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子育てのコツ

モロー反射とは?見られる期間や原因は?激しい場合の対処法や似ている病気

「モロー反射って何?」

と疑問に思っている人もいるでしょう。

モロー反射とは、赤ちゃんが反射的におこなう行動です。モロー反射は赤ちゃんの成長の重要なサインであるため、どんなものか覚えておくことをおすすめします。

この記事では、モロー反射の概要や見られる期間、モロー反射が激しい場合の対処法などをお伝えします。また、モロー反射に似ている病気や気をつけたい疾患もあわせて解説していきます。

モロー反射について知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

なお、現在妊娠していて、お腹の中にいる赤ちゃんに先天的な疾患がないか不安に感じる人は、出生前診断を受けてみるのも選択肢の一つです。

出生前診断については、「出生前診断にはどんな種類があるの?」でチェックできます。

モロー反射とは?

モロー反射(Moro reflex)とは、赤ちゃんが周囲の刺激によって両足を伸ばし、両腕を万歳するように伸ばして、その後抱きつくような動作をする行動です。モロー反射は左右対称におこないます。

赤ちゃんの意志ではなく、反射として自動的におこなわれる原始反射(生まれつき備わっている反射)です。

原始反射には、モロー反射以外に以下のようなものもあります。

  • 把握反射:他にも手のひらに触れると自動的に握る。
  • 捕捉反射:唇に触れたものを探るように口を動かす。
  • 非対称性緊張性頸反射:寝ている赤ちゃんの頭部を傾けると足を伸ばす。
  • 自動歩行:赤ちゃんを支えながら足を床につくと、歩くような足の動きをする。
  • バビンスキー反射:ペンなど先の尖ったもので足の裏側を刺激すると、足の親指が動く。

原始反射は生後1年ほどまで見られ、月齢を重ねるごとに見られなくなっていきます。

モロー反射は別名で「抱きつき反射」とも呼ばれています。モロー反射を知らないママやパパは、はじめは驚くかもしません。しかし、モロー反射は病気ではなく、健康な赤ちゃんでも見られるため、安心しましょう。

なお、赤ちゃんによっては、モロー反射によって目が覚めることもあります。

モロー反射が起こるタイミング

モロー反射は赤ちゃんの頭部の位置が変わったり、音がしたり、明るさや温度の変化があったりすると起こるとされています。

たとえば、ドアを閉めたときの音だけでもモロー反射が起こることがあります。

そのため、モロー反射は1日に何回も起こるものです。

医師などの医療関係者は、1ヶ月健診でモロー反射の有無を確認します。モロー反射は、脳の「脳幹」という部分で制御されているため、モロー反射の有無で脳幹が正しく機能しているかを確かめることできます。中枢神経の発達の具合もモロー反射ではわかるようです。

モロー反射が見られる期間

モロー反射は生後直後から生後4ヶ月くらいまで見られます。赤ちゃんによっては、生後6ヶ月まで続く場合もあります。なお、早産の赤ちゃんの場合は、モロー反射が起こるまで時間がかかることがあるでしょう。

脳(中枢神経)が発達するにつれて、モロー反射も見られなくなってきます。モロー反射が消失すると首が据わるとされています。

モロー反射の有無は、赤ちゃんの成長具合を見るサインとしても役に立つでしょう。

6ヶ月を過ぎてもモロー反射の消失しない場合は、病気や障害がある恐れがあるため、小児科に相談しましょう。

モロー反射の原因

モロー反射は母親に抱きついたり、落ちそうになったときに周りにつかまったりするための反射と考えられています。

また、赤ちゃんが外部から身を守るための防御反応という説もあります。

生まれて間もない赤ちゃんは、自分で危険を予知できないため、身を守るために反射により身を守っているのかもしれません。

モロー反射が多くて激しい場合の対処法

「モロー反射の回数が多く激しい」「モロー反射のせいで赤ちゃんが起きてしまう」とお悩みの人もいるでしょう。

そこで、この章では、モロー反射が激しい場合の対処法をお伝えします。

  • おくるみを使う
  • 外部の刺激を減らす
  • 抱き方を工夫する

それぞれ解説していきます。モロー反射が激しく、赤ちゃんが起きてしまうとパパやママも寝不足になるため、必要に応じて対処法は、ぜひ実践してみましょう。

おくるみを使う

おくるみを使って赤ちゃんを包むことで、モロー反射を防止する方法です。

赤ちゃんをおくるみで包み、腕や足が動かないようにします。おくるみは、赤ちゃんの肌に負担がかからないように、刺激が少ないオーガニックコットンを使用するのがおすすめです。

