2022.12.27
妊娠
妊活のためにしておきたい活動を、カップル2人で準備すること、女性、男性がしておきたいことに分けて紹介します。妊活はカップル2人で取り組むものです。妊活をきっかけに、2人の将来を今一度見つめ直してみませんか?
妊活とは妊娠に向けて、様々な知識を得たり、カップルで様々な考えを共有したり、妊娠に向けて体調を整えることを指します。
「子どもを授かりたい」と思ったときに、すぐに子どもを授かることができる場合もあれば、そうでない場合もあります。また現在不妊に関する悩みを抱えているカップルの割合は6組に1組程度(※①)と言われており、不妊は珍しいことではありません。
加えて年齢を重ねるごとに、妊娠確率は低くなるため、子どもを授かりたいという希望がある場合、なるべく早めに妊活を始めることをおすすめします。
妊活とは女性だけがするもの、というイメージがある時代もありましたが、妊娠はカップルで協力してすすめることがなによりも大切です。妊活のために、カップルで準備することを紹介します。
今すぐ子どもを授かりたいのか、しばらくは2人の時間を楽しみたいのかなど、妊娠についてカップルの思いや意見が一致しないこともあります。
また妊娠そのものについても、自然にすすめたいか、早い段階で高度な治療に進みたいかなど、価値観や考え方は人それぞれであり、年齢や経済環境によっても異なります。
妊娠、出産に伴いこれまでの2人の生活とは大きく変化します。妊娠後の生活についても考えを共有しておきましょう。
また時間が経過するにつれて希望や考え方は変化するため、定期的にカップルで話し合い、お互いの考えは把握しておきましょう。
「避妊をしないで性行為をすれば、すぐに妊娠できると思っていた」「妊娠しないのは女性だけに原因があると思っていた」など、そもそも妊娠について正しい知識をもたないまま妊活がスタートしてしまうと、かえって遠回りになってしまう可能性もあります。
また妊活というと「妊娠すること」に重きが置かれがちですが、妊娠後には妊婦生活、出産、子育てと、妊娠することがゴールではありません。
妊娠そのものの知識はもちろん、妊娠したあとについての知識も少しずつ学んでいきましょう。
妊活のために女性がしておきたい行動を紹介します。妊活を通して、自分の体調を整え、体を見直すきっかけにもなります。
朝目覚めたときに起き上がらず、寝たままの状態で舌の下に婦人体温計を入れて5分間はかった温度を、基礎体温といいます(※②)。
通常、健康な女性の基礎体温は月経が始まると体温が低くなり、排卵直後から次の月経までは体温が高くなる、二相性を示します。
基礎体温の詳細や測定方法、グラフの見方などについてはこちらの記事で詳しく紹介していますので、合わせて参考にしてください。
妊娠ができるのは排卵日(排卵期)で、この時期に卵子と精子が出会うと受精卵となります。排卵日は16~32時間程度続くと言われており、排卵日の確認方法の1つとして、基礎体温を測定することは有効です。
基礎体温測定以外で排卵日を知る方法はこちらの記事で詳しく紹介しています。
なかなか子どもを授かることができず病院を受診したら原因が発覚した、というケースは決して珍しくありません。
産婦人科では、妊娠できるかどうか、子宮や卵巣、ホルモンなどをはじめとした自分の体の状態を調べたりすることができ、病気の早期発見、早期治療にもつながります。
産婦人科や不妊治療専門クリニックでは、ブライダルチェックを設けている病院もありますので、一度病院を受診し、体の状態をチェックしてみましょう。
また年齢を重ねるにつれて、妊娠のしやすさは低下します。30代後半を過ぎた方は、妊活をはじめた時点でまずは産婦人科を受診し、体の状態をチェックしてもらい、今後の妊活のアドバイスを受けることをおすすめします。
葉酸とは水溶性ビタミンBの一種で、神経管閉鎖障害のリスク軽減などに効果があると言われています。
神経管閉鎖障害は妊娠初期に起こる赤ちゃんの先天性異常で、神経管が上手く作られなくなります。神経管閉鎖障害のリスク軽減のためには、妊娠してから、ではなく妊娠前からの葉酸摂取が必要です。
