2022.03.18
出産
妊娠
「もしかしたら妊娠したかも?」と思ったら考えたいのが、病院へ行くことです。
安全に妊娠・出産期間を過ごすためには、定期的に医療機関へ通うことが欠かせません。
しかし、「産婦人科はどうやって選んだらよいの?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
そこで、この記事では、妊娠中に通う病院で行われることや病院の選び方のポイントについて紹介します。
ぜひ参考にしてください。
生まれる前に赤ちゃんが先天性の病気を持っているか調べられる「出生前診断」の種類については、以下の記事で詳しくまとめています。
妊娠の可能性がある場合、まずは医療機関の受診を検討しましょう。
妊娠や出産で継続的に通うことになるのが、産科や産婦人科です。産科や産婦人科のある医療機関には、以下のような種類があります。
それぞれ解説していきます。
総合病院は、産科以外にもさまざまな診療科がある病院で、大学病院も含まれます。ベッド数は100床以上で、医師や看護師などのスタッフ数が多いのも特徴です。
総合病院のメリットは設備が充実していることです。お産で緊急事態が起こった場合、適切な処置を受けることができます。また多くの場合、小児科も併設しているので、赤ちゃんの健康状態に問題があった場合も継続して対応してもらうことが可能です。
医療処置の面でメリットがある総合病院ですが、大きい規模ならではのデメリットもあります。総合病院は患者数が多く、待ち時間が長くなることがあります。医師の数が多いので、毎回同じ医師の診察が受けられないことも。また、大学病院の場合、研修医が診察や分娩に立ち会うケースもあります。
産科がない総合病院もあるので、事前に確認しておきましょう。
産科や産婦人科の専門病院やクリニックは、診療科を産科や婦人科に限定している医療機関です。医療施設の名称には基準があり、ベッド数が20床以上であれば病院、19床以下であれば診療所(クリニックまたは医院)といいます。
医師やスタッフの数が少ないため、同じ医師に継続して診療してもらいやすいメリットがあります。スタッフと顔見知りになれば、妊娠や出産に関する悩みや不安を相談しやすいでしょう。個室や4Dエコーなどの設備がそろっている場合もあります。
デメリットとしては、出産時に緊急事態が起きたときに、対応しきれない可能性があることが挙げられます。そのため、多胎妊娠や合併症のあるハイリスク妊娠になると、途中で総合病院へ転院になるケースもあります。
助産院は、医師ではなく助産師が開業している医療施設です。ベッド数は10床未満で小規模であることが特徴です。近年の自然分娩への人気の高まりから、注目されている医療施設です。
助産院のメリットは、アットホームな雰囲気の中で、妊婦健診やお産を受けられることです。
しかし、お産のときに医師が立ち合わないため、緊急時に十分な対応を受けることができません。
助産院での出産は、あくまで健康な経過をたどっている妊婦さんのみが対象になります。また、万が一に備えて総合病院との提携があるか確認しておくと安心です。
周産期センターという医療機関もあります。周産期とは、妊娠22週から出生後7日未満までの期間のことです。
周産期は母体や胎児や新生児の命に関わる事態が発生しやすい期間とされています。
周産期センターには「総合周産期母子医療センター」と「地域周産期母子医療センター」があります。
総合周産期母子医療センターは、母体・胎児集中治療管理室(M-FICU)や新生児集中治療管理室(NICU)がある医療機関で、母体や新生児の救命救急を行っているのが特徴です。ハイリスクな妊娠に対する医療を提供しています。
地域周産期母子医療センターは周産期に関する比較的高度な医療を行っています。
健康な場合は産婦人科を受診して、周産期の期間中に何か問題が起きた場合は、周産期センターも活用するといいでしょう。
セミオープンシステムというシステムで、普段は病院や診療所を受診し、ハイリスクな妊娠になった場合に周産期センターに行くという手もあります。
妊娠の可能性が分かったとき、いつ医療機関へ行くという取り決めは特にありません。初診の目安としては、「生理予定日から2週間後くらいがよい」と言われており、ちょうど妊娠6週頃にあたります。
生理に遅れがあると妊娠検査薬を使用する方も多いですが、陽性になっても妊娠が確定したわけではありません。妊娠の確定は、医療機関で医師がエコー検査で胎のう(赤ちゃんのいる袋のこと)や心拍を確認してからとなります。生理予定日2週間前では、妊娠をしていてもエコー検査で胎のうが確認できないこともあります。
また、妊娠検査薬だけで妊娠を判断すると、子宮外妊娠などの異常妊娠かどうかをみることができません。安全な妊娠生活を送っていくためにも、妊娠の可能性が分かったら、医療機関へ行きましょう。
なお、病院によっては事前に分娩予約が必要になるので、「分娩予約は何カ月前までに必要ですか?」と医師に確認しておきましょう。
妊娠のために医療機関へ行く場合、初診で何を行うか気になっている人もいるかもしれません。ここでは、妊娠時の初診で行うことについてみていきます。
それぞれ解説していきます。
問診では、医師がこれまでの妊娠とお産の回数について質問します(中絶や流産を含む)。お産の経験がある場合は、分娩方法(経腟分娩または帝王切開のいずれか)を確認します。