冬はフリース、夏はガーゼやパイルなど他の生地のおくるみを使うと、赤ちゃんは快適に過ごしやすいでしょう。なお、おくるみできつく包みすぎると赤ちゃんのストレスになるため、注意が必要です。

オーガニックコットのおくるみを嫌がって赤ちゃんが泣く場合は、別の素材の生地を試してみましょう。

おくるみで赤ちゃんを包んだあとは、赤ちゃんの反応をよく観察するようにします。

もしおくるみを使って赤ちゃんが泣いてしまう場合は、次で紹介する他の方法をおこないましょう。

外部の刺激を減らす

モロー反射は音、温度や光によって起こります。そのため、できるだけ外部からの刺激を減らすようにすると、モロー反射も減らせるでしょう。

具体的には、以下のとおりです。すべておこなう必要はないため、できそうなものから実践してください。

  • エアコンで温度をできるだけ一定に保つ
  • 照明の明るさを落とす
  • ドアをそっと閉める
  • 窓を閉めて騒音を減らす
  • 扇風機やエアコンの風が赤ちゃんに直接当たらないようにする
  • 寝具をパパやママの腕の中の温度くらいまで温めておく
  • 部屋に強い日光が当たらないようにカーテンを閉める

赤ちゃんを刺激しないような環境を作りましょう。ただし、赤ちゃんも悪気があってモロー反射をしているわけではないため、神経質になりすぎないように注意しましょう。

抱き方を工夫する

赤ちゃんの頭の位置を変えるとモロー反射が起こります。そのため、頭の位置を変えないように抱き方を工夫するのがおすすめです。

頭の位置が変わらないとモロー反射を抑えることが可能です。

ただし、身体の向きが変わることでもモロー反射は起こります。赤ちゃんが安心できるようにやさしく抱いてあげましょう。こまめにスキンシップをとってあげることで、赤ちゃんもリラックスしやすくなります。

モロー反射の注意点

「モロー反射で気をつけることは何かある?」と疑問に思っている人もいるでしょう。

モロー反射の注意点には、主に次の3つがあります。

  • モロー反射が消失する時期には個人差がある
  • モロー反射と発達障害の関係は不明
  • モロー反射に異常があるなら小児科に相談

それぞれ順番に解説していきます。

モロー反射が消失する時期には個人差がある

モロー反射が消失するまでは、赤ちゃんによって個人差があるため、「同じくらいの月齢の赤ちゃんはモロー反射が終わっているのに、うちの子は終わっていない」と焦らないことが大切です。

6ヶ月まではモロー反射の消失を見守りましょう。

モロー反射と発達障害の関係は不明

モロー反射は健康な新生児にも見られる反応です。そのため、モロー反射が起こっているからといって、発達障害を抱えているとは言えません。

ただし、モロー反射が6ヶ月を超えて、あまりにも長く続く場合は、発達障害の恐れがあるかもしれません。

モロー反射に異常があるなら小児科に相談

モロー反射に次のような異常が見られたときは、小児科に相談しましょう。

  • 4ヶ月以内なのにモロー反射が正しくおこなわれない
  • 6ヶ月以上経ってもモロー反射が起こる
  • 腕が左右非対称に動く場合

もしかすると、病気や脳や神経の問題の恐れがあるかもしれません。

モロー反射に似ている病気や気をつけたい疾患については、次の章でお伝えします。

モロー反射に似ている病気や気をつけたい疾患

モロー反射に似ている病気・疾患には次のものがあります。

  • 点頭てんかん
  • 腕神経叢麻痺
  • 核黄疸
  • 脳性麻痺
  • 鎖骨骨折

それぞれ解説していきます。心配な場合は早めに小児科に相談することをおすすめします。

点頭てんかん

点頭てんかんは生後3ヶ月~1年以内の幼児が発症するてんかんです。イギリスのウエスト医師が発表したことから「ウエスト症候群」と呼ばれることもあります。

脳障害が原因の疾患です。

点頭てんかんの発作が起きると、両腕を振り上げます。てんかんになると突然、うなずくような動作やお辞儀のような動作をします。他にも一瞬力が入るようになるのも特徴です。発作は数秒でおさまります。

