- 子どもにアイスをあげたいけれど、何歳から与えて良いのかわからない
- 市販のアイスは糖分や添加物が多くて気になる
- アレルギーやむし歯のリスクについても知りたい
暑い日には子どもにも冷たいアイスを食べさせてあげたくなるものです。しかし、アイスは何歳から与えて良いのか、市販品で大丈夫なのかと悩む方は多いのではないでしょうか。
この記事ではアイスを与える時期の目安や注意点を解説し、市販アイスの選び方や簡単な手作りレシピについても紹介します。記事を読めば子どもに安心してアイスを与えられ、親子で楽しくおやつの時間を過ごせるようになります。
アイスを与えるのは離乳食が完了する1~1歳半以降を目安とし、子どもの消化器官への負担を考慮して少量から始めましょう。最初は果汁を凍らせたシャーベット状のものなど、糖分や添加物が少なくシンプルなものから試すのがおすすめです。
アイスは何歳から食べられる?
子どもにアイスを与える時期に明確な基準はありませんが、一般的には離乳食が完了する1~1歳半頃が目安とされています。1歳未満の子どもは消化機能が未熟なため、糖分や脂肪分の多いアイスは胃腸に負担をかけ、下痢を引き起こすリスクがあります。
アイスは乳製品や卵などのアレルギー物質を含むことが多いため、まずはそうした食材を離乳食で試して問題がないか確認することも重要です。甘みの強い市販アイスを早い時期から与えると、味覚形成に影響する可能性もあります。
子どもには離乳食が完了する1~1歳半以降、糖分や添加物の少ないアイスを選び、様子を見ながら少量ずつ与えるようにしましょう。
子どもにアイスを早く与えてはいけない理由
子どもに早くからアイスを与えるのは控えるべきです。子どもにアイスを早く与えてはいけない理由は以下のとおりです。
- 胃腸に負担がかかる
- 糖分や脂肪分を取り過ぎてしまう
- アレルギーや添加物のリスクがある
胃腸に負担がかかる
子どもにアイスを早く与えすぎると、まだ発達していない胃腸に大きな負担をかけてしまいます。子どもの消化器官は大人と違ってとてもデリケートで、冷たいものや脂肪分の多いものを上手に消化する力が弱いためです。
早くからアイスを与えると、子どもに以下の症状が現れる可能性があります。
- お腹が冷えて食べ物を消化する働きが弱くなる
- 脂肪分が胃腸に負担をかけてしまう
- 牛乳の成分をうまく分解できずに下痢をしてしまう
子どもの胃腸を守るためにも、アイスを与える時期は慎重に考えましょう。
糖分や脂肪分を取り過ぎてしまう
アイスに含まれる糖分や脂肪分の取り過ぎは、子どもの成長に悪影響を与える恐れがあります。子どもの体は発達の途中であり、糖分や脂肪分をうまく処理できないためです。
甘くておいしいアイスの味に慣れてしまうと、子どもは薄味の食事を嫌がるようになったり、むし歯のリスクが高まったりします。また、高カロリーのアイスは肥満の原因になり、脂肪分を分解できずにお腹を壊してしまうこともあります。
糖分や脂肪分の取り過ぎは子どもの健康や食習慣に直接影響するため、アイスを早く与えすぎることには注意が必要です。
アレルギーや添加物のリスクがある
市販のアイスにはアレルギーの原因となる成分や、子どもの体に負担をかける食品添加物が含まれている場合があります。初めて口にする食材や成分がアイスに含まれていると、湿疹やかゆみ、嘔吐、下痢などの症状が出るリスクがあります。
子どもがアレルギーを引き起こしやすい食材は以下のとおりです。
- 牛乳
- 卵
- 小麦
- ナッツ類
