- 下の子が生まれてから上の子にイライラする
- 上の子が「可愛くない」と感じてしまい自己嫌悪に陥る
- 上の子が可愛くないと思う気持ちはいつまで続くのか不安
下の子が生まれてから上の子に対する愛情の変化に戸惑っている方は多くいます。上の子が可愛くないと感じる自分を責めて 「自分はなんてひどい親なんだろう」と苦しんでいませんか?
この記事では上の子可愛くない症候群の原因と心が楽になる具体的な対処法を解説します。記事を読めば、上の子が可愛くないと思う感情が自分だけの問題ではないとわかり、前向きに上の子と向き合えるようになります。
上の子可愛くない症候群は産後のホルモンバランスの変化や疲労などによる反応なので、自分を責めないでください。周りに頼って休息を取り、上の子と2人だけで過ごす時間をつくることは関係改善に役立つ場合があります。
ただし、症状がつらい場合や長く続く場合は小児科や心療内科、臨床心理士などの専門家に相談することをおすすめします。
上の子可愛くない症候群とは第二子誕生後の一時的な心理変化のこと
上の子可愛くない症候群は多くの保護者が経験する可能性があり、ママだけでなくパパにも見られます。上の子可愛くない症候群の定義や特徴を理解し、セルフチェックで自分の状態を客観視してみましょう。
上の子可愛くない症候群の定義と特徴
上の子可愛くない症候群とは下の子が生まれた後に上の子を可愛いと思えなくなる心の状態を指す俗称であり、医学用語や病気ではありません。上の子にイライラしてしまう原因は複合的で、産後のホルモンバランスの変化や育児疲れなど、さまざまな要因が関わっています。
上の子可愛くない症候群の特徴は以下のとおりです。
- 上の子の些細な言動に腹が立ってきつく叱ってしまう
- 上の子に触られたり近づかれたりすることに嫌悪感を抱く
- 上の子を優しくできない自分に対して罪悪感を覚える
上の子可愛くない症候群の期間には個人差があり、数週間で落ち着く人もいれば数年続く人もいます。多くのママやパパが直面する悩みなので、上の子可愛くない症候群の状態にあっても自分を責める必要はありません。
上の子可愛くない症候群のセルフチェックリスト
自分の状態を客観的に把握することが、冷静に自身と向き合う第一歩です。以下の「上の子可愛くない症候群のセルフチェックリスト」で今の気持ちや行動を確認してみましょう。
- 上の子に触られると生理的に拒絶反応や嫌悪感が出る
- 上の子の些細な言動にイライラし、感情的に怒鳴ってしまう
- 下の子は無条件に可愛いのに、上の子は可愛く思えない
- 上の子が急に大きく見えたり、生意気だと感じたりする
- 上の子が甘えてくると突き放したくなる
- 上の子の話し声や足音を聞くだけでストレスを感じる
- 上の子と2人きりになるのが苦痛で避けようとする
- 上の子の寝顔を見たときだけ罪悪感に襲われる
- 「自分は母親失格ではないか」と自己嫌悪に陥ることが多い
- 夫や周囲の人に「上の子の面倒をもっと見てほしい」と強く願う
上の子可愛くない症候群の状態は多くの場合、子どもの成長とともに解消されていきます。ただし、上の子可愛くない症候群の状態には産後うつなどのメンタル不調が関与している場合もあります。強い苦痛が続く場合や日常生活に支障がある場合は、早めに医療機関や支援窓口に相談してください。
上の子可愛くない症候群になる5つの要因
自分を責める前に上の子可愛くない症候群になる要因を理解しておきましょう。上の子可愛くない症候群になる要因は以下のとおりです。
- 下の子のお世話で疲労とストレスがたまっている
- 生物学的に幼い子どもほど可愛く見える
- 上の子への期待値が高くなりすぎている
- 上の子のイヤイヤ期・反抗期と重なっている
- 育児を完璧にこなそうとしている