また、検査により妊娠の兆候が見られる場合は、前回の生理開始日から妊娠週数を計算します。最後の生理の時期が分からない場合も、胎児の大きさからおよその妊娠週数を判断します。
お腹や膣内に器具を当てて、超音波を照射します。妊娠5~6週になると、エコー検査により胎のうやおなかの赤ちゃんの心拍を確認することができます。
そのほかにも、子宮筋腫や卵巣に異常がないかを確認します。
市販の妊娠検査薬と同じように、医療機関の産婦人科でも尿検査を行います。尿検査では、妊娠時に分泌が増えるホルモン(hCG)が尿中にどのくらい含まれているかみます。
医療機関によっては、エコー検査で胎のうや心拍を確認できなかった場合に限り、尿検査を行うところもあります。
多くの医療機関では、一定期間子宮頸がん検査を受けていない女性に対して、子宮頸がん検査を行っています。子宮頸がんの3%は、妊娠中に発見されます。
検査は膣に専用のブラシを挿入して、子宮の入り口をこすって細胞を採取します。強い痛みを感じることはありませんが、不快に感じることがあります。
このように、妊娠時の初診でもいくつかの検査が行われます。妊娠のために医療機関をはじめて受診する場合は、着替えやすい服装で行くようにしましょう。正常な妊娠の確認は自費になるので、現金で1万~2万円程度用意しておくと安心です。
妊娠中に通う医療機関を選ぶ前に、まずは周辺の病院のリストアップを行いましょう。実家に帰って出産する里帰り出産の場合も、産婦人科の探し方は同じです。
探し方は主に以下の2つです。
それぞれ解説していきます。
インターネットを使って、パソコンやスマホで周囲の医療機関を調べましょう。
「お住まいの市町村+産婦人科」と検索すれば、自宅周辺の産婦人科を調べられます。
知人に「どこかいい産婦人科はない?」と聞いてみましょう。
ひょっとしたら、自宅の周辺で評判のいい産婦人科が見つかるかもしれません。
妊娠中に通う医療機関を決めるにあたって、どこにしようか迷っている人も多いでしょう。近年では、テレビや雑誌を通して、さまざまな出産スタイルが紹介されています。
その後、以下のポイントを参考にして、自分に合った病院を選んでみてください。
ぜひ参考にしてください。
妊娠したら、妊婦健診のため継続的に医療機関へ通う必要があります。妊娠中は心身の変化が起こりやすいので、体調が万全でないこともしばしばあります。妊娠中に通う医療機関は、自宅から近いところや交通アクセスが良いところを選ぶようにしましょう。
目安は自宅から30分以内で到着できる病院です。
妊娠中に通う医療機関にはいくつか種類があり、施設によってもお産時の対応が異なることがあります。
施設面では、個室があるか、「お祝い御前」といった特別な食事があるかなどを確認しておきましょう。
無痛分娩や計画分娩、帝王切開、分娩スタイルや夫の立ち合い出産など、自分の希望するお産ができるかどうかも確認しましょう。妊婦さんの健康状態によっては、助産院でのお産は難しいケースもあります。
出産のリスクも考えながら、医療機関を選ぶのも選択肢の一つです。「助産院でいいと思ったけど、出産のリスクが高そうだから総合病院に切り替える」ということも可能です。
妊娠中に通う医療機関は、院内の雰囲気やスタッフの対応など、合う合わないがあるかもしれません。特にはじめての妊娠の場合、不安や悩みを抱えやすいものです。
知り合いの先輩ママの話やインターネット上の評判などを参考に、自分に合った医療機関を選ぶのもよいでしょう。
医療機関によって費用が異なります。一般的に設備が充実するほど、費用も高くなります。費用に関しては、ホームページに記載されていることが多いです。または、病院に電話で確認してみましょう。
費用面と安全面を考えて医療機関を選ぶようにしましょう。
産婦人科によっては、妊婦さんに向けて病院見学を行っているところもあります。病院見学では、院内の雰囲気やスタッフの対応についてもみることができます。
気になる施設が院内見学を実施している場合は、参加してみるとよいでしょう。院内見学の日時は、他の妊婦さんの分娩予定によっても変わるので、よく確認することが大切です。
出産後のアフターフォローも確認しておきましょう。
育児指導をしてもらえるのか、産後の体のことの相談に乗ってくれそうかなども確認しておくと安心です。
「BFH(Baby Friendly Hospital)」と呼ばれる医療施設なら、母乳育児の相談にも乗ってくれます。
妊娠中に通う産婦人科は、お産まで定期的に通う必要があるため、通いやすい施設を選ぶことが大切です。
また、どんな出産にしたいのかを計画する「バースプラン」を立てておきましょう。「夫に立ち会ってもらいたい」「無痛分娩にしたい」「個室でゆっくりしたい」などの希望が決まれば、産婦人科も選びやすいです。
分娩スタイルだけでなく、院内の雰囲気やスタッフの対応もできる範囲で確認して、自分に合った産婦人科選びをしてみてください。
参考:
産婦人科診療ガイドライン
周産期医療とは 東京都福祉保健局なお、DNA先端株式会社では提携先の医療機関と共に、お腹の赤ちゃんの新型出生前診断(NIPT)を行っています。高齢妊娠などで赤ちゃんの染色体異常のリスクに不安がある方は、お気軽にご相談ください。
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