厚生労働省や日本産科婦人科学会では妊娠前3か月から400μg/日の葉酸摂取を推奨しています(※③)。
葉酸はほうれん草をはじめとした緑黄色野菜や柑橘類、大豆などに多く含まれています。葉酸をはじめとしたバランスの良い食事を摂取し、サプリメントや栄養補助食品も上手く活用しながら葉酸を摂取していきましょう。
体を温めるメリットはたくさんあり、妊活にも効果的です。体を温めることで、血行や代謝を促進し、免疫力の向上にもつながります。
体を温めるため、温かい飲み物を積極的に取り入れたり、生姜や根菜類などを摂取する、湯船にゆっくりと浸かったり、薄着を避け、靴下やひざ掛けを使用するなど、日常生活で体を温める行動を取り入れてみましょう。
妊娠中にアルコールを摂取すると、胎児の形態異常や脳萎縮、胎児発育不全、妊婦のうつ症状の悪化と関連があると言われており、飲酒の量や時期には関係ないと言われています(※④)。
また過度なアルコールは妊活に関係なく体に悪影響のため、妊活の段階から、アルコールを控えたほうが良いでしょう。
またタバコにより、子宮内胎児発育遅延や流産、早産、前置胎盤、胎盤早期剥離などの異常が増加します。妊活中であっても、タバコに含まれるニコチンをはじめとした様々な有害物質が、卵巣機能の低下や卵子の質の低下を招くと言われています。
ご自身の健康のためにも、禁煙をおすすめします。
過剰なストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れにつながります。また妊活そのものが大きなストレスになっている場合もあります。ストレスを完全になくすことは難しいかもしれませんが、自分の心と身体を大切にし、好きなことをし、リラックスできる環境を作れるよう工夫してみましょう。
極度の肥満や体重減少は排卵が起こらなかったり、不妊の原因の1つとなります(※⑤)。特に女性は過度なダイエットのため食事制限をしている場合がありますが、妊活のためには、主食、主菜、副菜、汁物を組み合わせたバランスの良い食事摂取を意識しましょう。
睡眠が不足がちになり、睡眠のリズムが崩れると自律神経やホルモンバランスの乱れにつながります。睡眠時間はもちろん、起床、就寝の時間をなるべく一定にできるよう、一度ご自身の生活スタイルを見直すのもよいでしょう。
適度な運動は健康にいいことはもちろん、気分転換やリフレッシュなど、メンタル面への効果もあります。軽いウォーキングやヨガなど、無理のない運動を日常生活に取り入れてみましょう。
不妊の場合、男性側に理由がある割合と、女性側に理由がある割合は、ほぼ半々だと言われています(※⑤)。
妊活で男性がしておきたいことを紹介します。
女性側だけ不妊治療をして結果が出ず、男性が検査すると実は男性側に問題があったということはよくあります。妊活をはじめた時点で、精液検査で精子の量や数、運動率などを調べておきましょう。
妊娠中に風疹にかかると、難聴、心疾患、白内障などの先天性風疹症候群が出る可能性があります。風疹の報告の7割以上は男性のため、風疹の抗体検査を受け、必要であれば予防接種を受けましょう(※⑥)。
今回の記事では、妊活についてカップルで準備すること、女性、男性がそれぞれ妊活のためにしたいことを紹介しました。
妊活は女性だけですすめるのではなく、カップルで協力して取り組むことが大切です。妊娠や将来設計など、お互いの考えを共有、尊重した上で、自分のできる範囲から、体作りに取り組んでいきましょう。
【参考文献】
①2010年出生動向基本調査 国立社会保障・人工問題研究所
②公益財団法人日本産婦人科医会 – 基礎体温とはどういうものですか。
③厚生労働省 – 妊娠前からはじめる妊産婦のための食生活指針
④公益財団法人日本産婦人科医会 – 10.妊娠中の飲酒について
⑤公益社団法人日本産科婦人科学会 – 不妊症
⑥厚生労働省 – 妊娠を考えるなら、麻しん風しん混合ワクチンを。
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