子育てのコツ

ギャラン反射とは?見られる時期の目安|正しい起こし方と注意点を解説

  • 赤ちゃんの背中をなでるとお尻をふりふりするのはなぜ?
  • ギャラン反射が見られないときはどうすればいい?
  • ギャラン反射が消えないときはどうすればいい?

ギャラン反射が見られないと「発達が遅れているのでは?」と不安に感じる方は多いかもしれません。しかし、無理にギャラン反射を試すと赤ちゃんに負担がかかるため、ギャラン反射について正しく理解しておくことが重要です。

この記事では、ギャラン反射の基礎知識や正しい起こし方、注意点を解説します。記事を読めばギャラン反射について理解が深まり、赤ちゃんの成長をより安心して見守れます。

ギャラン反射は赤ちゃんの神経系の発達を確認する一つの目安です。反射がないからといって必要以上に不安を抱えず、気になる場合は医師に相談しながら赤ちゃんにとって無理のない対応を心がけましょう。

ギャラン反射とは赤ちゃんがお尻をふりふりする原始反射

ギャラン反射とは赤ちゃんの背中を刺激したときに体をくねらせたり、刺激を受けた側へお尻を左右に振ったりする「原始反射」の一つです。
≫ 米国国立医学図書館「Infant reflexes」(外部サイト)

ギャラン反射は脊髄レベルで制御されており、脳の意思とは関係なく起こります。人間の脳や神経系が未熟な時期に見られ、脳の働きが発達することで消失していく点がギャラン反射の特徴です。ギャラン反射は体幹の動きや左右の感覚刺激に関与しており、寝返りやハイハイ、歩行といった運動機能の発達につながります。

ギャラン反射は赤ちゃんの発達度を示すサインです。ギャラン反射がまったく見られない場合や消失時期を過ぎても反射が続いている場合には、医師に相談することが推奨されています。

ギャラン反射はいつからいつまで?出現時期と消失時期

ギャラン反射の一般的な出現時期と消失時期を以下の項目に分けて解説します。

  • ギャラン反射が見られる時期
  • ギャラン反射が消える時期の目安

ギャラン反射が見られる時期

出生後はギャラン反射が最も活発で、無意識に現れるのは生後3か月頃までです。生後3か月頃の赤ちゃんは神経系が未発達で脳からの制御が働かず、背中への刺激に対して直接体が反応します。
≫ 米国国立衛生研究所「Primitive Reflexes」(外部サイト)

ギャラン反射は出生後の検査で初めて確認されるものではなく、母親のお腹の中にいる胎児期後期にはすでに出現しています。胎内で姿勢を変えたり、筋力を発達させたり、産道を通りやすくする役割をギャラン反射が果たしています。

生後3か月頃までは、おむつ替えや沐浴などで背中に手が触れた際に体を反らせたり、お尻を持ち上げたりする反応が見られます。

ギャラン反射が消える時期の目安

ギャラン反射が消失していく時期は生後4~6か月頃が一般的ですが、個人差を含めると生後3~9か月頃までの幅があります。ギャラン反射の消失は反射が消えるだけでなく、赤ちゃんの脳と体が次の発達段階へ移行するための準備が進む過程でもあります。ギャラン反射が消えていく時期の赤ちゃんの様子は以下のとおりです。

区分 目安の時期 主な発達・変化 具体的に見られやすい様子
消失が始まる時期 生後3~4か月頃 首がすわり始める
大脳皮質が発達する
原始反射を脳がコントロールし始める
背中~腰の無意識な動きが落ち着く
消失・統合される時期 生後5~6か月頃 背中と腰を安定させる発達が進む 背中と腰の安定性が高まる

ギャラン反射の消失は個人差があるため、生後6か月を過ぎてすぐに反射が消えなくても過度な心配は必要ありません。ただし、生後9か月を過ぎてもギャラン反射が強く残っていたり、姿勢の崩れや落ち着きのなさが目立ったりする場合は小児科医に相談しましょう。

ギャラン反射を見るための準備と起こし方

ギャラン反射を見るための準備と起こし方を以下の項目に分けて解説します。

  • ギャラン反射を見るための準備
  • ギャラン反射の起こし方

ギャラン反射を見るための準備

ギャラン反射を見るためには安全で赤ちゃんに負担をかけない環境を整えることが大切です。ギャラン反射を見る前に準備しておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 落下したときのために下に布団やクッションを置いておく
  • 雑菌の付着を防ぐ目的で事前に手を洗い清潔な状態にする
  • 背中に直接触れられるように服をめくりやすい服装や肌着を選ぶ

ギャラン反射は検査や訓練を目的とした行為ではないため、赤ちゃんの反応を観察しながら必ず優しい刺激で行う必要があります。準備が整っていても赤ちゃんの体調がすぐれない場合や嫌がる場合は、ギャラン反射を無理に試さないようにしましょう