下の子のお世話で疲労とストレスがたまっている
上の子に対してイライラしてしまう大きな原因は、下の子のお世話による極度の疲労とストレスです。産後のママは出産による体のダメージが残ったまま、24時間体制の育児に対応しなければなりません。
産後のママは以下の状況になり、心身ともに余裕がなくなっています。
- 数時間おきの授乳や夜泣きで睡眠不足に陥っている
- 出産による傷の痛みやホルモンバランスの乱れがある
- 自分の食事やトイレの時間を確保できない
- 「赤ちゃんを守らなければ」という緊張感を抱えている
疲れがたまって限界の状態にいるときに上の子がわがままを言うと、脳が処理しきれずに強い拒絶反応が出てしまいます。産後のママは心身ともに極限まで疲弊しているため、上の子を気遣うエネルギーが残っていなくても仕方ありません。
生物学的に幼い子どもほど可愛く見える
赤ちゃんや幼い子どもには「ベビースキーマ」と呼ばれる特徴があります。ベビースキーマの特徴は以下のとおりです。
- 丸みのある顔
- 顔に対して大きな目
- 広いおでこ
- 短くてふっくらした手足
多くの大人はベビースキーマの特徴を持つ赤ちゃんを可愛いと感じます。赤ちゃん特有の身体的特徴であるベビースキーマにより、下の子に養育本能が向きやすくなります。
上の子への期待値が高くなりすぎている
下の子が生まれると、親は無意識に上の子に高いレベルを求めてしまうことがあります。上の子が急に大きく成長したように錯覚し、実際の年齢以上の自立を期待してしまうからです。
親は上の子に以下の「大人のような振る舞い」を求めてしまいがちになります。
- 自分のことは自分でやってほしい
- もうお兄ちゃん(お姉ちゃん)だから我慢してほしい
- 指示に沿って協力して動いてほしい
上の子が赤ちゃん返りをしたことで、一時的なものだと頭では理解できているのに厳しく叱ってしまうこともあります。親が抱く理想の姿と甘えたい盛りの子どもの現実にギャップが生まれ、イライラや落胆につながります。
上の子のイヤイヤ期・反抗期と重なっている
上の子のイヤイヤ期や反抗期と重なってしまい、可愛くないと感じてしまうケースもあります。赤ちゃん返りとイヤイヤ期が合わさると親の愛情や反応を確認するための「試し行動」が増え、以下の行動に悩まされることがあります。
- 授乳中や下の子の寝かしつけのときに限って大声を出したり暴れたりする
- 「ママ嫌い」「あっち行って」など拒絶の言葉を言ってくる
- 今までできていたことを「できない」と言ってやらなくなる
静かにしてほしい場面で上の子に騒がれると、親が強いストレスや拒否感を抱くこともあります。
育児を完璧にこなそうとしている
真面目で責任感が強い人ほど家事も育児も完璧にこなそうとして、心の余裕を失ってしまいます。自分のペースで家事や育児をしたいのに、上の子がぐずったり失敗したりすると、邪魔だと感じてしまうことがあります。上の子と下の子の生活リズムを完璧にコントロールしようとすることもイライラする原因です。
すべてを完璧にしようとするとキャパシティオーバーになり、ストレスの矛先が上の子に向かいやすくなります。常に緊張して頑張りすぎている状態が、上の子を可愛く思えない気持ちにつながっているといえます。
上の子可愛くない症候群の対処法7選
上の子可愛くない症候群を乗り越えるためには、心にゆとりを取り戻しましょう。上の子可愛くない症候群を乗り越えるための対処法を以下に解説します。
- 上の子と2人きりの時間を意識的につくる
- 上の子への期待値を見直す
- 家事や育児のハードルを下げる
- 家事や育児を夫婦で分担する
- ファミリーサポートやベビーシッターを活用する
- 一人の時間をつくってリフレッシュする
