妊娠初期に流産をしやすい行動や仕事は?注意点について解説 | DNA先端医療

2025.07.25

妊娠

妊娠初期に流産をしやすい行動や仕事は?注意点について解説

流産しやすい時期ともいわれる妊娠初期。妊婦さんのなかには、妊娠初期の生活に気を付けて、流産しないように気を付けたいと考えている人もいるのではないでしょうか。妊娠初期のどのような行動が流産につながるのか気になりますよね。

この記事では、妊娠初期に流産しやすい行動について解説します。流産に気を付けるべき仕事についても紹介しているので、参考にしてみてください。

出生前診断にはどんな種類があるの?
出生前診断にはどんな種類があるの? 生まれてくる赤ちゃんの3~5%は、何らかの病気をもっていると言われています。その病気は、軽いものから重篤なものまでさまざまです...

妊娠初期に流産する確率

SNSで“妊娠12週の壁”といわれることがあるように、妊娠12週未満の時期にあたる妊娠初期は流産が起こりやすい時期です。日本産科婦人科学会によると、妊婦さんの4割が流産を経験しており、そのうち8割の流産は妊娠初期に起こるとしています。

妊娠初期の流産理由で最も多いのが、胎児の染色体異常です。つまり妊娠初期の流産の原因は妊婦さん側よりも、胎児側に起因します。とはいえ、妊娠初期から不健康な生活を送っていると、流産につながるおそれもあります。以降では、妊娠初期に注意したい行動についてみていきましょう。

妊娠初期に流産しやすい行動

妊娠後は、おなかの赤ちゃんの健康や安全のために避けるべき行動があります。妊娠初期の流産につながる恐れのある行動は次のとおりです。

重い物を持つ

妊娠初期は非妊娠時と見た目が大きく変わりませんが、重い荷物を持つことを避けましょう。妊婦さんが重い荷物を盛ると、子宮収縮によりお腹が張りやすくなり、痛みや出血など流産の兆候がみられることがあります。

お腹の痛みや出血が流産と関係なくても、繰り返すことで切迫早産のリスクを高めます。妊娠が発覚したら、無理して重い荷物を持たずに、周囲の人の助けを借りるようにしましょう。

自己判断で薬を飲む

妊娠初期は服薬にも注意が必要です。薬のなかには、おなかの赤ちゃんの奇形リスクを高めたり、毒性があったりするものもあり、妊娠中の服用が制限されているものもあります。

例えば妊娠3週までは、“All or None(全か無か)”の時期と呼ばれており、薬により受精卵が着床しない・流産するといった影響を受けることがあります。反対に、受精卵が着床し、妊娠が継続されていれば、この時期の薬の影響はないと考えられています。

また妊娠4~15週は、赤ちゃんの重要な器官が作られる時期であり、服薬により赤ちゃんの奇形リスクも高まります。なお、妊娠16週以降は薬による奇形の影響はほぼなくなりますが、薬の毒性について注意が必要です。

激しい運動をする

妊婦さんが激しい運動をすると、流産のリスクを高めることがあります。運動そのものは、妊娠中の適切な体重の維持やストレスの解消に役立つものです。しかし、相手と身体が強く接触するスポーツや呼吸がひっ迫するほどの運動は、妊娠中の体に負担がかかるため避けなければなりません。

妊娠初期から運動に取り組みたい場合は、ウォーキングやストレッチなど緩やかな全身運動を選ぶとよいでしょう。

喫煙

妊娠中の喫煙は、流産のリスクを高めます。タバコの煙に含まれるニコチンや一酸化炭素の影響により、おなかの赤ちゃんが低酸素状態になるためです。

例えば、タバコを吸っている妊婦さんは、そうでない妊婦さんよりも、流産のリスクが1.5倍高くなります。そのほかにもタバコにより、赤ちゃんが予定日より早く生まれる(早産)、小さく生まれる(低出生体重児)になるリスクも高まります。

お酒を飲む

妊娠中のアルコール摂取は、流産のリスクを高めます。妊婦さんがお酒を飲むと、胎盤を通して赤ちゃんもアルコールの影響を受けます。また妊娠初期のアルコールの摂取は、赤ちゃんの顔立ちの奇形の原因になります。