- 果物
- 大豆
市販のアイスには、乳化剤や安定剤、香料、着色料などの食品添加物が含まれていることもあります。子どもにアイスを与える際はアレルギーの原因となる成分や食品添加物に注意しましょう。
子どもにアイスを与える際の注意点
子どもにアイスを与える際は離乳食を完了した1~1歳半以降を目安とし、体に負担をかけないよう、以下の注意点を守りましょう。
- 最初はひと口から様子を見る
- 原材料表示を確認する
- 与える量と頻度を管理する
- 食事とのバランスを考慮する
- 食後は必ず歯磨きをする
最初はひと口から様子を見る
子どもに初めてアイスを与える際は、1~1歳半以降を目安に、ごく少量から始め、体調の変化を注意深く観察しましょう。アイスの冷たさで子どもが体調を崩したり、アレルギー反応が出たりする恐れがあるためです。
最初はスプーンの先にほんの少しだけアイスを乗せて与えてください。アイスを食べた後、数時間から翌日にかけて発疹やかゆみ、下痢、嘔吐などがないか確認します。子どもの体が冷えすぎていないか、機嫌が悪くなっていないかもチェックしましょう。
子どもにアイスを与える時間帯にも注意する必要があります。万が一に備え、すぐに病院へ行ける平日の午前中に試すようにしてください。子どもの体に問題がないことを確認できた場合でも、アイスは糖分が多く冷たい食品のため、与える頻度や量は控えめにしましょう。
原材料表示を確認する
子どもにアイスを与える前に、パッケージ裏側の原材料表示を確認しましょう。アイスにはアレルギーの原因となる成分や、体に負担をかける可能性のある食品添加物が入っている可能性があります。
乳成分や卵、小麦、ナッツ類など、アレルギーを起こしやすい成分が含まれていないか確認してください。子どもに与えるなら、人工甘味料や着色料が控えめで、素材本来の味を生かしたシンプルなアイスがおすすめです。
子どもが食べたことのない食材や成分が含まれているアイスは、アレルギーのリスクを考えて少量から試してください。アレルギーが心配な場合は、子ども向けに作られた商品やアレルギー対応のアイスを選ぶと安心です。
与える量と頻度を管理する
子どもにアイスを与える際は、量と頻度を管理することも大切です。アイスの与えすぎは子どもの小さな体に負担をかけてしまいます。アイスの味に慣れて偏食につながったり、むし歯や肥満の原因になったりする恐れもあります。
子どもの健康を守るために、以下の点に注意してアイスを与えましょう。
- 子ども用のスプーンで1〜2杯程度を目安にする
- 市販のアイスを丸ごと1個与えるのは避ける
- 毎日の習慣にせず、頻度を限定する
ルールを決めておくと、子どもの健康を守りながら特別な楽しみとしてアイスを生活に取り入れられます。
食事とのバランスを考慮する
子どもにアイスを与える際は、食事との栄養バランスを考えることも大切です。アイスは栄養価が低いため、食事の代わりにはなりません。アイスでお腹が満たされると子どもがご飯を食べてくれなくなる恐れがあります。
子どもにアイスを与える際は食事全体のバランスを崩さないよう、以下の点に注意しましょう。
- 食後のご褒美として与える
- 食前の空腹時には与えない
- 1日の栄養バランスを考えて量を調整する
アイスはあくまで「おやつ」と位置づけ、食事に影響が出ないように配慮してください。アイスは「菓子・嗜好飲料」に分類される食品で、子どもの場合1日のエネルギーの10〜20%に収まるよう調整することが推奨されています。食事バランスを崩さないよう、量とタイミングを決めてアイスを与えることが大切です。