モロー反射に似ていますが、てんかんによる症状です。モロー反射とは異なり、音や光や温度などの変化に関係なく起こります。素人では点頭てんかんかどうかの判断が難しいため、赤ちゃんが発作と思われる動きをしたときの動画を撮影して、医師に見せるのもいいでしょう。

点頭てんかん放置をすると発育に悪影響を与えるため、「何かおかしい」と思ったら、早急に病院で治療しましょう。

腕神経叢麻痺

腕神経叢麻痺(わんしんけいそうまひ)は、手の神経が分娩の際に傷ついてしまい、手が上手に動かなくなったり、片方の腕しか動かなくなったりする疾患です。

ママの骨盤が狭い場合や頭の大きな赤ちゃんに起こりやすいです。本来は左右対称のモロー反射が左右非対称になることで、気づくことがあります。

軽度の場合は、自然に回復しますが、場合によっては手術が必要になります。重度の場合は障害が残る恐れもあるため、すみやかに医師に相談しましょう。

核黄疸

核黄疸(かくおうだん)という状態になっている恐れがあります。核黄疸は、血中で増加した「ビリルビン」という色素の影響で、皮膚や眼球が黄色くなるのが特徴です。他にもミルクを飲む力が弱くなったり、元気がなくなったりすることもあります。

モロー反射をしなかったり、モロー反射の動作が弱かったりする場合は、核黄疸の恐れがあります。

核黄疸は色素(ビリルビン)が脳に沈着することにより脳性麻痺の原因にもなるため、早期の治療が必要です。

脳性麻痺

発達段階で脳が損傷することで、引き起こされる運動障害です。

手足が麻痺したり、飲み込んだり噛んだりする力が弱くなったりするのが特徴です。他にも手足がこわばって硬くなったり、はいはいが遅くなったりすることがあります。

脳性麻痺の場合、モロー反射が1歳になっても消失しないことがあります。脳性麻痺の恐れがある場合も早めに医師に相談することをおすすめします。

鎖骨骨折

鎖骨骨折している場合、赤ちゃんの腕が上手く動かないです。

鎖骨骨折は分娩時に起こります。赤ちゃんが産道にひっかかり、骨に負担がかかることで、骨折するのです。吸引器で赤ちゃんを取り出す吸引分娩、鉗子(かんし)という金属製の器具で赤ちゃんを取り出す鉗子分娩によって起こります。

鎖骨骨折になっているとモロー反射の際の腕の動きが左右非対称になります。

赤ちゃんが痛がっていない場合あるので、モロー反射の際の腕の動きが左右対称になっているか確認しましょう。

程度によっては自然に回復しますが、状態によっては手術が必要になることもあります。

モロー反射について覚えておきましょう

赤ちゃんが意識せずにおこなうモロー反射は、健康な赤ちゃんにも見られます。

生後6ヶ月まではモロー反射があっても心配する必要はないでしょう。

もしもモロー反射が激しい場合は、以下の対処法を試してもよいでしょう。

  • おくるみを使う
  • 外部の刺激を減らす
  • 抱き方を工夫する

しかし、生後6ヶ月以降もモロー反射のような動作をおこなったら、以下の病気・疾患の恐れもあると知っておきましょう。

  • 点頭てんかん
  • 腕神経叢麻痺
  • 核黄疸
  • 脳性麻痺
  • 鎖骨骨折

モロー反射は脳が順調に発達している証拠なので、生後4ヶ月~6ヶ月まで、あたたかく見守ってあげましょう。

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