妊娠中に「少量の飲酒ならば問題ない」と考える人もいるかもしれません。妊娠中の飲酒は、少量でも赤ちゃんに影響がある可能性が指摘されており、安全な量が確定されていません。妊娠が判明したら、流産や赤ちゃんへの健康の影響を避けるために、禁酒を徹底しましょう。

コンドームを使用しない性行為

妊娠初期の性行為により、赤ちゃんが流産するリスクが高まる可能性があります。前述したように、妊娠初期は流産のリスクが高い時期であり、この時期に子宮が刺激されることで、お腹の張りや出血を引き起こすことがあります。

とくに夫婦でもコンドームを使用せずに性行為をすると、感染症にかかる恐れがあります。相手がクラミジアなどの性感染症にかかっていなくても、精液には細菌が混入することがあります。妊娠初期に安全に気を配るのであれば、妊娠初期の性行為は避けた方がよいでしょう。

妊娠初期の流産でみられる症状

一般的に流産では、お腹の張りによる腹痛や性器出血がみられます。ただ妊娠初期の場合、流産が起こっても気づかない人も多く、妊婦健診のエコーで分かることもあるかもしれません。

妊娠初期に流産になったとしても、多くの場合は赤ちゃん側の問題によるものです。そのため、「あのとき安静にしておけばよかった」と妊婦さんが行動を振り返って、自身を責めすぎないようにすることが大切です。待望の妊娠の場合、赤ちゃんを失うことは大変辛いものですが、穏やかな日々を過ごすように心がけましょう。

妊娠初期の流産に関してよくみられるQ&A

妊婦さんのなかには、妊娠初期の流産についてさらに詳しく知りたいと考えている人もいるでしょう。ここでは、妊娠初期の流産についてよくみられる質問に答えます。

妊娠初期に流産しやすい人の特徴は?

妊娠初期に流産しやすい人にはいくつかの特徴があります。具体的な特徴は次のとおりです。

  • 過去に流産の経験がある
  • 高齢妊娠(35歳以上)
  • 太りすぎ、またはやせ過ぎの人(BMIが25以上または18.5以下)
  • 持病に子宮筋腫がある人

上記の項目に当てはまっていると、必ず流産するというわけではないものの、不安な人は医師に相談してみるとよいでしょう。

妊娠初期に流産しやすい仕事は?

産休まで仕事を続ける妊婦さんも多くいるでしょう。流産になる仕事はないものの、仕事中の動作のなかには流産のリスクを高めるものもあります。

立ちっぱなしや重い荷物を抱えるなどの動作は、お腹が張りやすくなります。また激しすぎる運動や、外部から強い衝撃を受けることのないように注意が必要です。さらに近年では、強いストレスも流産のリスクを高めるといわれています。

妊娠中は、労働基準法により、妊婦さんが軽微な業務につけるように、一時的な配置転換が認められています。心身に負担がかかる仕事をしている妊婦さん

は、職場に業務内容の変更または縮小、負担の少ない部署への配置転換を申し出ましょう。

まとめ

妊娠初期は、おなかの赤ちゃんの染色体異常をはじめ胎児側の原因で流産が起こりやすい時期です。一方で、妊娠中にも流産のリスクを高める行動があるため、妊娠初期から気を付けることが大切です。

タバコや飲酒など習慣性になっている行動には、なかなかやめられないものもあるでしょう。妊娠中に注意したい行動を辞められない場合は、医師や助産師などの専門家に相談するようにしましょう。

また、腹痛や出血など流産の症状がみられるときは、早めに医療機関を受診するようにしてください。

参考:
[第6回]薬剤の胎児に与えるリスク
妊娠・出産への影響
妊娠中の性行為 基本的には避けて

妊娠中の注意点!やること・やってはいけないことを週数ごとに紹介
妊娠中の注意点!やること・やってはいけないことを週数ごとに紹介 妊娠が分かると、喜びと同時に戸惑いも感じますよね。 妊娠による心身の変化を感じる中で、妊娠中にやることややってはいけない...

ABOUT ME

原明子
国立大学で看護学を学び資格を取得し、卒業後は都内の総合病院に勤務。 海外医療ボランティアの経験もあり。 現在は結婚・子育てのため、医療や健康分野を中心にライター・編集者として活動中。 学歴:2005年 国立大学看護学部卒業。取得資格:看護師、保健師。

前後の記事

子どもの名前の決め方|失敗しない7つの方法と2025年人気ランキング

同じカテゴリーの記事