» 東京都福祉保健局「東京都幼児向け食事バランスガイド 指導マニュアル」(外部サイト)
食後は必ず歯磨きをする
アイスを食べた後は、歯磨きをしてむし歯を予防することが大切です。アイスに含まれる多量の糖分は、むし歯の主な原因となります。子どもの乳歯は大人の永久歯と比べてエナメル質が薄く、酸に溶けやすいため、むし歯になりやすい状態です。
口の中に糖分が長い時間残っているとむし歯菌が増えてしまうため、食後早めに歯磨きをするのが理想的です。外出先ですぐに歯磨きができない場合は、ガーゼで汚れを拭き取るか、水やお茶で口をゆすがせるだけでも効果があります。
» 国立保健医療科学院「幼児期の健やかな発育のための栄養・食生活支援ガイド【確定版】」(外部サイト)
»公益社団法人日本小児歯科学会「食後の歯磨きについて」(外部サイト)
子どもにおすすめのアイスの種類と選び方
子どもに与えるアイスは、手作りするのがおすすめです。市販アイスを子どもに与えたい場合は、成分や原材料表示をよく確認してから選びましょう。子どもにおすすめの市販アイスの選び方と手作りアイスのレシピについて解説します。
市販アイスの選び方
子どもに市販アイスを選ぶ際は、成分やパッケージをよく確認することが大切です。大人と同じアイスを選ぶと、子どもの体に負担がかかる恐れがあります。
以下のポイントをチェックして、子どもの体にやさしいアイスを選びましょう。
- 食品添加物がなるべく少ないアイスを選ぶ
- アレルギー成分が含まれていないアイスを選ぶ
- 砂糖の使用量が少ないアイスを選ぶ
- 個包装されたアイスや小さいカップのアイスを選ぶ
- 脂肪分が気になる場合は「氷菓」を選ぶ
上記のポイントを参考に、子どもが安心して食べられる市販アイスかを確認し、少量ずつ与えましょう。初めて与える際は、アレルギー反応に注意して子どもの様子を見ることも大切です。
手作りアイスのレシピ
手作りアイスなら砂糖の量を調整でき、不要な添加物を避けることも可能です。使用する材料を自分で選べるため、アレルギーの原因となる食材を避けて作ることで、安心して食べられるアイスを用意できます。簡単な手作りアイスのレシピを以下に紹介します。
| レシピ名 | 分量(親子2人分) | 作り方 |
|---|---|---|
| バナナアイス | バナナ1本 | 完熟バナナをフォークで潰し、冷凍用の保存袋に入れて凍らせる。 |
| フローズンヨーグルト | ・果物50~70g ・無糖ヨーグルト100g |
いちごや桃、マンゴーなどの果物と無糖ヨーグルトをミキサーにかけ、密閉容器や保存袋に入れて冷凍庫で凍らせる。 |
| 野菜アイス | ・かぼちゃやさつまいも100g ・牛乳や育児用ミルク50ml |
茹でてペースト状にしたかぼちゃやさつまいもに牛乳や育児用ミルクを加え、滑らかにして凍らせる。 |
| 豆腐アイス | ・絹ごし豆腐50g ・バナナ1本 |
水切りした絹ごし豆腐とバナナなどの果物をミキサーにかけ、滑らかになったら凍らせる。 |
| フルーツアイスキャンディー | 果汁100%ジュース100ml | りんごやみかんの果汁100%ジュースをアイスキャンディーメーカーで凍らせる。 |
果物や野菜が持つ自然の甘みを活かせば、砂糖を加えなくてもおいしいアイスが作れます。子どものために栄養たっぷりのアイスを手作りしてみるのもおすすめです。
年齢別|何歳からどんなアイスが食べられる?
