2022.09.23

お知らせ

弊社代表栗原が、福島県立福島高等学校とオンライン対談を実施しました

2022年9月1日(木)に弊社代表取締役の栗原慎一と福島県立福島高等学校3年生の生徒様3名にてオンライン上での対談を開催しました。

 

昨年生徒様方が授業の一環でダウン症に関する研究発表を行われる際に、出生前検査の検査数や年齢層などのご質問をいただいたことがきっかけとなり、今回意見交換の場が開かれることになりました。

 

明確にテーマについて答えを出すことを目的としているのではなく、あくまでも各々の個人的な意見を交わすことを目的とした会となっています。

 

それぞれのテーマについて生徒様から、意見や不明点についての質問をいただき、栗原がコメントを行うという形式で行いましたが、私たちでは気づかなかった発想も多々あり、NIPT検査に関わる企業に携わる者としていい刺激を受けさせていただきました。

 

DNA先端医療株式会社では、今後もNIPT検査に関する知見を世に発信するため、社員一同努めてまいりたいと思います。福島高校の皆様、ありがとうございました。

対談テーマ

①妊娠が発覚したら出生前診断を受けるべきか否か
②ダウン症の子どもが生まれたら―親として、社会として取り組みたいこと
③出生前診断は誰のための検査か

 

それぞれのテーマで話した内容は下記の通りです。

①妊娠が発覚したら出生前診断を受けるべきか否か

赤ちゃんの健康状態を知る手段として「出生前診断」が存在しますが、これを受けるべきか受けないべきかについて議論すべく、受けることのメリットと受けないことのメリットについて意見出しを行いました。

 

<出生前診断を受けるメリット>
・陽性の結果を受け取った時に、赤ちゃんの病気に対し治療や教育体制の準備ができる

・NIPT検査の場合、98%の人が「陰性」の結果を受け取っている事実がある。「陰性」の結果が出ることで安心して出産をすることができる

 

<出生前診断を受けないメリット>
・羊水検査などの確定検査について言うと、少なからず母胎にとっての負担がある
・陽性の結果を受けて中絶する人のパーセンテージが高い(命の選別につながる可能性)

 

「命の選別」という言葉が出生前診断の世界においてよく使われますが、これは生まれる前に中絶することだけを指しているのではなく、疾患を持ってすでに生活をしている人たちの差別などを含む社会体制の現状のことも含まれるのではないか―との議論が繰り広げられました。

②ダウン症の子どもが生まれたら―親として、社会として取り組みたいこと

このテーマは、生徒様方がこれまで授業の一環として取り組まれていたダウン症について対談をしたいと思い設定したテーマとなっています。
ダウン症について名前こそ知られていますが、どういった症状があるのかなど社会にまだまだ知られておらず、情報発信をしていく必要があるのではないかとの意見が挙がりました。

 

ダウン症の方が働いている際、仮にダウン症の方のことをもっと知ってもらえれば、中絶につながる数が減るのではないかという意見や、周囲の理解がない中で症状が出てしまうとダウン症の方が働きづらい社会になってしまうのでは―との意見も挙がり、情報発信という意味では当社でもできることがあるのではないかと感じました。

③出生前診断は誰のための検査か

出生前診断は赤ちゃんの健康状態を知るために行う検査という意味合いがありますが、結果によっては中絶が選択されることも多いのが実情です。それでは出生前診断とは、誰のためにある検査なのかということを話し合いました。

 

親目線で言えば赤ちゃんの健康状態を把握し出産するか否かを考えることができること、赤ちゃん目線で言えば疾患の状態がわかるため生まれてすぐに治療を受けることができること―これらがそれぞれの立場におけるメリットではないかとの話になりました。

 

そういう意味で言えば、親と赤ちゃん双方のための検査であると言えるのかもしれませんが「親のためである」という思想が強く残っているからこその過去の自治体の施策の例なども話に挙がっており、近年に至るまで「親のためのもの」という側面が強かったのではないかと考えさせられました。

 

そういった状況を変えるには、現状の福祉体制に関する情報、疾患を持っていて活躍している人たちの姿が積極的に発信されれば未来は変わるのかもしれません。