ギャラン反射の起こし方

ギャラン反射を確認する際は赤ちゃんの体勢と刺激の与え方を正しく整えることが重要です。ギャラン反射を起こす基本的な手順は以下のとおりです。

  1. うつ伏せの状態で足が床につかないように水平に抱き上げる
  2. 背骨の外側を上からお尻に向かって指の腹や関節で優しくこする
  3. 刺激した側へお尻や体を動かす反応が出るかを観察する

赤ちゃんに刺激を与える際は、指の腹や関節を使って優しくこする程度の力加減で、必ず片側ずつ行いましょう。強い力でこすると赤ちゃんに痛みや不快感を与えてしまうためです。背中の両側を同時に刺激すると、背中を反らせて持ち上げるペレーズ反射という別の原始反射が起こります。

ギャラン反射を起こすときの注意点

ギャラン反射を確認する際は、強い刺激や無理な体勢によって赤ちゃんが不快感やストレスを感じやすくなります。赤ちゃんの体と気持ちの両方に負担をかけないために、ギャラン反射を起こすときの以下の注意点を守りましょう。

  • 赤ちゃんをやさしく安全に支える
  • 何度もやりすぎない
  • 授乳直後は避ける
  • 赤ちゃんの機嫌が悪いときは無理にしない
  • 爪を短く切っておく

赤ちゃんをやさしく安全に支える

ギャラン反射を確認する際は、赤ちゃんのお腹を片手で優しく支えて水平に抱き上げるか、硬めの布団や膝の上にうつ伏せに寝かせます。片手で支えることが難しい場合は、赤ちゃんの足が床につかないようにして布団や膝の上に寝かせると安定します。

ギャラン反射の確認の実施場所は、万が一体が動いても危険が生じにくい硬めの布団やマットの上を選ぶことが理想です。柔らかすぎる布団やクッションは窒息の危険があるため避けてください。
≫ 消費者庁「Vol.529 赤ちゃん用の寝具に適しているのは、ふかふか? それとも固め?」(外部サイト)

周囲に硬い物や鋭利な物がないかを事前に確認し、ギャラン反射によって赤ちゃんの体に余計な負担がかからない環境を整えましょう。うつ伏せでのギャラン反射の実施は窒息の危険があるため、短時間にとどめ、顔が布団などでふさがれないように注意が必要です。

何度もやりすぎない

ギャラン反射を確認する際は、反応の有無に限らず必要以上に繰り返さないようにしましょう。短時間であっても刺激を何度も与えると、赤ちゃんがストレスを感じやすくなります。同じ部位への刺激が続くことで、赤ちゃんの皮膚への負担が増える可能性があります。

ギャラン反射の確認回数の目安は1日に1~2回程度とし、反応を確認できた時点で切り上げましょう。

授乳直後は避ける

ギャラン反射を確認するタイミングとして、授乳直後は適していません。授乳後すぐは赤ちゃんの胃の内容量が多く、背中への刺激によって腹圧がかかると吐き戻しや嘔吐が起こりやすくなるためです。消化が始まった直後に体勢を変えたり、刺激を与えたりすると、消化器系に余計な負担がかかることもあります。

ギャラン反射を試す場合は、授乳から30分~1時間ほど経過し、赤ちゃんが落ち着いてから行いましょう。どうしても授乳後すぐに体を動かす必要がある場合は、腹部を圧迫しない縦抱きなどで静かに扱い、吐き戻しへの配慮が必要です。

赤ちゃんの機嫌が悪いときは無理にしない

機嫌が悪い状態で刺激を与えると赤ちゃんに余計なストレスがかかり、泣いたり、体を強くこわばらせたりする原因になります。不快感が強いと反射以外の動きが目立ちやすくなり、ギャラン反射を正しく観察できなくなります。

赤ちゃんが泣いている場合や落ち着きがない場合は、ギャラン反射を試すことを中止してください。赤ちゃんの気持ちが落ち着き、体の動きが穏やかなタイミングを選ぶことで、負担をかけずにギャラン反射を確認できます。

爪を短く切っておく

爪が伸びた状態でギャラン反射の確認のために背中に触れると、赤ちゃんの皮膚に引っかかり、痛みや傷を与える恐れがあります。事前に爪を短く切り、赤ちゃんの皮膚に直接触れても刺激にならない状態にしておきましょう。

ただし、深爪になると指先が硬く当たりやすくなるため、爪の角をなめらかに整える意識を持ってください。爪を整えたあとは必ず手を洗い、清潔な状態で赤ちゃんの背中に触れることで、肌トラブルの予防につながります。

