2024.02.26
妊娠
妊婦さんの中には、おっぱいのサイズや感覚の変化を感じている人もいるのではないでしょうか。妊娠週数を重ねるにつれて、今後おっぱいがどのように変化するのか気になりますよね。
そこで、妊娠中の女性のおっぱいの変化やお手入れ方法について解説します。妊娠中のバストケアは出産後の授乳の準備にも役立つので、ぜひ参考にしてみてください。
妊娠してから、「バストが大きくなった」「おっぱいが敏感になっている」と感じるようになった人もいるでしょう。女性のバストは1割の乳腺と9割の脂肪組織で構成されています。
また、女性のバストは女性ホルモンの分泌と密接な関連がある器官です。生理前に女性ホルモンの分泌レベルの変化により、張りや痛みを感じることもあります。
特に、妊娠中は女性ホルモンの分泌の増加や、乳腺組織が発達するために、平均してバストが2カップほど大きくなります。
しかし、妊娠中も乳腺組織が十分に発達せずに、バストのサイズが大きく変化しない人もいます。妊娠中におっぱいが大きくなるのは、乳腺の発達ではなく、体重増加による脂肪の沈着によるものもあります。妊娠中のバストの大きさは、必ずしも母乳の出に直結するわけではありません。心配しすぎないようにしましょう。
妊娠中は早いうちからバストに変化がみられます。ここでは、妊娠中のおっぱいの変化についてみていきましょう。
妊娠初期は、生理前に起こる胸の張りが続くようになります。妊娠により、女性ホルモンの分泌レベルが維持されるためです。
特に、妊娠12週頃になると、バストのトップが急激に大きくなるので、おっぱいが敏感になる人もいるでしょう。
妊娠初期に続いて、バストトップは妊娠16週まで緩やかに大きくなります。その後、妊娠16週から24週になると、バストのカップの大きさはほとんど変わりません。
一方、妊娠中期ではアンダーバストのサイズアップが急激に起こります。これは妊娠によるバストのボリュームが大きくなるのではなく、おなかの赤ちゃんが成長により上側に挙上されるためです。
また妊娠16週頃は、女性ホルモンの影響により乳首や乳輪の色が濃くなっていきます。女性ホルモンは妊娠を維持する役割のほかにも、メラニン色素を作るメラノサイトを刺激する作用があるためです。
出産後直後の赤ちゃんは、視力が十分に発達しておらず、授乳時に赤ちゃんが乳首を見つけるための目印にもなります。妊娠中に乳首や乳輪が濃くなっても、出産後に少しずつ薄くなっていくので心配しすぎないようにしましょう。
さらに、早い人では妊娠中期から乳汁の分泌がみられることもあります。これは出産後の授乳に備えて、乳腺組織が発達するためです。乳頭から乳汁が分泌しているときは、脱脂綿で拭くなどして乳頭を清潔に保ちましょう。
乳汁の分泌量が多いときは、産後のママが使う専用のパッドを使うのもおすすめです。
妊娠28週から32週までは、出産後の授乳に向けてバストトップとアンダーバストがさらに大きくなっていきます。妊娠32週の乳房をエコーで観察してみると、乳腺組織が拡張している状態であることが分かります。
妊娠前と比べると、バストのトップは平均で6.5cmほど、アンダーバストは10cmほど大きくなります。特に、妊娠中に大幅な体重増加すると、急激なバストアップが起こるため、妊娠線が起こることがあります。
妊娠線とは妊娠中に起こる肉割れのことで、体重増加により皮膚の伸展が追い付かなくなり、真皮層が断裂することで起こります。
その一方で、妊娠中バストの変化には個人差があり、出産直前になっても乳腺組織が十分に発達しない人もいます。
妊娠中は産後の授乳に向けて、おっぱいのお手入れをするのがおすすめです。ここでは、妊娠中のおっぱいのお手入れのポイントについてみていきます。
妊娠20週を過ぎたら、乳頭の手入れを始めましょう。妊娠中に乳頭の手入れをすると、赤ちゃんが吸いやすい乳首の状態になり、産後の授乳がスムーズになります。
乳頭を刺激すると、「オキシトシン」という子宮収縮を促すホルモンが分泌されるため、流産のリスクが低い時期になったらお手入れを開始するのがおすすめです。
乳頭のお手入れの具体的な方法は次の通りです。
妊娠20週以降でも、乳頭の手入れをした後にお腹の張りを感じることがあります。次回のお手入れは時間を短くするなど、様子を見ながら行いましょう。特に、切迫早産や赤ちゃんの位置が逆子である妊婦さんは乳頭マッサージを控える必要があります。
妊婦さんの中には、妊娠中期から後期にかけて乳頭から乳汁が分泌されることがあります。乳汁の分泌により乳垢がたまることがあるでしょう。乳頭や乳輪周りのかゆみの原因にもなるので、お手入れで乳垢を取り除く必要があります。
乳垢を取るためにお風呂で体を洗うときにゴシゴシ擦ると、乳頭や乳輪の皮膚を傷めることがあります。乳垢がなかなか取れないときは、乳液やオリーブ油などでふやかしてから取るのがおすすめです。
妊娠中は、女性ホルモンの分泌量や体重が増加したりすることで、バストのサイズが大きく変化します。おっぱいの変化は妊娠初期から始まっているため、「サイズが合わなくなった」と感じたらブラジャーを見直しましょう。
妊婦さんの中には、ブラジャーによる締め付けが気になる人もいるかもしれません。妊娠中にキツイ下着を着けていると、血行が悪くなったり、体調の不良を感じたりする原因になります。
自宅にいるときはブラジャーを外すこともできますが、大きくなったバストを支えきれずに、胸の形が崩れる原因になることもあるでしょう。妊娠の時期によってもトップバストやアンダーバストが変化するので、自分のサイズに合ったブラジャーを着用することが大切です。
妊娠中にブラジャーを変えるのであれば、マタニティブラジャーを検討するのもおすすめです。マタニティブラジャーは、妊娠中に起こるバストのボリュームアップに合わせた設計となっています。
「ワイヤーありは外出用」「ワイヤーなしは自宅用」という風に、ブラジャー装着後のバストのシルエットで使い分けるのもよいでしょう。商品の中には、妊娠期間中や、授乳後のバストの変化に対応できるものもあります。
妊娠中は女性ホルモンの分泌レベルの変化や体重の増量により、バストの大きさや形が変わりやすくなります。妊娠中に快適に過ごすために、マタニティブラジャーなど自分のバストに合わせた下着を身につけるようにしましょう。
また妊娠中期から後期にかけては、産後の授乳に備えておっぱいのお手入れをするのもおすすめです。特に乳頭マッサージによりお腹が張ることもあるので、体調を見ながらケアをしていきましょう。
参考:
妊娠経過に伴う乳房の発育状況と泌乳との関係
北里大学/妊娠編
岡山大学/妊娠36週からのおっぱいケア
ABOUT ME