- 粉ミルクをいつまで飲ませるべきか悩んでいる
- 粉ミルクをやめるタイミングやサインがわからない
- 粉ミルク卒業後の栄養面が心配……
赤ちゃんの育児で粉ミルクをいつまで飲ませて良いかで悩んでいませんか?粉ミルクをやめるタイミングは赤ちゃんによって異なるため、赤ちゃんのサインを見逃さないことが重要です。
この記事では粉ミルクをやめる時期の目安や、やめるための具体的なステップを解説します。記事を読めば赤ちゃんに合わせた粉ミルクのやめ方がわかり、育児への不安の解消につながります。赤ちゃんの食事量や成長の様子を見ながら、焦らずに粉ミルク卒業を目指しましょう。
粉ミルクはいつまで与えるべき?
粉ミルクをいつまで与えるかは、赤ちゃんの成長段階によって変わります。粉ミルクの使用状況は、月齢に応じて以下のように変化します。
- 0〜6か月:主食として粉ミルクを与える
- 7〜11か月:離乳食と粉ミルクを併用する
- 1歳以降:徐々に粉ミルクをやめる
0〜6か月:主食として粉ミルクを与える
生後0〜6か月の赤ちゃんにとって、粉ミルクは母乳と並ぶ大切な主食となります。粉ミルクには赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素がバランス良く含まれているためです。生後半年くらいまでの赤ちゃんは、母乳や粉ミルクだけで成長に必要な栄養をすべてまかないます。
生まれたばかりの赤ちゃんは、粉ミルクを一度に飲める量が限られるため授乳回数が多くなる傾向にあります。赤ちゃんに粉ミルクを与える量や回数は、製品のパッケージに書かれた目安を参考にしましょう。
ただし、自己判断で粉ミルクを薄めたり他の飲み物や食べ物を混ぜたりしてしまうと、赤ちゃんの成長の妨げになる恐れがあります。
7〜11か月:離乳食と粉ミルクを併用する
生後7〜11か月頃は離乳食と粉ミルクを併用して栄養を摂る時期です。離乳食を始めたばかりの赤ちゃんは、離乳食だけでは必要な栄養(特に鉄分やカルシウムなど)をすべて摂りきれません。粉ミルクには、離乳食から得られない栄養を補う重要な役割があります。
離乳を始めた赤ちゃんには、まず食事を済ませてから粉ミルクを与えることが基本です。離乳食の前に粉ミルクを与えると、満腹で離乳食を食べてくれないことがあります。「離乳食の後に粉ミルク」という順番を守りましょう。離乳食後の粉ミルクは、次の離乳食に影響が出ない程度に赤ちゃんが欲しがるだけ与えて構いません。
離乳食を始めた赤ちゃんは食べムラが出てくるケースもよく見られます。栄養不足が心配になるパパ・ママも多いかもしれませんが、粉ミルクをしっかり飲めていれば過度に不安になる必要はありません。ただし、成長とともに粉ミルクだけでは不足しがちな栄養素も出てくるため、赤ちゃんのペースに合わせて離乳食を進めていくことが大切です。
1歳以降:徐々に粉ミルクをやめる
赤ちゃんが1歳を過ぎると、栄養の中心は1日3回の食事へと移り変わります。3回の食事がしっかり食べられていれば、粉ミルクから栄養を摂る重要性は低くなります。赤ちゃんの食事の回数や量に合わせて、粉ミルクは徐々に卒業を検討していきましょう。
鉄分やカルシウムなどが食事だけでは十分に摂取できていないと感じる場合は、フォローアップミルクで補うことも有効です。フォローアップミルクは育児用の粉ミルクとは異なり、離乳食で不足しがちな栄養を補う目的で使用されます。
粉ミルクは赤ちゃんの成長に合わせて1歳~1歳半頃までの卒業を目指すのが一般的です。ただし、赤ちゃんの食事量や発育には個人差があるため、焦らずに赤ちゃんのペースに合わせて進めましょう。
粉ミルクをやめるサイン
粉ミルクをやめるタイミングは、赤ちゃんの行動や食事の様子から判断できます。粉ミルクの卒業を検討する主なサインは、以下のとおりです。
