2023.10.14
妊娠
妊婦さんの中には、ときどきお腹の張りを感じる方もいるのではないでしょうか。妊娠中のお腹の張りは、赤ちゃんや自分の健康に何か問題が起きているのではと気になりますよね。
そこで、妊娠中にお腹の張りが起きる原因と対策について解説します。ときどきお腹の張りがみられる妊婦さんや、妊娠中のお腹の張りについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
妊娠中のお腹の張りは、刺激に対して子宮収縮が生じることで起こります。普段の子宮の筋肉は柔らかいですが収縮を起こすと、キュッと筋肉が硬くなります。
特に、妊娠中は刺激に対する子宮の感受性が高まるので、お腹の張りを起こしやすい時期です。妊娠中のお腹の張りにより、お腹の表面が硬くなったり、お腹の真ん中が突き出たりするように感じます。
妊娠中は便秘になりやすいですが、ガスが溜まってお腹が張るのとは異なります。また、妊娠により子宮が大きくなると、お腹の皮膚やお腹を支える靭帯が引っ張られることで、張ったように感じることもあります。
妊婦さんの中には、子宮収縮がどのような状態なのか分からない人もいるでしょう。妊娠中のお腹の張りを感じるタイミングや感じ方は個人差があります。妊娠中のお腹の張りの感じ方の例には以下のものがあります。
妊娠中のお腹の張りは、妊娠週数が進むにつれて強く感じるようになります。妊娠初期は子宮がまだ小さく収縮も部分的に起こりますが、妊娠が経過して子宮が大きくなると、局所で起こっていた子宮の収縮が全体に波及するようになります。
子宮収縮の大きな波が来ている状態が陣痛です。陣痛による子宮収縮が起こると、子宮の入り口部分に圧力がかかり、お腹の赤ちゃんや胎盤、羊水を排出しようとする力が働きます。
1時間に数回お腹が張る程度であれば、安静にすることで症状が治まることがほとんどです。一方、お腹の張りに痛みをともない、数分おきに規則的に起こるようであれば、陣痛による子宮収縮の可能性が高くなります。
妊娠中に起こるお腹の張りには、生理的によるものと病気によるものがあります。お腹の張りが起こりやすいタイミングや原因についてみていきましょう。
妊娠中に体に疲れやストレスを感じると、お腹の張りがみられることがあります。特に、仕事や家事をしているときや、運動をしているときはお腹の張りを感じる人が多い特徴があります。
妊娠中にお腹に力が入る動作をすると、お腹の張りが現れやすくなります。腹筋に力を入れると、子宮が圧迫されるため、子宮収縮が起こりやすくなるためです。
また、直接お腹に力を入れていなくても、長時間歩いたり立ったりすると、全身の筋肉に力が入るので、お腹の張りが起こることもあります。
妊娠中に体の冷えが続くと、お腹の張りを起こすことがあります。身体の冷えにより、子宮の血管や筋肉も収縮しやすくなります。入浴や軽い運動をすると、体の冷えの解消に役立ちます。
乳頭マッサージは、出産後にスムーズに母乳育児をするために行います。マッサージで乳首を柔らかくすることで、赤ちゃんが吸いやすくなります。一方で、妊娠中に乳頭マッサージをすると、オキシトシンという子宮収縮を促すホルモンの分泌が促されます。
セックスのピストン運動やオーガズムも、子宮収縮を起こすオキシトシンの分泌を促します。また、コンドームをつけずにセックスをすると、子宮口の細菌感染の原因になることもあります。
子宮の入り口の細菌感染で炎症物質が作られると、子宮口が柔らかくなり、切迫早産のリスクを高めます。
子宮筋腫は子宮を構成する筋肉ができる良性腫瘍です。妊娠中に子宮に筋腫があると、お腹が張りやすくなったり、強い痛みを感じやすくなったりします。
切迫早産は早晩になる危険性が高い状態で、規則的な子宮収縮が頻回に起こります。お腹の張りや痛みで出血がみられますが、自覚症状がないこともあります。
妊娠中のお腹の張りは痛みや不快を感じるので、予防やケアに努めるようにしましょう。
妊娠中にお腹の張りが起こるタイミングは、妊婦さんによって異なります。家事をしているときにお腹の張りを感じる人もいれば、おっぱいマッサージでおお腹の張りを感じる人もいます。
お腹の張りを起こりにくくするためには、妊娠中の子宮収縮が起きやすいタイミングや原因を知ることが大切です。
妊娠中のお腹の張りが生理的な子宮収縮であれば、安静により自然に治まることがほとんどです。とはいえ、一言で安静といっても、お腹の張りが起こる原因によって対処法は異なります。
例えば、仕事や家事の最中にお腹の張りがみられるのなら、途中で休憩を入れるようにしましょう。乳頭マッサージでお腹の張りが起こるのであれば、マッサージを中止する必要があります。
妊娠週数が進むほど、お腹の張りの回数が増えていくのは自然なことです。一方、以下の場合は、妊娠に異常が生じている可能性があるので早急に産婦人科を受診しましょう。
妊娠中のお腹の張りが切迫早産によるものであれば、早急にかかりつけの産婦人科を受診しましょう。切迫早産でお腹の張りや出血がみられていても、赤ちゃんの心拍があり、子宮の入り口が開いていなければ、妊娠を継続することができます。
切迫流産の治療でまず行われるのが、安静です。安静を保つことで、お腹の張りや出血が改善することも多くなります。場合によっては、子宮収縮剤の内服や点滴が必要になることもあります。
また、切迫流産により子宮の入り口部分が開いている場合は、手術により子宮口の縫合を行います。
妊娠中に起こるお腹の張りは、子宮の収縮によって起こります。子宮の収縮が生理的に起こっている場合は、安静によりお腹の張りが自然に治まることがほとんどです。
一方で、切迫早産など妊娠に異常が起きている場合に、お腹に強い張りが起こることがあります。
妊娠中にお腹の張りが強かったり、出血をともなったりするときは、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
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