消化機能の発達状況や味覚の感じ方は年齢とともに変化するため、成長段階に応じてアイスの種類や量を調整することが重要です。子どもの発達に合わせた適切なアイスの選び方を以下の成長段階別に解説します。
- 離乳食完了期は果物アイス・手作りアイスがおすすめ
- 1歳半~2歳は無添加・低糖のアイスが安心
- 3歳以降は選び方次第で市販アイスもOK
離乳食完了期は果物アイス・手作りアイスがおすすめ
離乳食完了期(1〜1歳半頃)の子どもには、果物を使った手作りアイスを少量与えられます。手作りアイスならアレルギーの心配がある食材を避け、添加物や糖分の量を調整できます。
一番手軽に作れるのは果物本来の甘さを活かしたアイスです。バナナやいちごなどをペースト状にして凍らせるだけで、おいしいデザートが完成します。無糖ヨーグルトや牛乳、豆乳を混ぜると手作りアイスの栄養価を高められます。
ただし、冷たいものは胃腸に負担をかける恐れがあるため、与える量や頻度には注意が必要です。はちみつなど、月齢に応じて避けるべき食材にも十分注意しましょう。
1歳半~2歳は無添加・低糖のアイスが安心
1歳半~2歳は味覚が育つ大切な時期なので、強い甘みに慣れさせないように低糖のアイスを選びましょう。消化器官もまだ発達の途中なので、シンプルな原材料で作られた乳脂肪分が控えめのアイスを選ぶことをおすすめします。
果汁100%のジュースやプレーンヨーグルト、バナナなどを凍らせるだけでも、子どもが喜ぶ簡単な手作りアイスになります。ベビー用品店や自然食品店で販売されている、幼児向けに成分調整されたアイスもおすすめです。
1歳半~2歳の子どもに市販アイスを選ぶ際は「無添加」の表示だけでなく、原材料に体に負担となる食材が含まれていないかを確認しましょう。
3歳以降は選び方次第で市販アイスもOK
3歳頃になると消化機能が発達し、さまざまな食べ物に対応できるようになるため、市販アイスの選択肢も広がります。しかし、3歳頃の体はまだデリケートなので、慎重に市販アイスを選ぶ必要があります。
バニラアイスなど原材料がシンプルなアイスを選びましょう。乳製品やナッツ類を含むチョコレート風味やナッツ入りのアイスは、アレルギーがある場合は原材料を必ず確認し、避けてください。コーヒーや抹茶など、カフェインを含むフレーバーは摂取量に注意しましょう。
糖分や脂肪分の取りすぎを防ぎ、食事に影響が出ないよう、量と頻度を管理して子どもにアイスを与えましょう。
子どもに与えるアイスに関するよくある質問
子どもにアイスを与える際のタイミングについて、以下のよくある質問にお答えします。
- チョコアイスは何歳から与えて良い?
- かき氷は何歳から与えて良い?
チョコアイスは何歳から与えて良い?
チョコアイスは、3歳以降に与えるのが一つの目安です。早くにチョコアイスを与えない方が良い理由は、チョコレートの原料であるカカオにカフェインが含まれているためです。子どもにとってカフェインは刺激が強く、寝つきが悪くなったり、興奮しやすくなったりすることがあります。
チョコアイスにはナッツ類など他のアレルギー物質が含まれている場合もあるので、与える前に必ず原材料を確認してください。子どもに初めてチョコアイスを与える際は、ごく少量から始め、アレルギー反応が出ないか様子を見ることが大切です。
かき氷は何歳から与えて良い?
かき氷は離乳食が完了する1歳半から2歳頃が一つの目安です。ただし、糖分や添加物が多い市販のシロップは3歳以降に与えることをおすすめします。
お腹を冷やしすぎないよう、かき氷はスプーン1杯から与えて様子を見てください。かき氷を一気に食べると頭がキーンと痛くなることがあるため、ゆっくりと少しずつ口に運んであげましょう。
初めてかき氷を与える際はシロップをかけず、氷だけの食感を楽しませるのがおすすめです。慣れてきたら果汁100%のジュースや果物をつぶした自家製シロップを少量かけると甘みを足せます。家庭の製氷機で作った氷を使う場合は衛生面に配慮することも大切です。
かき氷も与え方を工夫すれば、子どもの夏のおやつの一つになります。
アイスは子どもの成長に合わせて少量ずつ与えよう
アイスには子どもの成長に必要な栄養成分が含まれていないため、慎重に与えることが大切です。糖分や脂肪分が多いアイスは、子どもの未発達な胃腸に負担をかける恐れがあります。アイスを与えるのは離乳食が完了する1~1歳半以降を目安とし、スプーン1杯程度から始めましょう。
アレルギーやむし歯のリスクもあるため、アイスの量や頻度にも注意が必要です。アイスは子どもの体調や発達ペースを尊重し、適切な時期に慎重に与えましょう。