2024.04.25
妊娠
お腹がふっくらするイメージがある妊娠。妊婦さんの中には、自分と周りの妊婦さんのお腹の出方の違いに気が付いた人もいるのではないでしょうか。お腹の出方で赤ちゃんの性別について指摘された人もいるかもしれません。
そこで、妊娠中にお腹が出る人と出ない人の特徴やお腹の出方にまつわるジンクスについて解説します。自分のお腹の出具合について気になっている人はぜひ参考にしてみてください。
妊婦さんのお腹はふっくらしているイメージがありますが、実際に妊婦さんのお腹が出るのは妊娠中期からです。妊娠初期にはお腹に大きな変化がみられにくいですが、妊娠5ヵ月頃になると、多くの妊婦さんがお腹にふっくらした感じがみられるようになります。
妊娠後期になると、一般的にイメージされているように妊婦さんのお腹が張り出してきます。出産に向けて赤ちゃんが成長していくのにともない、妊婦さんのお腹はさらに大きくなっていきます。
妊婦さんのお腹が出始めるのは妊娠中期ですが、人によってはお腹が目立つ人もいます。お腹が出やすいタイプの妊婦さんは以下の通りです。
過去に出産を経験している人は、次の妊娠時にお腹が出やすくなります。1回目の妊娠ですでにお腹が大きくなっているため、皮膚が伸展しやすくなっているためです。
経産婦さんでは、妊娠線もできやすくなっているため、しっかり保湿ケアをしましょう。
腹筋が少ない妊婦さんは、妊娠中にお腹が大きくなりやすい特徴があります。腹筋はお腹の内臓を支える働きがあるためです。
そもそも女性は男性よりも腹筋が少ないため、お腹が出やすい人がほとんどです。食後におなかがポッコリ出てしまう女性は、妊娠でもお腹が出やすいといえます。
多胎妊娠は2人以上の赤ちゃんを妊娠していることです。双子や三つ子の赤ちゃんを妊娠していると、その分妊婦さんのお腹が大きくなります。
また、多胎妊娠では妊娠中のお腹が大きくなるペースも早くなります。多胎妊娠の人は妊娠8ヵ月には、単胎妊娠の人の臨月と同じくらいのお腹の大きさになります。
妊娠中におなかの赤ちゃんが大きいと、お腹も大きくなります。赤ちゃんが大きく育っているのは良いイメージがありますが、難産のリスクがあるため、一概に良いとはいえません。
おなかの赤ちゃんが大きくなるのは、両親の遺伝によるものもありますが、妊娠糖尿病などにより妊婦さんの血糖コントロールが不良であることも原因にあります
羊水とは妊娠中に、子宮内を満たしている水分のことをいいます。妊娠中に羊水の量が多くなりすぎると(羊水過多)、妊婦さんのお腹が大きくなることがあります。
羊水の主成分は赤ちゃんのおしっこです。赤ちゃんはお腹の中でおしっこをする・羊水を飲み込むことを繰り返しています。妊娠後期にみられる羊水過多は、お腹の赤ちゃんの消化器官の異常や、妊娠糖尿病により赤ちゃんの尿量が増えることが原因にあります。
妊婦さんの中には、妊娠中でもお腹があまり目立たない人がいます。お腹が出にくい妊婦さんの特徴の以下の通りです。
普段からスポーツの習慣がある妊婦さんはお腹が出にくい特徴があります。赤ちゃんの成長と共に子宮が大きくなっても、腹筋が壁のように支えるため、体の前方に出にくくなるためです。
妊娠中に赤ちゃんが小さめだと、同じ妊娠週数の妊婦さんと比べて、お腹の大きさが目立ちにくいことがあります。赤ちゃんの体が小さい理由には、両親からの遺伝の他にも、妊婦さんの体重増加が少ないことや、飲酒や喫煙による発育不全も考えられます。
また、妊娠初期のように赤ちゃんのサイズが小さいうちは、お腹の張りだしはみられません(妊娠をきっかけにお腹の血流が良くなって、お腹が出ることはあります)。
妊婦さんのお腹の出方に関連した迷信や言い伝えにはいくつかあります。ここでは、妊娠中のお腹に関する迷信とその科学的根拠の有無についてみていきましょう。
妊娠中のお腹にまつわる迷信でよくいわれるのが、赤ちゃんの性別に関するものです。多くの地域では、「妊婦さんのお腹が前に突き出ていると男の子、お腹が横に広がっていると女の子」と言われています。
しかし、妊婦さんのお腹の出方と赤ちゃんの性別は科学的な根拠はありません。また、生まれてきた赤ちゃんの性別が男の子または女の子かどうかは、2分の1の確率です。
出産経験のある女性の中には、「お腹の出方と赤ちゃんの性別が当たっていた」という人もいれば、「お腹の出方と反対の性別の赤ちゃんが産まれた」という人もいるようです。
妊婦さんのお腹にまつわる迷信には、「お腹が出ていると安産」といわれることもあります。お腹の出方とお産の大変さについては、少なからず根拠があります。
お腹が出ている妊婦さんは骨盤が広いことが多く、お産が楽になる可能性があります。一方、お腹が出ていない妊婦さんは骨盤が狭いことが多く、お産が大変になる可能性があります。
また妊娠中のお腹の大きさは、赤ちゃんの位置の影響を受けます。妊婦さんのお腹が前に出ているとき、赤ちゃんの頭が下側にあり縦型に収まっていることが多く、お産がスムーズになります。
一方、お腹が横に広がっているときは、赤ちゃんが横向きになっていることがあり、難産になることがあります。
妊娠によりお腹が大きくなる時期は、赤ちゃんの胎動も感じられるようになるため、妊娠していることを実感できる嬉しい期間でもあります。一方で、妊婦さんのお腹が大きくなってきたら、次の点に気を付けるようにしましょう。
妊娠中にお腹が大きくなると、重くなったお腹を支えようとして、反り腰になる人が多くいます。反り腰はお腹をせり出したような姿勢になるため、腰や背中に負担がかかるものです。
悪い姿勢が続くと、腰痛や肩こりが慢性的に続くため、正しい姿勢を心がけるようにしましょう。
妊娠によりお腹が大きくなると、体の重心のバランスが変化するため転びやすくなります。また、妊婦さんによっては、立った時にお腹で前足が見えないこともあります。
妊婦さんが転倒してお腹を強く打つと、赤ちゃんの健康状態にも影響を与えるリスクがあります。妊娠中に転ばないようにするには、スニーカーなど歩きやすい靴を選ぶことが大切です。また、自転車もバランスを崩しやすいので、乗るのを控えるようにしましょう。
妊娠中のお腹の出やすさや出にくさにはさまざまな要因があります。お腹の出方が他の妊婦さんと違っていても、赤ちゃんの健康状態に問題なければ大きな心配はいりません。
お腹が出ている・出ていないが赤ちゃんの健康状態を示していることもあるので、定期的に妊婦健診を受けることが大切です。
また、DNA先端医療のNIPT(新型出生前診断)では、ダウン症などの染色体異常のほかに性別の判定も早い時期から検査できます。
気になる方はお気軽にお問い合わせくださいませ。
参考:
和歌山県立医科大学 産科婦人科学教室/産科【 胎児発育不全(FGR)】
北海道に於ける妊娠・出産に関する俗信から見た産育意識の一考察
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