- 自分の感情を受け入れて認める
上の子と2人きりの時間を意識的につくる
上の子へのイライラを解消し、親子関係を良好に保つためには、意識的に2人きりの時間をつくることが効果的です。2人だけの時間をつくると上の子に十分な愛情を伝えられます。1日5~10分程度で良いので、上の子の目を見て話を聞いてあげてください。
上の子と2人きりになるためにはパートナーや祖父母に下の子を預けるか、下の子が寝ている時間を活用しましょう。2人きりで近所を散歩したり、お気に入りの絵本を読んであげたりと、上の子がやりたいことを叶えてあげるのがおすすめです。
外出が難しい場合は、下の子とは別の部屋で2人だけの時間を過ごすのも良い方法です。上の子と2人きりの時間は意識的にスキンシップやハグを増やし「大好きだよ」と愛情を言葉にして伝えましょう。下の子の育児から離れて2人きりの時間を過ごすと、上の子の成長や本来の可愛さを再確認できます。
上の子への期待値を見直す
上の子への期待値を一度リセットしましょう。下の子と比べると大きく見えますが、上の子も実際はまだ生まれて数年しか経っていない幼い子どもです。赤ちゃん返りやわがままは環境の変化に戸惑い、愛情を確認したいサインだと言えます。
上の子にイライラしてしまったときは、以下のように視点を変えて接してみてください。
- 「できたらすごい」と加点法で見る
- 「できないのは当たり前」と受け止める
期待値を少し下げるだけで上の子の小さな成長に気づけるようになり、愛おしさを取り戻すきっかけになります。
家事や育児のハードルを下げる
家事や育児のハードルを下げ、「60点くらいの出来で十分」と考え方を切り替えると気持ちが楽になります。家事や育児の手間を省く工夫は以下のとおりです。
- レトルト食品や冷凍食品、惣菜を活用する
- 栄養バランスは1週間単位で考える
- ロボット掃除機やお掃除シートに頼る
- 乾燥機付き洗濯機や食洗機を導入する
- 洗濯物はきれいに畳まない
- 市販のベビーフードを使う
- ネットスーパーや食材宅配サービスを利用する
部屋が散らかっていたり、お風呂に入れない日があったりしても命に関わることではありません。家事や育児を完璧にやらなければならないという思い込みを捨てれば、気持ちが楽になります。
家事や育児を夫婦で分担する
家事や育児を一人で抱え込むと余裕がなくなり、上の子に厳しく当たってしまうことが増えてしまいます。パパに以下の協力をお願いし、自身の気持ちにゆとりを取り戻しましょう。
- 下の子のお風呂や寝かしつけを担当してもらう
- 上の子を公園や買い物へ連れ出してもらう
「察してほしい」と期待して待つのではなく、やってほしい家事や育児をリストにして言葉で伝えることが大切です。相手のやり方が自分と違っても任せた以上は口を出さずに感謝を伝えると、お互いにストレスなく協力できるようになります。
≫ 厚生労働省「仕事も子育ても楽しむ先輩パパたち」(外部サイト)
ファミリーサポートやベビーシッターを活用する
外部のサービスを利用して子どもと離れる時間をつくると、精神的な余裕を取り戻せます。家庭の状況に合わせて自治体のファミリーサポートや民間のベビーシッターを使い分けましょう。
自治体のファミリーサポートは比較的安価で利用でき、地域の子育て経験者がサポートしてくれるため安心感があります。民間のベビーシッターは早朝や夜間、病児保育など柔軟に対応してくれます。
サービスの利用には事前の登録や面談が必要なケースが多いので、妊娠中や比較的時間のある時期に手続きを済ませておきましょう。住んでいる自治体によっては産後ヘルパー派遣や利用料の助成制度があります。役所の窓口やホームページで利用可能なサービスを確認してみてください。