- 離乳食をしっかり食べている
- 粉ミルクを嫌がっている
- 体重が順調に増えている
離乳食をしっかり食べている
赤ちゃんが離乳食をしっかりと食べるようになったら、粉ミルクをやめるタイミングと言えます。食事から十分な栄養を摂れるようになり、粉ミルクで栄養を補う必要性が低くなっているためです。
赤ちゃんが食事から十分な栄養を摂れていると判断する目安は、以下のとおりです。
- 食事のリズム
- 1日3回の離乳食が定着し、食事のリズムが整っていること
- 食事の量
- 1回の食事で大人の半分程度の量を食べられること
- 栄養のバランス
- ご飯や野菜、タンパク質などさまざまな食材をバランス良く食べていること
- 食事への意欲
- 離乳食を食べた後に粉ミルクを欲しがらず、満足している様子があること
赤ちゃんが手づかみ食べやスプーンに興味を示すことも、十分に離乳食が進んでいるサインです。
粉ミルクを嫌がっている
赤ちゃんが粉ミルクを嫌がるそぶりを見せるのも、粉ミルクをやめるタイミングが近づいていると言えます。離乳食でさまざまな味を覚えると粉ミルクの味に飽きてしまったり、哺乳瓶の感触を嫌がったりすることがあります。
赤ちゃんが粉ミルクを嫌がっているサインは、以下のとおりです。
- 哺乳瓶を押し出す
- 哺乳瓶から顔を背ける
- 哺乳瓶で遊ぶ
- 粉ミルクを飲んでもすぐにやめる
粉ミルクを嫌がっている様子が見られたら、無理に飲ませずに赤ちゃんの気持ちを尊重してあげましょう。
体重が順調に増えている
赤ちゃんの体重が順調に増えていることは、粉ミルクの卒業を検討する一つの目安となります。赤ちゃんの成長に必要な栄養やカロリーを離乳食から十分に摂れている証となるためです。母子健康手帳で赤ちゃんの身体発育曲線のカーブを確認しましょう。
長期的な視点で体重増加があれば、赤ちゃんの成長に大きな心配はありません。ただし、体重の増え方で不安な点があれば、乳幼児健診の際やかかりつけの小児科医に相談してください。
粉ミルクをやめるための4ステップ
赤ちゃんが無理なく粉ミルクをやめるためには、以下の4つのステップを段階的に進めましょう。
- 離乳食やおやつの量を増やす
- 徐々に粉ミルクの量と回数を減らす
- コップで水分補給を行う練習をする
- 必要時はフォローアップミルクを活用する
離乳食やおやつの量を増やす
離乳食やおやつの量を増やしていくと、次第に粉ミルクをやめられます。赤ちゃんが食事で満腹になると粉ミルクを飲む回数が自然と減るためです。赤ちゃんの成長に必要な栄養とエネルギーの摂取には、1日3回の離乳食と1~2回のおやつが基本です。
離乳食は主食と主菜、副菜をそろえ、赤ちゃんの食欲を見ながら1食当たりの量を少しずつ増やしていきます。おやつには離乳食だけでは補いきれない栄養を補充する役割があり、次の離乳食に影響が出ないよう時間を決めて与えてください。赤ちゃんのおやつには以下がおすすめです。
- おにぎり
- ふかし芋
- 果物
- ヨーグルト
赤ちゃんが食べたがるときは少し多めに、食が進まないときは無理にあげないなど、赤ちゃんに合わせて柔軟に対応してください。
徐々に粉ミルクの量と回数を減らす
粉ミルクをやめるときは赤ちゃんの心身に負担がかからないよう、量と回数を少しずつ減らしていくことが基本です。急に粉ミルクをなくしてしまうと、赤ちゃんの栄養が足りなくなったり不安な気持ちが強くなったりするためです。赤ちゃんの機嫌や体調をしっかり見ながら、1〜2週間ほどの期間をかけて進めていきましょう。
具体的な粉ミルクの減らし方は、以下のとおりです。
- 授乳回数を減らす
- 日中の粉ミルクから減らす
- 1回当たりの量を減らす
赤ちゃんのペースに合わせて無理なく進めると、粉ミルクの卒業がスムーズになります。
コップで水分補給を行う練習をする
