2025.09.30
妊娠

妊娠中にお腹をさすってはいけないという話を聞いて、不安に感じていませんか?
妊娠中のお腹への接触は、正しい方法で行えば赤ちゃんとのコミュニケーションにもなります。しかし、強い刺激や間違った触り方は、お腹の張りや早産のリスクを高める恐れがあるため注意が必要です。
そこで、この記事では、妊娠中のお腹の安全な触り方や避けるべき行動、妊娠時期別の注意点について詳しく解説します。

結論から言うと、優しく触れる分には問題ありませんが、強くさすることは避けるべきです。
注意が必要な理由は主に2つあります。
それぞれ説明していきます。
妊娠中にお腹を強くさすると、子宮収縮が起きてお腹が張りやすくなります。
お腹の張りとは、子宮の筋肉が収縮して硬くなる状態です。強い刺激を与えると、子宮が収縮反応を起こしてしまいます。
頻繁な張りと早産には関連があるとされているため、注意が必要です。
切迫早産や前置胎盤などの合併症がある場合、お腹をさすることでリスクが高まります。
これらの合併症では、わずかな刺激でも症状が悪化する恐れがあります。多胎妊娠の場合も子宮への負担が大きいため慎重になる必要があります。
医師から安静を指示されている方は、お腹への刺激は控えることが大切です。

妊娠中にお腹を触りたい場合は、正しい方法で行うことが大切です。安全な触り方を守れば、赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しめます。
安全なお腹の触り方は主に3つの方法があります。
それぞれ詳しく説明していきます。
お腹を触るときは、指先ではなく手のひら全体を使って優しく触れましょう。
手のひら全体を使うことで、圧力が分散されて赤ちゃんや子宮への負担を軽減できます。指先で押すような触り方は、局所的な刺激が強くなるため避けてください。
触る時間は約10秒ほどの短時間にとどめ、できるだけ軽いタッチを心がけましょう。
お腹をなでるときは、時計回りに円を描くように軽く動かします。
円を描く動きは、腸の動きと同じ方向なので体に負担をかけにくい方法です。一箇所を集中的に触るのではなく、お腹全体を広くなでるように意識してください。
動きはゆっくりと行い、急激な動作は避けましょう。リラックスした状態で行うことが重要です。
お腹を触るときは、赤ちゃんに話しかけながら行うとより効果的です。
優しい声で話しかけることで、赤ちゃんとの絆を深められます。「元気に育ってね」「お母さんはここにいるよ」など、愛情のこもった言葉をかけてあげましょう。
パートナーにも一緒に参加してもらうことで、家族全体で赤ちゃんを迎える準備ができます。ただし、お腹が張ったり違和感を感じたりした場合は、すぐに中止して安静にしてください。

安全な触り方がある一方で、避けるべき触り方もあります。
下記のような触り方は、お腹の張りや子宮収縮を引き起こす恐れがあるため注意が必要です。
これらの行為は子宮に刺激を与えすぎるため、妊娠中は控えるようにしましょう。

妊娠時期によって、お腹への接触で注意すべきポイントが異なります。胎児の成長段階に合わせて、適切なケアを心がけることが大切です。
妊娠時期は大きく3つに分けられます。
それぞれの時期の特徴と注意点を説明していきます。
妊娠初期は胎児の器官形成が行われる重要な時期のため、特に慎重になる必要があります。
この時期はまだお腹の膨らみが目立たないものの、子宮は敏感な状態です。つわりで体調が不安定になりやすく、少しの刺激でも不快感を感じることがあります。
お腹を触る際は、より軽いタッチを心がけましょう。妊娠初期は自然流産が多い時期でもあるため、不必要な刺激は避ける方が安心です。
妊娠中期は比較的安定した時期ですが、お腹が大きくなり始めるため注意が必要です。
この時期から胎動を感じ始める方も多く、赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しめます。つわりが落ち着き体調も安定してくるため、適度な刺激であれば問題ありません。
ただし、お腹の成長に伴って皮膚が伸びるため、強くこすったりすると妊娠線の原因になる可能性があります。優しく触れることを心がけてください。
妊娠後期は最も注意が必要な時期で、ちょっとした刺激でもお腹が張りやすくなります。
子宮が大きくなり、胎児も成長して出産準備に入る時期です。この時期の強い刺激は早産のリスクを高める恐れがあるため、特に慎重に行いましょう。
お腹を触る時間はより短時間にとどめ、張りを感じたらすぐに中止してください。前駆陣痛が起こりやすい時期でもあるため、普段以上に体の変化に注意を払うことが大切です。

妊娠中にうっかりお腹を強く触ってしまった場合でも、慌てずに適切な対処をすることが大切です。多くの場合は問題ありませんが、症状に応じて正しい判断をしましょう。
対処法は症状によって3つに分けられます。
それぞれの対処法を詳しく説明していきます。
お腹を強く触ってしまった場合、まずは安静にして体の変化を観察しましょう。
横になって楽な姿勢を取り、深呼吸をしてリラックスしてください。多くの場合、一時的な刺激であれば大きな問題にはなりません。
30分程度安静にして、お腹の張りや痛み、胎動の変化がないかチェックしましょう。特に異常を感じなければ、通常通りの生活に戻しても問題ありません。
お腹を触った後に張りや出血がある場合は、すぐに対処が必要です。
お腹の張りが続く場合は、横向きに寝て安静にしてください。水分補給も忘れずに行いましょう。張りが10分以上続く場合や、規則的に起こる場合は注意が必要です。
出血がある場合は、量や色に関わらず必ず医師に相談してください。夜間や休日でも、緊急性がある症状の場合は救急外来を受診しましょう。
以下の症状がある場合は、迷わず医師に相談してください。
継続的なお腹の張りや痛み、鮮血の出血、胎動の減少や停止が主な目安です。いつもと違う違和感を感じた場合も、遠慮せずに相談しましょう。
夜間や休日でも、緊急性がある症状の場合は救急外来を受診してください。「様子を見すぎて手遅れになる」よりも「念のため受診して安心する」方が大切です。
妊娠中のお腹のケアについて、多くの妊婦さんが抱く疑問にお答えします。
無意識にお腹を触ってしまうことは問題ありません。
無意識の場合は力加減が優しいことが多く、赤ちゃんを守ろうとする母性本能の表れです。触った後にお腹の状態を確認する習慣をつけましょう。
優しくお腹を触りながら話しかけることで、赤ちゃんに愛情を伝えられます。
無意識の場合は力加減が優しいことが多いため、基本的には心配いりません。触った後にお腹の状態を確認する習慣をつけましょう。
重いものを持つ、きつい衣服の着用、急激な体勢の変化は避けましょう。
これらの行動は子宮に負担をかけ、お腹の張りを引き起こす恐れがあります。マタニティ用の衣服を選び、ゆったりとした生活を心がけてください。
妊娠中にお腹をさすってはいけないということはありませんが、強い刺激は避けることが大切です。
優しく触れる分には問題なく、赤ちゃんとのコミュニケーションにもつながります。手のひら全体を使い、約10秒程度の短時間で行うことがポイントです。
妊娠時期によって注意点は異なり、特に妊娠後期は張りやすくなるため慎重に行いましょう。お腹の張りや出血などの症状がある場合は、安静にして医師に相談することが重要です。
正しい知識を持って適切にケアすることで、安全で快適な妊娠生活を送れるでしょう。
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