≫ こども家庭庁「ファミリー・サポート・センターのご案内(リーフレット)」(外部サイト)
一人の時間をつくってリフレッシュする
意識的に一人の時間をつくり、心と体をリフレッシュさせると心の余裕を取り戻せます。パートナーや祖父母、外部のサービスに頼り「母親」の役割から少し離れる時間を確保しましょう。
おすすめのリフレッシュ方法は以下のとおりです。
- カフェでゆっくりお茶をする
- 美容院に行って気分転換する
- 一人で買い物に出かける
一人の時間を持つことは子どもに笑顔で接するために必要な時間です。周囲に協力してもらって一人の時間をつくり、心と体をリフレッシュしましょう。
自分の感情を受け入れて認める
上の子を「可愛くない」と感じてしまう自分の気持ちを正直に認めて受け入れましょう。ネガティブな感情を無理に否定したり抑え込んだりすると、ストレスはさらに大きくなってしまいます。
上の子可愛くない症候群になってつらいときは、以下のように自分の気持ちと向き合ってみてください。
- 「今は可愛く思えない時期」と割り切り、心の距離を置く
- モヤモヤする気持ちを紙に書くか、誰かに話す
- 自分を責めず、頑張っていると労う
今の気持ちを認め、言葉にして外に吐き出すことで心が軽くなることがあります。
上の子可愛くない症候群に関するよくある質問
上の子可愛くない症候群に関するよくある疑問を以下にまとめました。上の子可愛くない症候群で悩んでいる方は参考にしてください。
- 上の子可愛くない症候群はいつまで続く?
- 上の子可愛くない症候群がつらいときの相談先は?
上の子可愛くない症候群はいつまで続く?
上の子可愛くない症候群が終わる時期は個人差が大きく、早い人で1~2か月、長い人では数年続くこともあります。あくまで一つの目安として考えてください。
上の子可愛くない症候群は以下のタイミングで解消に向かうことが多く見られます。
- 下の子の夜泣きや頻回な授乳が落ち着いたとき
- 下の子が「守るべき赤ちゃん」から「子供」へと成長したとき
- きょうだいで仲良く遊ぶ姿を見て、微笑ましいと感じたとき
- 産後のホルモンバランスが徐々に整い、心身に余裕が生まれたとき
上の子可愛くない症候群は子どもたちの成長とともに落ち着いていくことが多いため、焦らず気持ちが和らぐ時期を待ちましょう。
上の子可愛くない症候群がつらいときの相談先は?
地域の保健センターや専門の相談窓口で話を聞いてもらうと心が軽くなることがあります。自分の状況に合わせて以下の相談先を活用しましょう。
- 地域の保健センターや子育て世代包括支援センター
- 出産した産婦人科や地域の助産院
- 民間の無料電話相談(エンゼル110番など)
- 心療内科や精神科
- 児童相談所相談専用ダイヤル
赤ちゃんが小さくて外出するのが難しい時期は、オンラインカウンセリングや育児相談アプリを使うのも一つの手です。子どもに危害を加えてしまいそうなほど追い詰められている場合は、すぐに「児童相談所虐待対応ダイヤル(189)」へ連絡してください。早めにSOSを出すことが、自分と子どもを守ることにつながります。
≫ こども家庭庁「児童相談所虐待対応ダイヤル「189」について」(外部サイト)
上の子可愛くない症候群になった自分を責めずに周りの人に頼ろう
上の子にイライラしてしまうのはホルモンバランスの変化や育児疲れなど、複数の要因による現象です。心に余裕がないときはパパや実家、外部のサービスに頼りましょう。
上の子可愛くない症候群は下の子の生活リズムが整ったり、上の子のイヤイヤ期が終わったりすることで落ち着く傾向があります。ただし、あまりにもつらいと感じるときは小児科や心療内科などの専門機関を頼ることも検討しましょう。自分を責めずに周りの人に頼り、上の子可愛くない症候群を乗り越えていきましょう。