粉ミルクをやめるためには、コップで水分補給をする練習も大切です。哺乳瓶以外から上手に水分を摂れるようになると、赤ちゃんは次第に哺乳瓶を使いたがらなくなります。赤ちゃんのコップ飲みの練習は、以下のポイントを押さえながら進めましょう。
コップ練習の開始時期
生後5~6か月ごろから練習を始めると効果的と言われていますが、赤ちゃんの様子に合わせて始めるのが最も適しています。ただし、赤ちゃんが自分でコップを持てるようになるのは一般的に1歳前後です。
コップの選び方
最初は哺乳瓶の吸い口に似た「スパウト付きのマグ」から試します。慣れてきたら「ストロー付きのマグ」や両手で持てる「トレーニングコップ」へステップアップします。
コップ練習の進め方
コップの中身は水やお茶を少量入れ、大人が手を添えて赤ちゃんの口へ運びましょう。大人がコップで飲む姿を見せて、真似を促すのも良い方法です。
コップ練習時の声かけ
叱らずに「上手だね」とたくさん褒めることで、赤ちゃんのやる気を引き出せます。
食事の時間にコップを用意することで、水分補給の習慣も自然と身につきます。
必要時はフォローアップミルクを活用する
粉ミルクの量を減らしていく中で赤ちゃんの栄養面が心配になる場合は、フォローアップミルクを活用する方法があります。フォローアップミルクは鉄分やカルシウムが豊富に含まれ、離乳食だけでは不足しやすい栄養素を補うことが可能です。
離乳食が1日3回に進む頃を目安に育児用の粉ミルクをフォローアップミルクに置き換えると、粉ミルクをやめる不安を軽減できます。パンケーキやシチュー、スープなどに混ぜるとフォローアップミルクの摂取が簡単です。
ただし、赤ちゃんの離乳食が十分に進んでいる場合は、フォローアップミルクは必ずしも必要ではありません。
粉ミルクをやめる際の注意点
粉ミルクをやめる際は、赤ちゃんの健康を最優先に考える必要があります。粉ミルクをやめる際の注意点は、以下のとおりです。
- 粉ミルク以外で栄養をしっかり取る
- アレルギーの有無を確認する
粉ミルク以外で栄養をしっかり取る
粉ミルクをやめる際は、1日3回の離乳食からバランス良く栄養を摂ることが欠かせません。赤ちゃんが粉ミルクで補っていた鉄分やカルシウムといった栄養素を、離乳食でしっかりと補う必要があるためです。赤ちゃんの離乳食を用意する際は、以下の5つのポイントを意識しましょう。
- 離乳食のバランスを整える
- 鉄分を補える食材を取り入れる
- カルシウムを摂取できる食品を選ぶ
- ビタミンやミネラルを取り入れる
- 不足しがちな栄養はおやつで補う
離乳食では、ごはんなどの「主食」や肉や魚などの「主菜」、野菜のおかずである「副菜」をそろえることを目指します。粉ミルクをやめると食事からの鉄分摂取が重要になるため、赤身の肉や魚、レバー、ほうれん草などを積極的に取り入れましょう。
牛乳やヨーグルト、チーズといった乳製品を離乳食やおやつに加えると、骨や歯の成長に欠かせないカルシウムを手軽に補えます。体の調子を整えるために、野菜や果物を毎食少しずつでも食べさせてあげましょう。
アレルギーの有無を確認する
粉ミルクの卒業に伴い離乳食で新しい食材を与える場合は、アレルギー反応に注意が必要です。赤ちゃんは消化機能や免疫機能が未発達なため、特定の食品を異物と認識し過剰な免疫反応が起こる場合があります。初めての食材を与える際は小さじ1杯程度から始めましょう。
代表的なアレルギー反応は以下のとおりです。
- 蕁麻疹
- 湿疹
- 皮膚の赤みや痒み
- 嘔吐
- 下痢
離乳食中にアレルギー反応が見られたら、すぐに中止して小児科医に相談してください。
赤ちゃんの粉ミルク卒業に関するよくある質問
赤ちゃんの粉ミルク卒業に関するよくある質問は、以下のとおりです。
- 夜間の粉ミルクはいつまで必要?
