「赤ちゃんはうつ伏せ寝でも大丈夫なの?」と疑問に持っている人もいるでしょう。
赤ちゃんをうつ伏せ寝させる時期を間違えると危険です。
この記事では、うつ伏せ寝のメリットとデメリット、赤ちゃんにうつ伏せ寝をさせていい時期を紹介します。また、うつ伏せ寝を快適かつ安全に実施するための方法と注意点も詳しく解説します。
赤ちゃんの睡眠環境を整えることは、ママやパパにとって大切な責任の一つ。適切な知識を持って、赤ちゃんが快適に休める環境を整えましょう。
ぜひ参考にしてください。
なお、現在妊娠していて、お腹の中にいる赤ちゃんに先天的な疾患がないか不安に感じている人は、出生前診断を受けてみるのも選択肢の一つです。
出生前診断については、「出生前診断にはどんな種類があるの?」でチェックできます。
うつ伏せ寝のメリット
うつ伏せ寝は、自分の顔を下に向けて眠る方法です。
赤ちゃんにとって、いくつかのメリットがあるといわれています。ここでは、うつ伏せ寝のいくつかのメリットについて詳しく見ていきましょう。
- 頭の形が整う可能性がある
- 発達を促す
- ガスが抜けやすい
順番に解説していきます。
頭の形が整う可能性がある
赤ちゃんがうつ伏せで寝ると、頭の後側が平らになるのを防げる可能性があります。新生児の頭蓋骨は非常に柔らかく、何か月もの間、仰向けで眠っていると、頭が平らになる恐れがあるといわれています。
その点、うつ伏せ寝は、頭蓋骨が均等に圧力を受けることを助け、頭の形がきれいに整うことにつながるかもしれません。
発達を促す
うつ伏せ寝は、赤ちゃんの身体的発達を促します。頭を上げる力、首の力、そして背中、肩や腕の筋肉を使うことが求められるため、これらの部分の力がついてきます。
うつ伏せの体位は、赤ちゃんが将来ゴロンと転がる、ずりばい、座る、ハイハイするといった動作へとつながる大切なステップになります。
そのため、うつ伏せ寝は赤ちゃんの身体的な発達において重要な役割を果たします。うつ伏せ寝をすることで、筋肉が鍛えられ、ずりばい、座る、ハイハイがスムーズにできるようになるかもしれません。
ガスが抜けやすい
赤ちゃんの腹部に圧力をかけることで、ガスが抜けやすくなります。これは特に、腹部の不快感を抱えがちな赤ちゃんにとって有益です。
うつ伏せ寝は、ガスが通りやすくなることによって赤ちゃんを楽にし、泣き止ませられる場合があります。しかし、うつ伏せ寝にする際は、常に赤ちゃんの呼吸を妨げないように注意する必要があります。
うつ伏せ寝のデメリット
うつ伏せ寝はメリットがある一方で、赤ちゃんにとってのデメリットもあります。
- ママやパパの顔が見られず不安を感じる
- SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクがある
- 呼吸がしにくくなる恐れがある
安全上の理由から、特に1歳まではうつ伏せ寝を避ける必要があります。
ママやパパの顔が見られず不安を感じる
うつ伏せ寝の場合、仰向け寝に比べてママやパパの顔が見られず不安を感じるかもしれません。
うつ伏せ寝をさせる場合は、赤ちゃんの背中や頭をなでてあげてスキンシップをとるといいでしょう。
なお、赤ちゃんによっては、不安を感じない場合もあります。赤ちゃんの様子を観察しましょう。
SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクがある
うつ伏せ寝は、SIDS(乳幼児突然死症候群)のリスクを高めることが知られています。SIDSは、特に生後数ヵ月間に発生する危険性があります。
SIDSが起こる原因は今でも明確になっていません。
しかし、うつ伏せ寝の赤ちゃんは、仰向けで寝る赤ちゃんに比べて、SIDSによる突然死のリスクが高まるとされています。このため、多くの保健機関や専門家が、生後数ヵ月の赤ちゃんについては仰向けで寝ることを推奨しています。
呼吸がしにくくなる恐れがある
うつ伏せ寝は、赤ちゃんの呼吸がしにくくなる恐れがあります。顔がマットレスや柔らかい毛布や枕に押し付けられると、呼吸が困難になります。
さらに、自分の首を持ち上げられない赤ちゃんの場合は、やわらかい寝具やぬいぐるみに顔が埋まって窒息するリスクまであります。
生まれたての赤ちゃんは言葉を話せないため、ママやパパが気づかないうちに、赤ちゃんが危険な目にあうかもしれません。
首を自分で持ち上げられない赤ちゃんや寝返りが打てない赤ちゃんは窒息する恐れもあるため、うつ伏せ寝をさせるのは避けましょう。
なお、首を自分で持ち上げられることを「首がすわる」と表現します。首がすわる時期については、以下の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。
赤ちゃんをうつ伏せにしていい時期はいつから?
