2023.09.08
妊娠
妊婦中の方には、カフェイン摂取について心配になっている方もいるのではないでしょうか?カフェインはコーヒーやお茶に含まれますが、妊娠中に摂取しておなかの赤ちゃんに影響がないのか気になりますよね。
この記事では、妊娠中のカフェイン摂取による影響や、1日のカフェイン摂取量の目安について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
カフェインとは、コーヒーやお茶に含まれる苦味の主成分で、コーラのような清涼飲料水にも添加されています。
カフェインには興奮作用や眠気覚ましの作用があります。そのため、近年ではエネルギードリンクのようにカフェインが大量に添加された飲み物もあります。
飲み物以外では、眠気防止の薬やかぜ薬、酔い止めにもカフェインが含まれています。このように、カフェインは身近な物に含まれているため、知らず知らずに摂取につながっていることもあるのです。
カフェインの感受性は個人差がありますが、摂取すると中枢神経が刺激されます。カフェインの適度な摂取は、脳や筋肉を刺激して、眠気を抑えて疲労感を除去する効果があります。
また、カフェインには利尿作用もあり、体内の水分を排出するのでむくみにも効果が期待できます。その一方で、カフェインを過剰摂取すると、動悸・興奮・不安・震え・不眠・吐き気・下痢などの症状がみられるようになります。
妊娠中のカフェイン摂取による母子の影響は明らかになっていませんが、いくつかの健康への影響が懸念されています。カフェイン摂取による妊婦さんとおなかの赤ちゃんへの健康リスクは以下です。
カフェインは中枢神経に作用するため、過剰に摂取すると不調の原因になることがあります。生活を工夫しているのに、疲れやイライラ感が続く場合は、カフェイン摂取が原因かもしれません。
また、カフェインを摂取すると、鉄分の吸収が妨げられるリスクがあります。妊娠中は多くの血液を必要とするため、体内の鉄分が不足し、貧血が起こりやすくなります。
貧血予防のためにも、妊娠中はカフェインの取りすぎに注意しましょう。
妊婦さんがカフェインを摂取すると、胎盤を経由しておなかの赤ちゃんや羊水にも届きます。
妊娠中にカフェインを過剰摂取すると、赤ちゃんが発育不全を起こすリスクが報告されています。また、カフェインにより、胎盤の血管が収縮したり、赤ちゃんの心拍数が増加したりする可能性もあります。
カフェインの代謝は肝臓で行われますが、おなかの赤ちゃんの肝臓の機能は十分に発達していません。妊娠中にカフェインを摂取すると、おなかの赤ちゃんはカフェインをスムーズに代謝できないため、長時間カフェインがとどまり、影響を与えることになります。
カフェインは過剰に摂取しないことが大切です。海外では、カフェインを含むエナジードリンクの大量摂取による死亡事故も報告されています。
とはいえ、現時点で日本には妊娠中のカフェイン摂取量の目安について設定されていません。世界の国々をみても、イギリスは1日あたり200㎎、カナダは1日あたり300㎎としており、妊婦さんの1日のカフェイン摂取量はバラバラです。
これらを踏まえた上で、妊娠中にカフェインを含まれた飲み物を摂取するのであれば、1日のカフェイン量は200~300㎎が1つの目安になります。カフェイン200~300㎎はコーヒーなら2~3杯分、紅茶なら4~5杯分に相当します。
カフェインは体内にとどまる時間が長い特徴があります。カフェインを摂取後6時間ほどで、ようやく体内で半分の量になります。そのため、カフェインが含まれている飲み物は、夕方までに飲むようにしましょう。
体内にカフェインが多く残っていると、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が下がったりする原因になります。
カフェインが多く含まれている飲み物には、コーヒーが良く知られていますが、実は緑茶にも多く含まれています。
コーヒーのカフェイン量は1%弱程度に対し、玉露には3%のカフェイン量が含まれており、紅茶にも2~3%のカフェインが含まれています。また、コーラやエナジードリンクもカフェインが添加されているので、知らず知らずのうちにカフェインをたくさん摂取していることもあるかもしれません。
飲み物100mlあたりに含まれているカフェインの量は以下になります。
インスタントコーヒー | 80㎎ |
ドリップコーヒー | 60㎎ |
紅茶 | 30㎎ |
玉露 | 160㎎ |
煎茶 | 20㎎ |
ウーロン茶 | 20㎎ |
ほうじ茶 | 20㎎ |
ココア | 8㎎ |
コーラ | 8㎎ |
エナジードリンク | 32~300㎎ |
妊娠中のカフェインの影響について知った妊婦さんの中には、気付かずにカフェインを過剰摂取していた方もいるかもしれません。カフェインの過剰摂取による母子への健康はあきらかではないので、大きな心配は不要です。
とはいえ、妊婦さんが継続的にカフェインを過剰に摂取すると、母子の健康にリスクを生じる可能性があります。妊娠中は1日のカフェインの摂取量を目安量の範囲内に抑えるように工夫してみましょう。
お茶やコーヒーが好きな妊婦さんは、気付かないうちにカフェインを大量に摂取してしまうことがあります。
カフェインが含まれている飲み物にはリラックス作用もあるので、妊娠中に無理して飲むのを止める必要はありません。カフェイン飲料を飲むときは適量を摂取するようにしましょう。
妊婦さんの飲み物でおすすめはノンカフェイン飲料です。ノンカフェイン飲料のお茶類には、麦茶・ルイボスティー・タンポポ茶などがあります。コーヒーを飲みたい人は、カフェインレスコーヒーを飲んでみるのもよいでしょう。
妊娠中のカフェイン摂取を少なくするために、他の飲み物に置き換えるのは良いことです。しかしながら、飲み物によっては健康への影響があるものもあるので注意しましょう。
例えば、妊娠中のアルコール摂取は、おなかの赤ちゃんの奇形を引き起こしたり、発達を妨げたりするリスクがあります。また、糖分の多いジュースは、飲み過ぎにより体重が増えすぎたり、妊娠糖尿病を引き起こしたりする原因になることがあります。
ハーブティーは健康に良いイメージがありますが、カモミールなど妊娠中に適さないものもあるので注意が必要です。
カフェインが含まれているコーヒーやお茶には、リラックス効果があるので、妊娠中に無理にやめる必要はありません。とはいえ、カフェインは強い生理作用があるので、妊娠中は特に飲み過ぎには注意が必要です。
妊娠中のカフェイン摂取の目安は、コーヒー2~3杯が目安になります。コーヒーやお茶を飲むのが好きな人は、ノンカフェイン飲料をうまく取り入れて、カフェインの過剰摂取を防ぎましょう。
参考:
食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう
カフェインの過剰摂取について
妊娠中のカフェイン摂取は大丈夫?
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