんの発達発育の特徴は、次のとおりです。
- おすわりが安定する
- 指でものをつまめるようになる
- ハイハイをする
- つかまり立ちをする
- 後追いをする
- 一人遊びをする
- まねっこ遊びをする
- 感情表現が豊かになる
ただし、成長スピードには個人差があり、上記は目安なので、焦りすぎないことが大切です。
また、以下の点にも注意しましょう。
- 誤飲に注意する
- 転倒に注意する
- 赤ちゃんの活動範囲の安全を確保する
- 離乳食の栄養バランスに気をつける
- 離れるときは声をかける
生後9ヶ月はできることが増えていきます。育児をしているママやパパにとっては、その成長を実感できるかけがえのない時期でもあります。赤ちゃんが活発になる分、負担も増えるかもしれません。パートナーや家族の協力も得ながら、赤ちゃんと楽しく過ごしましょう。
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