「赤ちゃんをうつ伏せ寝にしてもいいのは、いつから?」と疑問に思っている人もいるでしょう。
赤ちゃんをうつ伏せ寝にしていい時期については、専門家の間でも意見が分かれることがあり、さまざまな説が存在しています。
一般的には、赤ちゃんが自力で首を持ち上げられるようになり、自分でうつ伏せから仰向けの状態に寝返りをできる力を持つようになるまでは、うつ伏せ寝を避けるべきとされています。
この状態になる時期には個人差がありますが、厚生労働省では、1歳になるまでは仰向け寝で寝かせることを推奨しています。
参考:乳幼児当然死症候群 睡眠中の赤ちゃんの死亡を減らしましょう 厚生労働省
赤ちゃんがこの段階に達する前は、特に夜間や昼寝時には、仰向けで寝かせることを推奨します。
赤ちゃんが寝返りをうてるようになったら、仰向け寝の状態からうつ伏せ寝になっていても戻す必要はないとされています。
赤ちゃんをうつ伏せにする前に知っておきたいこと
赤ちゃんにとって安全で快適な環境を整えることが非常に大切です。
上でもお伝えしましたが、自分で首を持ち上げられない赤ちゃんや寝返りができない赤ちゃんをうつ伏せ寝にすることは避けましょう。
うつ伏せにする際に知っておきたい注意点を紹介します。
- 専門家のアドバイスを参考にする
- 常に監視することの重要性
順番に解説していきます。
専門家のアドバイスを参考にする
赤ちゃんがうつ伏せ寝をしたがっている場合、赤ちゃんがうつ伏せ寝をしている場合は「大丈夫かな?」と不安になるかもしれません。
そんなときは、専門家に相談してアドバイスをもらいましょう。
赤ちゃんの定期健診では、専門の医師から具体的な健康状態や成長の進行具合に関するアドバイスを受けられます。
これらの情報は、赤ちゃんをうつ伏せにする際の参考となり、個々の赤ちゃんの体質や健康状態に合わせた正しい対応を取る上で役立ちます。定期健診では、呼吸の健康や背骨の成長に影響がないかどうか、医師や保健師に相談できます。
また、赤ちゃんの体質に合わせたうつ伏せ寝の安全な方法や注意点も、専門家のアドバイスを聞けます。
常に監視することの重要性
赤ちゃんをうつ伏せに寝かせる際には、常に監視するのが非常に重要です。この睡眠姿勢は、特に小さい赤ちゃんにとって呼吸をしにくくさせるリスクがあるため、常時赤ちゃんの様子を見守る必要があります。
赤ちゃんが快適に安心して眠れるように、寝室の環境を整え、赤ちゃんの呼吸や体の動きに注意を払うことが求められます。
また、赤ちゃんの呼吸が不自然に聞こえた場合や、何か異変を感じたときには、すぐに対処できるように準備しておくといいでしょう。
「眠っているから大丈夫だろう」と長時間赤ちゃんから目を離さないことが大切です。自分ができる範囲で赤ちゃんの様子を定期的に確認するといいでしょう。
うつ伏せ寝を行う際の安全対策
うつ伏せ寝は心地良い睡眠姿勢の一つですが、身体への影響を考えるといくつかの注意点や安全対策が必要になります。
「赤ちゃんが安全に気持ちよくうつ伏せ寝をするためにはどうしたらいいの?」と気になっているママやパパもいるでしょう。
快適に行うための具体的な方法や対策を紹介していきます。
- 1歳まではうつ伏せ寝を避ける
- 硬めのマットレスを選ぶ
- 枕の使用を避ける
- 室温を調整する
ぜひ参考にしてください。
1歳まではうつ伏せ寝を避ける
1歳まではうつ伏せ寝を避けましょう。仰向け寝の状態で寝かせても、いつの間にかうつ伏せ寝になっている場合もあります。
自分の首を持ち上げられず、自力で寝返りができない場合、窒息のリスクがあるため、赤ちゃんを起こさないように仰向け寝の状態に戻してあげましょう。
