2022.04.19

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NT(nuchal translucency )とは?検査を受ける上で知っておきたい知識

NT(nuchal translucency ) とは?検査を受ける上で知っておきたい知識

おなかの赤ちゃんの画像が確認できる超音波検査。超音波検査を受けた妊婦さんの中には、「NT」という言葉について耳にした人もいるのではないでしょうか?聞きなれないNTは、一体どんなものか気になりますよね。この記事ではNT(nuchal translucency)について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

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NT(nuchal translucency)とは

NT(nuchal translucency)とは

NTは「nuchal translucency」の略で、胎児項部透過像ともいわれています。分かりやすく説明すると、妊娠初期の赤ちゃんの首の後ろにある皮膚の膨らみをいいます。妊娠11週から14週に行う超音波検査により、NTを確認することができます。

NTはこの時期の健康な赤ちゃんにみられます。超音波検査でNTが確認されても、赤ちゃんに異常があると決まったわけではありません。ただしNTが厚いと、おなかの赤ちゃんに染色体の異常や心臓の形態異常がある可能性があります。

NT(nuchal translucency)から分かる赤ちゃんの異常

NT(nuchal translucency)から分かる赤ちゃんの異常

NTが厚いときに危険性が高くなるのが、21トリソミーという染色体数の異常です。21トリソミーはダウン症候群として知られています。

通常、染色体は46本、2本の対になっていますが、21トリソミーは、名前が示すように21番目の染色体が2本ではなく3本ある状態をいいます。

21トリソミー(ダウン症候群)は、特徴的な見た目や知的障害がみられます。21トリソミーによる症状は個人差があり、心臓などの奇形により生まれてすぐに手術が必要な子もいれば、そうでない子もいます。

運動能力や精神の発達の遅れがみられるものの、音楽や絵画などの分野で活躍している方もいます。

21トリソミーが起こる原因

NTの厚さから推定される21トリソミー(ダウン症候群)ですが、1本余分な染色体の多くは母親由来のものです。21トリソミーは高齢妊娠との関連が指摘されています。

NT(nuchal translucency)と出生前診断について

日本では妊婦健診時、偶然にNTの異常を見つけられることがほとんどです。一方、欧米では超音波検査によるNTの計測は、出生前診断として扱われています。前述したように、NTの状態によっては胎児の染色体異常を推測できるためです。

NTの測定以外にも、超音波検査は赤ちゃんの形態異常を推定できます。そのため広い意味では出生前診断のひとつといえるでしょう。もちろん、多くの妊婦さんは健康な赤ちゃんの誕生を願っていても、出生前診断をすることに意識が向いているわけではありません。

NTを確認することは、おなかの赤ちゃんの病気を診断するためのものではありません。NTはいくつかある確認項目のひとつであり、その後の詳しい検査のきっかけになるものです。

NT(nuchal translucency)の計測は難しい

NT(nuchal translucency)の計測は難しい

本来、NTの検査は超音波の専門医が目的を持って行うもので、妊婦健診で必ず行わなければいけない項目ではありません。しかしながら、現状の産科医療の現場では、妊婦健診の超音波検査の中で偶然にNTの異常が発見されてしまうこともあります。

妊婦健診で行われる超音波検査は、じっくり時間をかけて行うものではなく、長くても数分といったところです。NTを正確に計測するには、おなかの赤ちゃんの画像を十分に拡大した上で、超音波の白黒の程度、焦点の調整をするのが前提になります。その上で、計測点は正しい位置にあるか、羊膜と混同していないかのチェックが必要で、数分で終えられるものではありません。

このようにNTの計測値を正確に知るには、目的を持って、専門医が十分な時間をかけて行う必要があります。十分なコミュニケーションが行われていない中で、NTの結果について簡単に説明することは、妊婦さんや家族に混乱や不安を招く結果になっているかもしれません。

NT(nuchal translucency)の異常を指摘されたら

妊娠初期に超音波検査を受けた方の中には、「赤ちゃんの首の後ろにむくみがある」「NTが厚い」と医師に言われ心配になっている方もいるでしょう。NTは健康な赤ちゃんにもみられるものなので、超音波検査でNTが確認されたからといって、すぐに大きく心配する必要はありません。おなかの赤ちゃんの向きや姿勢によっても、NTの数値に変化が出ます。

とはいえ通常よりもNTが厚いと、おなかの赤ちゃんに染色体異常がある可能性があります。例えば、21トリソミーかどうかを推定するには、NTの厚さ以外にも、鼻の骨があるかどうか、腎臓や腸の見え方なども確認します。

超音波検査により「NTが厚い」と指摘されたとしても、あくまで推定になるため、医師もはっきりしたことは言えないことがあります。医師が診断をするには詳しく検査をする必要があるためです。「NTが厚い=先天異常だ」とすぐに決めつけると、誤った決定を下すきっかけになり注意が必要です。 NTの計測値について不安や疑問がある人は、医師にしっかり相談するようにしましょう。また、必要があれば確定診断を受けるための精密検査や遺伝カウンセリングを検討してみてください。

新型出生前診断(NIPT)について

新型出生前診断(NIPT)について

赤ちゃんの染色体の異常を調べる検査に新型出生前診断(NIPT)があります。新型出生前診断(NIPT)は妊婦さんの血液中に含まれる、胎児のDNAのかけらを調べる検査で、おなかの赤ちゃんの染色体の異常の可能性について知ることができます。

新型出生前診断(NIPT)は、一部の施設では検査対象となる年齢を設けていますが、DNA先端医療株式会社の新型出生前診断(NIPT)は年齢制限なく、すべての不安を抱えている妊婦様の検査が可能です。21トリソミー(ダウン症候群)の可能性については、弊社の場合は陰性的中率99.99%以上と高い精度で調べることができます。

新型出生前診断(NIPT)の検査自体は採血のみで、妊婦さんやおなかの赤ちゃんに大きな負担がかかりません。新型出生前診断(NIPT)もまた、超音波検査と同じように確定的検査ではありません。検査で異常が出た場合、診断を受けるには確定的検査を受ける必要があります。弊社の新型出生前診断(NIPT)を受けて異常が見られた場合は、確定的検査(羊水検査・絨毛検査)の費用を全額負担しております。

DNA先端医療株式会社では、新型出生前診断(NIPT)を受けるにあたって、専門家のカウンセリングを受けることもできます。

まとめ

NT(nuchal translucency)は、妊娠初期のおなかの赤ちゃんの首の後ろにある皮膚の膨らみのことで、超音波検査によって確認できます。NTは健康な赤ちゃんにもみられることがあるので、超音波検査で指摘されても焦ることはありません。

NTに厚みがあると、21トリソミー(ダウン症候群)など染色体異常の可能性があります。医師と相談しながら精密検査を検討する必要があります。

参考:
Nuchal Translucencyについて
NT(nuchal translucency)肥厚が認められた時の対応は?

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ABOUT ME

原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴:2005年 国立大学看護学部卒業。取得資格:看護師、保健師。

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