2023.10.14
妊娠
妊婦さんの中には、おなかの赤ちゃんの健康状態が気になっている人もいるのではないでしょうか。妊娠中の胎児の発育を確認する検査に、胎児ドック(胎児精密超音波検査)があります。
そこで、胎児ドック(胎児精密超音波検査)の特徴や検査内容について解説します。胎児ドック(胎児精密超音波検査)を受けようと考えている人はぜひ参考にしてみてください。
胎児ドック(胎児精密超音波検査)とは、名前の通り、お腹の赤ちゃんにおこなう精密な超音波検査のことです。
超音波検査はエコーとも呼ばれており、検査部位に超音波を当てて、その反響を画像化する検査です。超音波検査の結果は白黒画像で表示されますが、リアルタイムで確認できるので、妊婦さんも検査画像を見ることができます。
妊婦健診でも超音波検査がおこなわれますが、胎児ドック(胎児精密超音波検査)と違いがあります。
胎児ドックは胎児精密超音波検査と呼ばれているように、より詳しく検査を行います。一般的な妊婦健診の超音波検査では、おなかの赤ちゃんの心音や頭や身体の大きさ、羊水の量を確認しますが、検査にかかる時間は5~10分と短時間です。
一方、胎児ドック(胎児精密超音波検査)では、超音波検査の専門医が30分から1時間かけてじっくり検査をおこないます。妊婦健診の超音波検査が2Dで画像化されるのに対して、胎児ドック(胎児精密超音波検査)では3Dや4Dでの画像化ができる機器を使用します。
また、胎児ドック(胎児精密超音波検査)では、染色体異常のサインである形態異常も見つけることができます。そういった意味でも、胎児ドック(胎児精密超音波検査)は出生前診断に該当します。
出生前診断については、倫理的な観点からさまざまな議論がされていますが、早めにおなかの赤ちゃんの健康状態を知ることで、出産時や出産後の準備に役立ちます。
胎児ドック(胎児精密超音波検査)では、妊娠の時期別に赤ちゃんの発育状態や形態異常の有無を確認します。胎児ドック(胎児精密超音波検査)で確認できる事項を、妊娠の時期別にみていきましょう。
妊娠10~14週の赤ちゃんは小さく、妊娠10週では頭からお尻までの長さは3㎝ほどです。この時期の胎児ドック(胎児精密超音波検査)では、赤ちゃんに大きな異常がないかを確認します。
妊娠10~14週の胎児ドック(胎児精密超音波検査)で分かる異常は以下です。
など
妊娠15週以降は、おなかの赤ちゃんが大きくなり、細かい部分が観察できるようになります。例えば、妊娠15週の赤ちゃんの頭からお尻までの長さは9㎝位になります。
妊娠18週以降になると、心臓の奇形や口唇裂(鼻下で上唇が分離している状態)の有無も観察しやすくなります。
妊娠28週以降は妊娠後期なので、赤ちゃんの体も大きくなり、子宮壁と胎盤に接するようになります。そのため、胎児ドック(胎児精密超音波検査)では、体表の観察が難しくなりますが、内臓は観察しやすくなります。
妊娠28週以降では、以下の形態異常の有無を観察できます。
胎児ドック(胎児精密超音波検査)は健康保険に適応はなく、費用の相場は3~5万円になります。
日本では胎児ドック(胎児精密超音波検査)がまだまだ一般的ではなく、費用が高額と感じる方もいるかもしれません。海外の例を挙げると、イギリスでは胎児ドック(胎児精密超音波検査)が保険適応内でおこなわれている国もあります。
妊娠初期の胎児ドック(胎児精密超音波検査)では、心臓などの形態異常から染色体異常を推察することができます。13トリソミーや18トリソミーなど重症度の高い染色体は、胎児ドック(胎児精密超音波検査)で心臓の形態異常が分かる例も多くあります。
一方、21トリソミー(ダウン症)は重症度に幅があり、中には心臓の形態異常がみられない赤ちゃんもいます。そのため、時間をかけて超音波検査をかけても、おなかの赤ちゃんのダウン症について見逃してしまうこともあります。
妊娠初期に赤ちゃんのダウン症の可能性を知る必要がある人は、他の出生前検査を組み合わせる必要があります。
胎児ドック(胎児精密超音波検査)は形態異常から赤ちゃんの染色体異常の可能性を知ることができますが、心奇形をともなわないダウン症など一部の染色体異常を見つけられないことがあります。
胎児ドック(胎児精密超音波検査)の欠点を補う検査に、NIPT(新型出生前診断)があります。NIPT(新型出生前診断)は、妊婦の血液に含まれる胎児のDNAの断片を調べる検査です。
検査自体は、妊婦さんへの採血で済むので、母子に大きな負担がかかりません。一方で、NIPT(新型出生前診断)では、染色体異常の可能性を知ることができても、形態異常があるかどうかについては分かりません。
胎児ドック(胎児精密超音波検査)の欠点をカバーしたい人や、妊娠初期に胎児ドック(胎児精密超音波検査)で何らかの形態異常を指摘された人は、NIPT(新型出生前診断)を検討することをお勧めします。
DNA先端医療では、妊娠6週からダウン症などの染色体異常がわかるNIPT検査ができる【W-NIPT】があります。
NIPTは10週からの検査が多いので、【W-NIPT】は、検査結果がどこよりも一番早くわかる検査になります。
胎児ドック(胎児精密超音波検査)は、おなかの赤ちゃんの発育状態や形態異常があるかどうかを調べる検査です。妊婦健診でも超音波検査をしますが、胎児ドック(胎児精密超音波検査)は、専用の機器で時間をかけて検査するので、より詳しく赤ちゃんの状態を調べられます。
一方、胎児ドック(胎児精密超音波検査)では形態異常から染色体異常の可能性を知ることができますが、妊娠初期に心奇形のないダウン症など一部の染色体異常を見逃してしまうことがあります。
おなかの赤ちゃんの健康状態について網羅的に調べたい人は、NIPT(新型出生前診断)を組み合わせることもできます。DNA先端医療株式会社では、医療機関と提携して、NIPT(新型出生前診断)をおこなっています。
エコーなどでわからない染色体異常を調べたい方は、お気軽にご連絡くださいませ。
参考:
胎児超音波専門外来
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