- フォローアップミルクはいつまで飲ませる?
- 牛乳はいつから与えていい?
- 余った粉ミルクの活用方法は?
夜間の粉ミルクはいつまで必要?
夜間の粉ミルクは、離乳食が3回食に進む生後9か月から1歳頃に卒業を検討することが一般的です。離乳食だけで赤ちゃんが1日に必要な栄養をしっかり摂れるようにするためです。離乳食が進んでいる赤ちゃんが夜泣きをする場合、室温や不安感が原因になっている可能性が考えられます。
ただし、夜間の粉ミルクは無理にやめるのではなく、体重増加を確認しながら赤ちゃんのペースで進めていきましょう。
フォローアップミルクはいつまで飲ませる?
フォローアップミルクは3歳頃まで飲ませても良いという考え方が一般的です。フォローアップミルクは、離乳食だけでは不足しがちな鉄分やカルシウムなどの栄養を補うためのものです。1日3回の離乳食で十分に栄養が摂れているのであれば、飲ませる必要はありません。
フォローアップミルクを飲みすぎると食事摂取量が低下したり、カロリー過多により肥満につながったりすることがあります。フォローアップミルクはあくまで離乳食の補助として活用しましょう。
牛乳はいつから与えていい?
赤ちゃんに牛乳を与え始める時期は、一般的に1歳を過ぎてからとされています。牛乳には鉄分の吸収を妨げる作用があるため、生後早い時期から過剰に与えると鉄分不足による貧血を引き起こす恐れがあります。
ただし、離乳食の調理に少量の牛乳を使う場合は生後7~8か月から可能です。シチューやパンケーキなど加熱調理する料理に混ぜて使用しましょう。初めて牛乳を与える場合は、アレルギー反応が出ないか赤ちゃんの様子をしっかり確認してください。
余った粉ミルクの活用方法は?
赤ちゃんが粉ミルクを卒業した後に未使用分が残ることがありますが、余った粉ミルクは料理や飲み物に活用できます。粉ミルクは甘みとコクがあり、いつもの料理に加えると味の深みと栄養価がアップします。
余った粉ミルクを活用できる料理や飲み物の例は、以下のとおりです。
- お菓子
- シチューやポタージュ
- ハンバーグやグラタン
- コーヒーや紅茶
- スムージー
未開封の粉ミルクであれば、備蓄用として保管することもおすすめです。
粉ミルクは1歳頃を目安に卒業を検討しよう
粉ミルクは赤ちゃんが離乳食から十分な栄養を摂れるようになった1歳頃にやめるのが一般的です。1日3回の離乳食をしっかり食べられ、順調な体重増加があれば粉ミルクの卒業を検討しましょう。ただし、粉ミルクを急にやめると赤ちゃんの心身に影響が出る場合があるため、赤ちゃんに合わせて徐々に粉ミルクを減らします。
赤ちゃんの成長には一人ひとり違いがあります。周りと比べることなく赤ちゃんのペースを大切にしながら成長を見守っていきましょう。