1歳になると首を自分で持ち上げられるようになり、うつ伏せ寝の状態から、寝返りをして仰向け寝になれるため、うつ伏せ寝の状態のままでもいいとされています。
ただし、1歳を過ぎていても、安全を考えて、ベッドで寝かせるときには、仰向け寝の状態で寝かしつけるのがよいでしょう。最初からうつ伏せ寝で寝かしつけないようにしましょう。
硬めのマットレスを選ぶ
うつ伏せ寝の際、マットレスの硬さは非常に重要な要素となります。柔らかすぎるマットレスでは、体が沈み込みすぎてしまい、腰や背中への負担が大きくなる恐れがあります。
また、マットレスが柔らか過ぎると赤ちゃんがマットレスに埋まって呼吸ができなくなる場合もあります。
一方で、硬めのマットレスを選択することによって、体の沈み込みを適度に防ぎ、腰や背中への負担を軽減できます。また、赤ちゃんがマットレスに埋まるのを防止できるでしょう。
赤ちゃんをうつ伏せ寝させる場合、体が過度に沈まないような、程よい硬さのマットレスを選ぶことが肝心です。
ただし、あまりにも硬すぎると快適さに欠けるため、赤ちゃん向けのマットレスの硬さのものを選びましょう。ベビー用品を販売しているお店の店員に相談してもいいでしょう。
枕の使用を避ける
うつ伏せ寝をする際は、可能であれば枕の使用を避けることが推奨されます。赤ちゃんが枕に埋まって呼吸ができなくなる恐れがあるためです。
完全に枕を取り除くことが難しい場合は、薄めの枕を使用するか、特殊なうつ伏せ用枕を検討してみるのも一つの方法です。
うつ伏せ用の枕は、呼吸がしやすいデザインになっているものや、頭と首を適切にサポートする形状のものがあります。
また、ベッドにぬいぐるみやクッションがあると、赤ちゃんが枕代わりに使うかもしれません。しかし、赤ちゃんが埋まって、呼吸ができなくなる恐れもあるため、ベッドには余計なものは置かないようにしましょう。
室温を調整する
室温は睡眠の質に大きく影響します。特に湿度が高すぎると、寝苦しさを感じたり、皮膚トラブルの原因にもなったりします。一方で、湿度が低すぎると空気が乾燥し、喉や鼻の不調につながります。
寝室の温度は、快適に眠れる範囲で個人差がありますが、室温は赤ちゃんが快適に感じる温度(夏期は25~28℃、冬期は20~25℃が目安)にしましょう。また、湿度は50~60%が理想的とされています。
寝苦しい夜や、体温が高く感じる時は、冷房や扇風機を適宜使用することが重要です。逆に、冬場や寒がりの方は、暖房を使うか、温度調整が可能な電気毛布などを活用して、適切な室温を保つことが大切です。
また、加湿器や除湿器を使って、湿度も調整するのがおすすめです。赤ちゃんはとても敏感なので、室温や湿度は気にしてあげましょう。
室温や湿度については、以下の記事でより詳しく解説していきます。
うつ伏せ寝についての全体的な理解を深めて快適な睡眠を
赤ちゃんのうつ伏せ寝は、頭の形を整える可能性があるなどのメリットがあると同時に、SIDSのリスクや呼吸の問題などのデメリットも伴います。
安全のため、1歳になるまでうつ伏せ寝をおこなうのは避けましょう。首を自分で持ちあげられず、寝返りができない赤ちゃんがうつ伏せ寝をしていたら、起こさないようにそっと仰向けの状態にしてあげましょう。
また、安全にうつ伏せ寝をさせるには、専門家のアドバイスを参考にし、赤ちゃんの成長に応じた適切な時期を見極めることが重要です。
快適なうつ伏せ寝を促すため、以下の点を意識しましょう。
- 硬めのマットレスを選ぶ
- 枕の使用を避ける
- 室温を調整する
赤ちゃんの健康と安全を第一に考慮し、必要に応じて赤ちゃんのうつ伏せ寝をサポートしてあげましょう。
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