ギャラン反射以外の原始反射一覧

赤ちゃんには、ギャラン反射以外にも生まれつき備わっている原始反射があります。代表的な赤ちゃんの原始反射は以下のとおりです。

原始反射 特徴
モロー反射 大きな音や急な動きに驚いたとき、両腕を広げてから抱きつくような動きをする
把握反射 手のひらに触れたものを握りしめる
吸啜反射 口に触れたものを吸う動作をする
探索反射 頬に触れると、触れた方向に顔を向けて口を開ける
バビンスキー反射 足の裏を刺激すると足の親指が反り、他の指が扇状に開く
歩行反射(足踏み反射) 体を支えて足を床につけると、足を交互に動かして歩くような動作をする
非対称性緊張性頸反射 頭を一方に向けると、その方向の手足が伸び、反対側の手足が曲がる
バブキン反射 両手のひらを同時に押すと、口を開けたり頭を前屈させたりする
対称性緊張性頸反射 頭を前に曲げると腕が曲がり足が伸び、頭を後ろに反らすと腕が伸びて足が曲がる
ペレーズ反射 背中の両側を同時に刺激すると、背中を反らせて体を持ち上げる
水泳反射 水中やうつ伏せの状態で、手足を動かして泳ぐような動作をする
引っ込め反射 足の裏を刺激すると、下肢を屈曲させて足を引っ込める

≫ ヒューストン大学「Unit 8」(外部サイト)

原始反射は脳や神経系が未熟な時期に見られる生理的な反応であり、成長に伴う神経発達によって順次消失していきます。一方で、特定の反射がまったく確認できない場合や、一般的な消失時期を過ぎても原始反射が残っている場合があります。

反射がまったく確認できない場合や、一般的な消失時期を過ぎても残っている場合は、神経発達の状態を確認するため医師に相談しましょう。

ギャラン反射に関するよくある質問

ギャラン反射に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • ギャラン反射がなくても大丈夫?
  • ギャラン反射が消えない場合はどうする?
  • ギャラン反射は乳児健診でチェックされる?
  • ギャラン反射が見られないと脳性麻痺の可能性はある?

ギャラン反射がなくても大丈夫?

ギャラン反射が確認できない場合でも、赤ちゃんの成長に問題があるとは判断できません。原始反射には個人差があり、ギャラン反射が目立たなかったり、確認しにくかったりする赤ちゃんもいるためです。

一方で、ギャラン反射が見られない状態は、赤ちゃんの成長の様子を知る一つの目安になることがあります。ギャラン反射が確認できない場合には、他の原始反射や全体的な発達の様子もあわせて観察することが大切です。

ギャラン反射が消えない場合はどうする?

ギャラン反射が月齢相応の時期を過ぎても残っている場合には、医師に相談しましょう。原始反射は神経系が未熟な時期に見られる反応であるため、消失が遅れる場合は神経系の発達状況が関係していることがあります。

ギャラン反射が残っていても、他の原始反射や全体的な発達が年齢相応であれば、直ちに問題となる可能性は低い傾向にあります。医師の診察を受けながら成長の経過を継続的に観察し、必要に応じて専門的な判断や助言を受けることが大切です。

ギャラン反射は乳児健診でチェックされる?

ギャラン反射はお腹の中にいるときに役立つ反射のため、乳児健診で調べることはほとんどありません。乳児健診ではモロー反射や吸啜反射、把握反射、非対称性緊張性頸反射などの原始反射が確認されることがあります。
≫ 国立成育医療研究センター「改訂版乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」(外部サイト)

ただし、乳児健診では赤ちゃんの発達状況を把握する目的で、原始反射の有無や反応が確認されることがあります。健診時にギャラン反射が確認できない場合や、月齢の目安を過ぎても残っている場合は発達の様子とあわせて総合的に見られます。

追加の経過観察や専門的な判断が必要と考えられる場合には医師から説明や助言が行われるため、指示に従い様子を見ましょう。

ギャラン反射が見られないと脳性麻痺の可能性はある?

ギャラン反射が確認できないからといって脳性麻痺とは判断できません。原始反射には個人差があり、ギャラン反射が確認しにくい赤ちゃんもいます。

一方で、ギャラン反射が見られない状態は、神経系や運動機能の発達を確認する際の参考情報の一つとして扱われることは事実です。ギャラン反射が確認できない場合には、他の原始反射の出現状況や全体的な発達の様子をあわせて確認しましょう。

他の原始反射が年齢相応に見られ、体勢や運動発達に問題がなければ過度な心配は不要です。ただし、複数の反射に異常が見られる場合や成長の経過に不安がある場合は医師の診察を受け、専門的な視点から判断する必要があります。
≫ CDC「Screening for Cerebral Palsy」(外部サイト)

ギャラン反射は赤ちゃんの成長の証!焦らず見守ろう

赤ちゃんの背中を刺激した際に見られるギャラン反射は、生まれつき備わった原始反射の一つです。背中の片側をなでると刺激された側へ体を動かし、両側を同時に刺激すると背中を反らせる反応が現れることがあります。

ギャラン反射は、赤ちゃんの神経系が適切に働いているかを把握する際の参考情報として用いられます。ギャラン反射の出方や消失時期には個人差があり、見られない場合や長く残る場合でも直ちに異常と判断されるわけではありません。

ただし、月齢に対して反応が極端に異なる場合や、他の発達面で気になる点がある場合には医師の診察を受けましょう。日頃から赤ちゃんの成長を落ち着いて見守り、定期健診を通じて専門的な判断を受けることで安心して発達の過程を支えられます。

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